予兆詩第75番

予兆詩第75番 1561年12月について

原文

D'oppression grande calamité,
L'epithalame convertit1 pleurs & larmes.
Vents chauds, conseil,2 pœur3 & timidité.
De nuit au lit assailli sans les armes.*1

異文

(1) convertit : conuerty 1561LN
(2) Vents chauds, conseil, : Ventz, chauld conseil, 1561LN
(3) pœur : pleurs 1561LN

(注記)1561LNは初出である『1561年向けの暦』での異文。以降の予言集には収録されなかったので、それ以外の異文はない。ただし、百詩篇第7巻83番としての異文は存在する。それについてはそちらの記事を参照のこと。

校訂

 ベルナール・シュヴィニャールが、3行目の pleurs を pœur と校訂したのは、意味の上からも支持できる。

日本語訳

抑圧による大惨禍。
祝婚歌は悲しみと涙を転換する。
熱風、議会、畏怖と恐れ。
夜の寝台にて、丸腰で襲われた者。

コメント

 この詩は、百詩篇第7巻83番としていくらかの解釈が付け加えられたものの、予兆詩としては全く知られていなかった。

 無防備な者が寝込みに奇襲をかけられるというモチーフは百詩篇第3巻30番にも登場しているが、関連性があるのかはよく分からない。

 全体的に、16世紀の宗教戦争の描写だとしても、特に違和感はないように思える。


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最終更新:2009年09月21日 12:36

*1 Chevignard [1999] p.149の校訂版に基づく。