原文
L'oriental1 sortira de son siege2,
Passer les monts3 Apennins4, voir la Gaule5:
Transpercera6 du ciel7 les eaux & neige8:
Et9 vn chascun10 frapera de sa gaule11.
異文
(1) L'oriental 1555 1589PV 1649Ca 1650Le 1668 1840 : L'Oriental T.A.Eds.
(2) siege : Siege 1672
(3) monts : mons 1590Ro, Monts 1672
(4) Apennins : Apennis 1557U 1557B 1568A 1590Ro, Apennons 1600 1610 1716, Apennois 1627 1644 1650Ri 1650Le 1653 1665 1668, Apenniens 1611B 1660 1792La
(5) Gaule : Caule 1627
(6) Transpercera : Transpererr 1611B, Transpassera 1672
(7) du ciel : ciel 1557U 1557B 1568A 1588-89 1590Ro, le ciel 1568B 1568C 1568I 1597 1600 1610 1611 1627 1628 1644 1650Ri 1660 1716 1772Ri 1792La, le Ciel 1605 1649Xa 1653 1665 1672
(8) les eaux & neige : les eaux & neiges 1589PV, les Eaux & Neige 1672
(9) Et : En 1589PV 1649Ca 1650Le 1668
(10) vn chascun : chascun 1557U 1557B 1568A 1588-89 1590Ro
(11) sa gaule : sa Gaule 1588-89 1672
(注記)1792La は1792年ランドリオ出版社版の異文。
日本語訳
東方の者がその座から出立するだろう、
アッペンニーノ山脈を越えて、ガリアを見るために。
彼は天の水と雪とを突き抜けて、
おのおのをその鞭で打ち据えるだろう。
訳について
大乗訳も山根訳も3行目以外はほとんど問題はない。
山根訳3行目「空を飛び 海を渡り 雪を踏みわける」、大乗訳3行目「空も 水も 雪も越えてくるだろう」は、空、水、雪を並列的に訳している点で共通している。それは彼らの底本に基づく訳としては誤りではないが、初版の原文は le ciel(the sky)でなく du ciel(of the sky)となっており、並列的に訳すことはできない。
「天の水」とはつまり、
ピーター・ラメジャラーが英訳しているように単なる「雨」のことだろう。
信奉者側の見解
テオドール・ブーイはナポレオンと解釈した。ナポレオンはコルシカ島というフランス本土から見れば「東方」にあたる場所の出身だからというのがその理由で、3行目は有名なグラン・サン=ベルナール峠の行軍の様子を予言したものとした。
チャールズ・ウォードもナポレオンと解釈したが、「東方の者」はエジプト遠征中のナポレオンを指す表現とし、
ジェイムズ・レイヴァーもそれを支持した。
同時代的な視点
※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
最終更新:2009年11月13日 22:55