原文
Renfort de sieges
1 manubis &
maniples
Changez
2 le
sacre & passe sus le prosne
3,
Prins & captif
4 n'arreste les
prez triples,
Plus
parfond5 mis, esleué, mis au trosne
6.
異文
(1) sieges : Sieges 1672
(2) Changez : Changé 1660
(3) prosne : pronsne 1672
(4) captif 1588-89 : captifs T.A.Eds.
(5) parfond 1588Rf 1589Rg : par fond 1589Me, par fonds T.A.Eds.
(6) trosne : Trosne 1672
(注記)底本は1588Rf で、比較に用いたのは 1589Rg, 1589Me, 1605, 1611A, 1628, 1649Ca, 1649Xa, 1650Le, 1660, 1668, 1672 である。リヨンで出された版などには原則として掲載されていない。
日本語訳
攻囲の援軍、戦利品と歩兵中隊。
司祭が変えられ、日曜説教を通過する。
取られた物と囚われた者を、三倍の賠償金が止めない。
より深きへ置かれ、持ち上げられ、高座に就けられる。
訳について
大乗訳1行目「包囲 略奪 獲得物の保給は」は、maniplesが訳されていないか、何か誤った訳し方がされているように見える。
同2行目「聖なる日に変わり プロンスンは通過し」は、
ヘンリー・C・ロバーツの英訳 Holy day shall be changed and passed over the Pronsneと比べても誤訳だろう。なお、大乗訳でprosne(prône, 日曜のミサに行われる説教)が「プロンスン」と表記されているのは、英訳を見ての通り、
テオフィル・ド・ガランシエールの誤記をロバーツが引き継いだのが原因である。
同3行目はおそらく許容範囲内。「三重の野」は当「大事典」の訳とずいぶん違うが、
prezをどう捉えるかの違いであろう。
同4行目「さらに底から一人の人物が王位をもちあげるだろう」は単純な誤訳。ロバーツの英訳 Moreover, one from the bottom shall be raised to the throne.と見比べても明らか。
信奉者側の見解
アンドレ・ラモンは、第二次世界大戦前の国粋主義が勢いを持っている世界情勢と捉え、高く持ち上げられる人物をアドルフ・ヒトラーと解釈した。
同時代的な視点
最終更新:2009年09月21日 14:02