百詩篇第1巻


 ミシェル・ノストラダムス師の予言集詩百篇第1巻百詩篇第1巻 )は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。予言集初版に収録されていた。

全訳

 詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先の原文の底本は1555Vである。
 訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
 ( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。


1
離れた書斎で夜に着座し、
ひとり青銅の腰掛けで静かにしていると、
孤独から出でた幽かな火が、
信じて無駄にならない事柄を語らせる。

2
ブランコスの中央で杖を手にし、
水の中で裾と足を彼は濡らす。
蒸気と声が袖を通じて震える。
神の輝き。神が傍らに座している。

3
敷藁が旋風で裏返り、
彼らの顔がその外套で覆われるであろう時、
共和国は新しい人々に悩まされる。
その時、白と赤は反対に裁くだろう。

4
世界に一人の君主が産み出されるが、
その平穏と生涯は長くはないだろう。
そのとき釣り舟は失われ、
最大の損害に見舞われるだろう。

5
(彼らは)長く戦わずして追い立てられ、
田舎で一層ひどく打ちのめされるだろう。
町や都市ではさらに大きな争いがあり、
カルカソンヌナルボンヌが彼らの勇気を試すだろう。

6
ラヴェンナの眼は奪われるだろう、
その足元へと翼が萎えるであろう時に。
ブレッシャの二人は明らかにするだろう、
トリノヴェルチェッリをガリア人たちが打ちのめすことになると。

7
到着が遅れ、処刑が執行される。
逆風 (に見舞われ)、書簡は途上で奪われる。
陰謀を企むのは、ある派の十四人。
赤毛によって企ては賛同されるだろう。

8
太陽の都市よ、汝は何度囚われと
なるのだろうか、空虚なバルバロイの掟を変えつつ。
汝の災禍が近づく。より一層従属することになるだろう。
アドリア海の大物が汝の血管を再び開くだろう。

9
オリエントから勇敢なカルタゴ人が来るだろう、
ロムルスの末裔たちとアドリアを悩ませるために、
リビアの艦隊を伴いつつ。
マルタ島が震え、近隣の島嶼は無人になる。

10
蛇たちは鉄の檻に送り込まれる
― そこには王の七人の子どもたちが囚われている ―。
老人たちも父たちも地獄の下のほうから出てくるだろう。
しかし、その子孫の死と叫びを見て死ぬ。

11
感覚、心、両足、両手の動きが
一致するだろう。ナポリシチリアのレオン 〔=レオンティニ〕(では)、
剣と火と水(が)。高貴なローマ人たちは井戸にて
脆弱な判断力のせいで溺れさせられ、殺され、滅ぼされる。

12
まもなく野蛮で薄弱な偽善者について語られるだろう。
(彼は)低きから高きへ速やかに引き上げられる。
すると途端に不誠実で当てにならない者に。
その者はヴェローナの政権を握るだろう。

13
亡命者たちは憤怒と内心の憎悪によって
王に対して大陰謀をめぐらせるだろう。
敵たちを密かに坑道から引き込むだろう。
古くからの仲間たちを彼らに対する暴動へと。

14
歌声、朗唱、請願が隷属させられた人々から。
それは君主や領主たちに投獄されていた捕虜たち。
後世、頭のない痴れ者たちによって、
神への祈りのためだと受け止められるだろう。

15
マルスは好戦的な力で我々を脅し、
七十回、血を流させるだろう。
教会勢力の高揚と没落、
その上、彼らから何も聞きたくないという人々。

16
鎌が人馬宮の辺りで錫と結びつく、
その昂揚の高い遠点において。
ペスト、飢餓、軍の手による死。
時代は刷新に近づく。

17
四十年間、イリスは現れないだろう。
四十年間、(それは)毎日見られるだろう。
旱魃の大地はますます乾燥していき、
そして(イリスが)目撃されるときには大洪水が。

18
ガリア人の不和と怠慢のせいで、
ムハンマドに道が開かれるだろう。
シエーナの陸と海は血に染まり、
フォカエア人の港は帆と船に覆われる。

19
蛇たちが祭壇を取り囲みに来るであろう時、
トロイアの血がスペイン人にさいなまれる。
彼らによって、大多数が損なわれるだろう。
指導者は逃げ、葦原の沼地に隠される。

20
トゥール、オルレアン、ブロワ、アンジェ、ランス、ナント、
それらの都市は急激な変化に悩まされる。
異国語の話し手たちによって天幕が張られるだろう。
砂まみれの大河、大地と海は震える。

21
岩を養う深く白い粘土は
乳白色をしていて深淵から出てくるであろう。
人々は無為に困惑させられ、それにあえて触れようとはしないだろう、
底に粘土質の土があるとは知らずに。

22
生きていても何の感覚も持たぬ者が、
その生みの親を傷つけに来て死なせるだろう。
オータン、シャロン、ラングル、二箇所のサンス
雹と氷が大きな不幸をもたらすだろう

23
第三の月に日が昇ると、
猪と豹は戦うためにマルスの野に。
疲れた豹は天へと視野を広げ、
一羽の鷲が太陽の周りを飛び廻るのを見る。

24
新しい都市で刑の宣告に悩んでいると、
猛禽が空に身を投じてくるだろう。
勝利の後で捕虜たちを赦す。
クレモナとマントヴァでは、大災厄に見舞われるだろう。

25
失われ、見つけられ、非常に長い間隠されてきた
牧者は半ば神と称えられるだろう。
しかし、月がその大いなる周期を完成する前に、
別の祈りによって名誉を傷つけられるだろう。

26
雷の大きいものが昼の時分に落ち、
凶事が天罰の持ち主によって予言される。
続く予兆は夜の時分に落ちる。
ランスとロンドンで戦闘、エトルリアで悪疫。

27
空から撃たれたギュイエンヌの楢の下、
そこから遠くないところに宝が隠されている。
それは何世紀にもわたって奪われていたものである。
発見した者は死ぬだろう、目をバネに引き裂かれて。

28
ブークの塔でバルバロイの軽量船が(帆を)高く掲げるだろう、
ヘスペリアの船から長い時を隔てて少しの間。
どちらも家畜、人々、家財に大損害をもたらすだろう。
金牛宮と天秤宮(の間に)、何という致命的な死闘か。

29
陸棲であり水棲でもある魚が
強い波で浜辺に打ち上げられるであろう時、
― それは奇妙で脂ぎった恐ろしい姿である ―
間をおかず海を渡って、敵たちが城壁へと。

30
異国の船が海の時化 〔しけ〕 のせいで
見知らぬ港の近くに着岸するだろう、
椰子の小枝 〔=葉〕 の合図にもかかわらず。
のちに死と略奪。遅れて届く有用な助言。

31
幾年にもわたりガリアでは戦争が続くだろう、
カストゥロの王の生涯(の長さ)を超えて。
不確かな勝利で、三人の大物は戴冠するだろう。
鷲、雄鶏、月、獅子、太陽は印をつけられる。

32
大帝国がすぐに移されるだろう、
小さな場所に。それは瞬く間に成長するだろう。
狭い伯爵領のじつに取るに足らない場所、
その中央に彼の王杖を置きに来るだろう。

33
広い平原の大きな橋の近くに、
大いなる獅子がカエサルの軍隊を用いて、
頑強な都市を外から打ち倒させるだろう。
恐怖にかられ、門は彼に開かれるだろう。

34
左に飛ぶ猛禽が
紛争に先立ちフランス人たちに姿を見せる。
ある者は吉祥と受け取り、別の者は曖昧で不吉なものと見る。
弱い一党は吉兆と見なすだろう。

35
若き獅子は老いた方を凌駕するだろう、
一騎討ちによる戦いの野で。
黄金の籠の中の両目を(彼は)引き裂くであろう。
二つの艦隊(で勝ち残るの)は一つ、そして死ぬ、酷き死。

36
君主が手遅れに悔いるだろう、
彼の敵対者を葬っておかなかったことを。
しかし、彼は従わざるを得なくなる、より高い存在が
彼の血族全てを死ぬまで苦しめることに。

37
太陽が隠れる少し前、
偉大な人々に疑わしい紛争が与えられる。
敗れた者たちに海港は返事をしない。
橋と墓は異国の二箇所に。

38
太陽と鷲が勝者の前に現れるだろう。
敗者には空虚な保証が与えられる。
角笛でも叫びでも甲冑は思いとどまらないだろう、
復讐を。その時点の平和は死によって実現する。

39
夜に寝床で最高位のものが絞殺される、
非常に長くとどまったために。選ばれた金髪が、
― 帝国が三人から熱望されて ― 疲弊し、
死ぬだろう。荷物の書付は読まれない。

40
狂気を隠蔽する虚偽の喇叭
ビュザンティオンに法制の変更をさせるだろう。
撤回されることを望む者がエジプトから出るだろう、
貨幣とその品位を変更する勅令について。

41
都市での攻囲と夜襲。
ほとんどの者は逃れられない。その紛争は海から遠くない処で。
婦人は息子の帰還に喜び卒倒する。
毒と封をされた手紙が封筒の中に。

42
四月のカレンダエの十日前、グノーシスの行為が
邪悪な人々によって今一度蘇らせられる。
火が消され、悪魔の集いが
アダマンティウスとプセロスの (叙述した) 穢らわしき物を求めつつ。

43
帝国の変化が到来する前に、
まさしく驚倒すべき事件が起こるだろう。
野が揺さぶられ、斑岩の柱は
節くれだった岩の上に移され、置かれる。

44
すぐに生贄たちが戻るだろう。
違反者たちは殉教させられ、
修道士も大修道院長も修練士も最早いないだろう。
蜂蜜は蜜蝋よりもずっと高価になるだろう。

45
諸宗派の迫害者は密告者へと大きな報酬を。
劇場には獣、舞台での芸を仕込まれる。
この古い方法を見つけた者は高められる。
諸宗派のせいで世界は混乱し分裂する。

46
オーシュ、レクトゥール、ミランドの至近で、
三夜に渡って天から大火が降るだろう。
まさに呆然・驚倒すべき事件がおきるだろう。
すぐ後に大地が震えるだろう。

47
レマン湖からの説教が不快にさせるだろう。
日々は週によって置き直され、
そして月々、さらに年々となって、全てが絶えるだろう。
行政官たちは彼らの空虚な諸法を痛罵するだろう。

48
月の支配の二十年が過ぎた。
七千年をこえて、その君主政を保つだろう。
太陽が残された日々を受け取るであろう時に、
私の予言は成就し、終わる。

49
そうした策謀のずっとずっと前に、
東方の人々は月の力によって、
一千七百年に大遠征を行うだろう、
アクィロの片隅をほとんど屈服させつつ。

50
水の三角宮(の期間)に生まれるだろう、
木曜日を自らの祝日とするであろう者が。
その名声、称賛、王国、権力は増大するだろう。
陸と海を通じて東方の者たちへ嵐が。

51
白羊宮の頭(に)、ユピテルサトゥルヌス
永遠の神よ、何という変転か!
そして長い時代を隔てて、かの悪しき時期が戻り来る。
ガリアとイタリア(では)、何という騒乱か!

52
二つの凶星が天蠍宮で合となり、
偉大な領主が自室で殺される。
教会には悪疫。新王によって併合されるのは
ヨーロッパの低地地方と北部。

53
嗚呼、目撃されることになろうとは! 偉大な民族が苦しめられるのが。
そして完全なる荒廃が聖なる掟と
キリスト教国全体へと、別の掟によりもたらされるのが。
金銀の新たな鉱山が発見される時に。

54
邪悪な大鎌持ちによって行われる十度の転回は、
王国と時代に変化をもたらす。
基本宮からその場所へと落ち着く、
傾きについても二つが等しい時に。

55
バビロンの風土の反対側で、
血の流出が甚だしいだろう。
大地と海、そして大気と空に不正があるだろうから。
諸宗派、飢餓、諸王国、悪疫、混乱。

56
汝らは遅かれ早かれ見るであろう、大きな変化と
極度の恐怖、そして復讐が生じるのを。
月がその天使に導かれると、
天は傾き (のなくなる時代) に近づく。

57
大きな不和のせいで喇叭が鳴り響くだろう、
調和が破られて、頭を天に掲げて。
血まみれの口は血の中を泳ぐだろう、
地べたでその顔は乳と蜜を塗られる。

58
腹が割かれて生まれるだろう、双頭と
四本腕を具えて。丸一年ほど生きるだろう。
アクイレイアがその祭典を行うであろう日、
フェッラーラの指導者はフォッサーノとトリノに従うだろう。

59
島流しに遭った亡命者たちは、
より残酷な君主への交替で
処刑され、うち二人は火刑になる。
彼らは話すことをこらえないだろう。

60
一人の皇帝がイタリアの近くに生まれ、
帝国にとても高く売られるだろう。
彼がどのような人々に加わるのかと噂され、
君主よりも肉屋と思われるであろう。

61
悲惨にして不幸な共和国は
新任の行政官のせいで荒廃するだろう。
そのとき、亡命地からの災厄である大軍が
スエビ人たちに契約破棄をさせるだろう。

62
ああ、文芸が大損失を蒙るだろう、
ラトニアの周期が完成する前に、
火と大洪水、より甚だしくは無知な王杖によって。
長い世紀を経てしか、元に戻らないだろう。

63
災禍が通り過ぎて、人口が減らされる。
ひとけのない土地に長期間の静穏が。
(人々は)空も陸も海も江湖も安全に渡るだろう。
そして新たに(複数の)戦争が惹き起こされる。

64
彼らは夜に太陽を見たと思うだろう、
半人の豚を目撃するであろう時に。
騒音、歌、戦闘。空に現れた戦い。
人々は野獣が話すのを耳にするだろう。

65
両手のない子供、かつて目撃されたことのない極大の雷。
王家の子は球戯で傷つけられる。
落雷で壊れた井戸に粉を挽きに行くと、
三人はその途上で鎖に繋がれる。

66
その時に報せを運んでくるであろう者、
少し後に一息つくことになるだろう。
ヴィヴィエ、トゥルノン、モンフェラン、プラデル、
雹と嵐とがそれらに溜息をつかせるだろう。

67
大飢饉について我は悟る、それが近づき、
しばしば向きを変え、やがて世界的なものとなるのを。
余りにも大規模で長期に渡るから、引き抜かれることになるだろう、
木から根が、乳房から幼子が。

68
おお、何と恐ろしくも痛ましい拷問か。
引き渡されることになるであろう無実の三人は
― 疑われた毒、哨戒の不備、裏切り(の嫌疑で) ―
酔った死刑執行人によって恐怖にさらされる。

69
七スタディオンの大きな円い山が、
平和、戦争、飢餓、洪水の後で、
遠くへと転がるだろう。広大な諸地方を深淵に投げ込みつつ、
古代遺跡や大きな土台すらも同様に(投げ込みつつ)。

70
雨、飢餓、戦争がペルシアで止むことはない。
とても大きな信頼が君主を裏切るだろう。
ガリアでは始められ、そこでは終わる。
秘密の前兆は、ある者に対して倹約させるためのもの。

71
海の塔は三度奪われ奪い返される、
スペイン人たち、バルバロイたち、リグーリア人たちによって。
マルセイユ、エクス、アルルでは、ピサの人々によって
荒廃、火災、刃傷、掠奪。アヴィニョンでもトリノの人々によって。

72
マルセイユでは住民達がすっかり変えられる。
リヨンの近くまでの攻撃と追討。
ナルボンヌトゥールーズボルドーによって傷つけられる。
百万人近くの捕虜たちが殺される。

73
フランスは怠慢のせいで五方向から襲われ、
チュニス、アルジェはペルシア人たちによって動揺させられる。
シチリアのレオンティーニとバルセロナは衰え、
ヴェネツィア人たちによる艦隊を持てないだろう。

74
(彼らは)エペイロスで滞在の後に出航するだろう。
大いなる救援がアンティオキアの方へと来るだろう。
縮れた黒毛が帝国を力強く目指すだろうが、
銅 〔あかがね〕(色)の鬚髯 〔ひげ〕 は彼を串焼きにするだろう。

75
シエーナの暴君がサヴォーナを占領するだろう。
砦を得て、艦隊を保つだろう。
二つの軍隊がマルカ・ディ・アンコーナを通り、
指導者は怖気づいて尻込みする。

76
その者はある野蛮な名前で呼ばれるだろう、
三姉妹が持つ運命という名前のような。
そして偉大な人々を言葉と行為で導くだろう。
彼ほどの名誉と名声を持つ者は他に誰もいないだろう。

77
二つの海の間に岬が立つだろう、
― それ以来、馬の咬み傷で死ぬことになる者の(岬が) ―。
かの軍のネプトゥヌスは黒い帆を畳むだろう、
カルペの辺りで。そして軍団はロシュヴァル付近へ。

78
老いた指導者から頭の鈍い者が生まれるだろう。
知識でも武芸でも零落れている。
フランスはその姉(妹)から恐れられる。
野が分割され、騎兵たちに譲渡される。

79
バザス、レクトゥール、コンドン、オーシュ、アジャンは、
宗教と論争と陰謀とで突き動かされ、
カルカソンヌボルドートゥールーズバイヨンヌを破壊するだろう、
雄牛の供犠をやり直そうとして。

80
第六天の明るい輝きから、
ブルゴーニュに非常に激しい雷鳴が下るだろう。
そして非常に醜い獣から怪物が生まれるだろう。
三月、四月、五月、六月に大規模な細分化と切除。

81
人々の群れから九人は離れさせられ、
裁定と熟慮によって分かたれるだろう。
彼らの運命は選り分けられるだろう。
カッパ、テータ、ラムダは死なされ、追放され、苦しめられる。

82
赤土で覆われた木の柱が
南風にあおられてひどく揺らされる時、
あまりにも多くの群衆が外へと繰り出し、
ウィーンとオーストリア地方が震えるだろう。

83
異邦人が戦利品を分けるだろう。
サトゥルヌスマルスに怒りの眼差し。
トスカーナ人たちとラティウム人たちには恐るべき殺戮が、
打ちすえたがるギリシア人たちによって。

84
月は深い闇に曇らされ、
その兄弟は錆色に顔色が変わる。
隠れ家に長い間潜んでいた大物は、
血塗れの傷口で鉄器を生温くするだろう。

85
婦人の返答のせいで王は悩まされ、
大使たちは自らの生命を省みないだろう。
貴族がその兄弟(の筆跡)を写して偽造するだろう。
二人によって死ぬだろう。怒り、憎しみ、蔑み。

86
偉大な女王は敗れたことに気付くと、
男まさりの勇気で過激なことをするだろう。
全裸で騎乗し、河を渡るだろう。
鉄器に追われ、彼女は信仰に背くだろう。

87
大地の中心からの火エンノシガイオスが、
新しい都市の周辺で震動させるだろう。
二人の偉人は長い間岩と戦争をするだろう。
そして新しい川はアレトゥサを赤くするだろう。

88
神聖病が偉大な君主を襲うだろう、
その少し前に彼は妻を娶っているだろう。
彼の名声と信用は一気に地に落ちるだろう。
会議は剃髪頭のせいで途絶えるだろう。

89
イレルダの人々すべてがモゼルにいるだろう、
ロワール川とセーヌ川流域の人々すべてを死に至らしめて。
海の救援がオートヴェル近くに来るだろう、
スペイン人たちが全ての血管を開かせるであろう時に。

90
ボルドーとポワチエは警鐘の音で
ランゴンまで大軍団で繰り出すだろう。
ガリア人に対し、その北風が吹くだろう。
醜い怪物がオルゴン近くで生まれるであろう時に。

91
神々は人間たちにお示しになるだろう、
御自らこそが大紛争の創り手であることを。
先んじて澄んだ空で剣と槍が目撃されると、
左手の方に最大の悲嘆があるだろう。

92
一人の下で平和が全土に宣言されるだろう。
しかし、長続きせず、掠奪と叛乱が。
拒絶によって都市は海と陸から襲われる。
死者と捕虜は百万人の三分の一。

93
山々に近いイタリアの大地が震えるだろう。
獅子と雄鶏はあまり結託しないのだが、
恐怖を理由にお互いに助け合うだろう。
サルトゥス・カストゥロネンシスとケルト人たちは沈着だろう。

94
スランの港で暴君が殺される。
しかし自由は回復されない。
新たなマルスが復讐と遺恨によって。
婦人は恐怖のせいで軍隊に敬われる。

95
修道院の前で見付かるだろう、双子の片割れで
古くからの英雄の血を引く幼子が、修道士によって。
その宗派での名声、雄弁、権力は頂点に(達するだろう)、
ウォピスクスは屈強に育ったと噂されるであろうほどに。

96
その者は破壊する任を負うであろう、
神殿や宗派を。(彼は)意見を変えて
生者よりも岩々を壊すだろう。
耳に飾られた舌によって回復されるだろう。

97
鉄器も炎も達成しようがなかったことを
会議への甘い言葉がやってのけるだろう。
休息すると、王は夢に見るだろう、
さらに敵軍は火の海、血まみれになると。

98
指導者は導くだろう、尽きせぬ人数の
異国の習俗と言語を備えた人々を遠く離れた空の下へ。
五千人はクレタとテッサリアを終着とする。
逃げた指導者は海辺の倉庫で救われる。

99
偉大な君主が連れ立つだろう、
友情で和合した二人の王とともに。
おお、何という溜め息か! 大軍が組織される。
ナルボンヌ一帯の子どもたちよ、何と哀れなのだろう!

100
長いあいだ空に灰色の鳥が見られるだろう、
ドールトスカーナの地の近くにて、
嘴に青々とした小枝をくわえた姿で。
まもなく偉人が死に、戦争が終わるだろう。


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