予兆詩第25番

予兆詩第25番(旧23番) 1557年12月について

原文

Tutelle à Veste1, guerre meurt, translatée,
Combat naval, honneur, mort, prelature.
Entrée, decès. France fort augmentée,
Esleu passé, venu à la male heure2. *1

異文

(1) Veste : veste 1557Ke
(2) male heure 1557Ke : mal'heure T.A.Eds.(sauf mal-heure 1668P)

(注記)1557Ke は『1557年向けの暦』に見られる異文。

日本語訳

ウェスタの加護、戦争は絶やされ移される。
海戦、名誉、死、高位聖職者たち。
入ること。死亡。フランスは大いに増強される。
選ばれた者は通り過ぎ、悪い時期に来る。

訳について

 1行目 Tutelle à Veste は、エドガー・レオニが Guardianship for Vesta*2と英訳しているように、ウェスタに向けたものと見るのが素直な読み方だが、ピエール・ブランダムールがラテン語の tutela Vestae と見ていることを参考にして上のように訳した。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1558年1月に当てはめ、フランスとスペインの間で戦争が止んだ代わりに、イギリスとの間でカレーなどの領有をめぐって争いになったことが予言されているとした*3

同時代的な視点

 ピエール・ブランダムールは詩全体についてはコメントしていないが、ウェスタの加護の話が出てきているのは、古代ローマの暦と関わりがあるのだろうとしている。当時は地域によって12月がウェスタに捧げられていたからである*4


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予兆詩
最終更新:2009年10月30日 22:33

*1 原文はChevignard [1999] p.126による。

*2 Leoni [1961] p.463

*3 Chavigny [1594] p.52

*4 Brind’Amour [1996] p.249