バルタザール・ギノー

 バルタザール・ギノー(Baltazar Guynaud, 生没年未詳)は、17世紀末頃のフランスの作家。ノストラダムス予言の解釈書を刊行した。現在知られている範囲内で、「恐怖の大王」について初めて解釈を展開した人物である。

 ギノーの生涯についてはほとんど分かっていない。彼自身の著作にある自伝的な言及から、調馬師の資格を持ち、フランス王ルイ14世附きの小姓頭を務めた時期があったとされる。この真偽は定かではないものの、彼がルイ14世に強い思い入れがあったことは著書から明らかである。

 彼の唯一の著作は『アンリ2世からルイ大王までの歴史とノストラダムス予言集との一致』である。これは1693年に刊行され、1709年と1712年に再版された。

 ノストラダムスの予言を熱烈に信奉したがゆえに、ピエール・ガッサンディ(未作成)ジャン・ド・スポンド(未作成)といったノストラダムスに批判的だった知識人を非難した。
 なお、17世紀の他の注釈者ジャック・ド・ジャンテオフィル・ド・ガランシエールの解釈が当時広く援用されたのとは裏腹に、ギノーの解釈はほとんど踏襲されることはなかった*1


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最終更新:2009年11月30日 22:47

*1 この記事の情報は Benazra [1990], Hoefer, Michaud などに基づいている。