予兆詩第19番 (旧17番) 1557年6月について
原文
Victor naval
1 à
hourche2, Anvers
3 divorce,
Né
4 grand
5 du ciel
6, feu, tremblement
7, haut
brule
Sardaigne
8 bois, Malte, Palerme
9, Corse.
Prelat mourir, l'un frape
10 sus
11 la mule
12.
異文
(1) naval : naual. 1628 1649Ca 1650Le 1668
(2) hourche :
houches 1557Ke,
Houche T.A.Eds.
(3) Anvers : enuers 1557Ke
(4) Né : N'ay 1557Ke
(5) grand : Grand 1594JF
(6) du ciel : du Ciel 1650Le 1668A
(7) tremblement : tremble 1557Ke
(8) Sardaigne : Sardaig 1557Ke
(9) bois, Malte, Palerme, : Palerm. Malth. boys. 1557Ke
(10) frape : frappe 1557Ke
(11) sus : sur 1650Le 1668
(12) mule 1557Ke 1594JF : Mule
T.A.Eds.
校訂
日本語訳
輸送船で海戦に勝利するが、アントウェルペンは絶縁する。
天から生まれた偉人。火、震撼、高い燃焼。
サルデーニャ、木、マルタ、パレルモ、コルシカ。
高位聖職者は死ぬ。一人の者がラバに跨り打ち据える。
信奉者側の見解
同時代的な視点
信奉者の
ジョン・ホーグは、この詩が16世紀半ばの文脈で理解できる可能性を示している。
サルデーニャの木材は当時ガレー船などの建材に用いられていたという。マルタ島は1565年に攻囲に遭っており、パレルモやコルシカ島も1550年代から1560年代にかけて度々海賊などに悩まされていた。
4行目をホーグは「死すべき高位聖職者がラバに跨った男を打ち据える」と訳しており、旅行中のノストラダムス(「ラバに跨った男」)を迫害した高位聖職者の死を織り込んだものだろうとしている。
いささか強引な点もあり、また前半について何も注記していないが、同時代的な文脈で理解できる可能性を示している点には、一定の価値を認めるべきだろう。
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最終更新:2009年09月21日 18:34