メルクリウス

 メルクリウス(Mercurius)は、ローマ神話の神。フランス語ではメルキュール(Mercure)、英語ではマーキュリー(Mercury)。

 本来の役割ははっきりしない部分もあるが、merces(商品)から派生した神名と考えられ、商業神だったようである。のちにギリシャ神話のヘルメスと同一視され、商業、盗賊、通信などの守護神と位置づけられる一方、神々の伝令役とも考えられるようになった*1

占星術・天文学

 天文学あるいは占星術上は、水星を意味する。これは、太陽に近く、動きが早いことから、神々の伝令役の名が与えられたものだという。


【画像】水星の亀裂(アプリ)

錬金術・化学

英語やフランス語では一般名詞としては「水銀」の意味をもつ。これは、常温で液体である唯一の金属としての流動性の高さが、神々の伝令役として駆け回るメルクリウスに当てはめられたものらしい*2

ヨーロッパでは水曜日をメルクリウスの日としている言語が複数ある。フランス語で水曜日を表すメルクルディ(mercredi)もその一つである。

関連項目



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用語
最終更新:2009年09月21日 14:38

*1 呉茂一『ギリシア神話(上)』p.236

*2 桜井弘『元素111の新知識』pp.326-327