百詩篇第5巻


 ミシェル・ノストラダムス師の予言集詩百篇第5巻百詩篇第5巻 )は、100篇の四行詩で構成されている。補遺篇などは存在しない。現在確認できる範囲内では、1557年9月6日版予言集 (1557U) で初めて公刊された。

全訳

 詩番号にリンクが貼ってあるものは、別ページに解説を用意してある。リンク先原文の底本は1557Uである。
 訳文はいずれも不断の見直しを必要とする仮訳だが、とりわけ解説を作成していない詩については、今後の詳細な分析の中で、主として採用する訳文が大きく変更される可能性があることを、あらかじめご承知おきいただきたい。
 ( )は言葉を補ったもの、〔 〕は難読語の読み、〔= 〕は簡略な語注を指す。

1
ケルト人の破滅が到来する前に、
寺院の中で二人が話し合うだろう。
駿馬に跨った者の短剣と槍が心臓に。
騒ぐことなしに(彼らは)その貴人を埋葬するだろう。

2
陰謀に加担する七人は宴席で剣を抜くだろう、
三人に対して、船の外で。
一人が二船団を貴人へと導かせるだろう。
その額に金槌でドゥニエ貨幣を打ちつける時に。

3
公国の後継者が来るだろう、
トスカーナの海よりもずっとさらに遠く。
ガリアの分家はフィレンツェをかかえこむだろう、
そのふところに。海の蛙は合意する。

4
都市から追い払われた大きなマスチフ犬が、
異国の同盟に悩まされるだろう。
野で牡鹿が追われた後に、
狼と熊が互いに不信を抱くだろう。

5
隷属から取り去るという偽りの口実で、
人々と都市を彼自身が強奪するだろう。
若い娼婦の詐術によって一層悪いことをするだろう。
偽りの序文を読みながら、野で引き渡される。

6
卜占官が王の頭上に手を置いて、
イタリアの平和を祈りに来るだろう。
左手に王杖を持ち替えるだろう。
王から平穏な皇帝になるだろう。

7
三頭政治執政官の骨が発見されるだろう、
謎めいた財宝を地中深く探していると。
一帯の人々は休める状態にないだろう、
大理石と金属光沢のある鉛を発掘することで。

8
生きて火に委ねられるだろう。死して隠される。
球形の中におぞましく恐るべきもの。
夜間、艦隊により都市は灰燼に帰せられる。
都市には火。敵には好都合。

9
巨大な櫃は底まで壊される、
捕虜の長によって。その友は先を越される。
婦人から、顔面毛むくじゃら(の子供)が生まれるだろう。
その時、奸策によって公爵には死がもたらされる。

10
ケルトの指導者が紛争の中で傷つけられる、
穴倉近くで、死が彼の配下たちを打ち倒すのを見つつ。
血と傷と敵たちによって追い詰められ、
見知らぬ四人によって救われる。

11
太陽の民たちにとって、海は安全に渡れなくなるだろう。
ウェヌスの人々はアフリカ全土を掌握するだろう。
彼らの王国をもはや太陽もサトゥルヌスも占領することはないだろう。
そしてアジアの一部が変わるだろう。

12
レマン湖の近くで手引きされるだろう、
都市を裏切りたい異国の娘によって。
その殺害の前に、アウクスブルクでは大追跡が。
そして、ライン川の人々はそこに侵攻しに来るだろう。

13
ベルギカのローマ王は激しい昂ぶりによって
軍隊を使ってバルバロイを苦しめることを望むだろう。
激昂で(歯を)軋らせつつ、リビアの民を追い払うだろう、
パンノニアからヘラクレスの柱まで。

14
土星火星が獅子宮にあり、スペインは囚われる。
衝突に際してリビアの指導者によって捕縛され、
マルタとロードスの近くで生け捕りにされる。
そして、ローマの王杖は雄鶏によって打たれるであろう。

15
航海中、教皇は虜囚の身となる。
大規模な準備をしくじり、聖職者たちは蜂起させられる。
次に選ばれた者は不在で、その財政は悪化する。
彼のお気に入りの私生児は殺される。

16
シェバの涙はもはや高価ではなく、
人の肉身は死によって灰となる。
ファロス島では十字軍兵士たちによって錯乱させられる。
その時ロードスでは苛烈な亡霊が現われるだろう。

17
国王は夜に回廊の近くを通り、
キプロス出身の重要人物を見張る。
国王はしくじり、手勢はローヌ川沿いに逃れる。
陰謀の加担者たちは彼を殺しに行くだろう。

18
打ち倒された不幸な者が悲嘆に暮れて死ぬだろう。
彼に勝利した女はヘカトンベの式典を挙行するだろう。
原初の自由権の規定は王令によって回復される。
壁と君主は七日目に陥落する。

19
大いなるロワイヤル金貨は青銅(の比重)が増やされる。
約定は破られ、若者によって戦端が開かれる。
民衆は指導者によって悲しみに暮れ、嘆かされる。
大地はバルバロイの血で覆われるだろう。

20
大軍がアルプスを越えるだろう。
少し前にヴァパンの怪物が生まれるだろう。
驚倒すべきほど突然に引き返すだろう、
トスカーナの貴人が最も近い彼の土地へと。

21
ラティウムの君主の逝去により、
彼が領有していた臣民たちは王国によって救済される。
火が輝くだろう。戦利品が分けられる。
公的な死が大胆な者たちによって課せられる。

22
ローマにて貴人が魂を委ねる前に、
大いなる恐怖が異国の軍隊に。
騎兵隊により、パルマ付近では待ち伏せが。
そして赤き者二人が一緒に食事をとるだろう。

23
対立する二者が一つにまとまるだろう、
大部分がマルスと合になるであろう時に。
アフリカの大物は恐怖で震える。
二頭政治は艦隊のせいで分かたれる。

24
ウェヌスの下での王国と教えが高くなる。
サトゥルヌスユピテルの上に帝国を築くだろう。
太陽による教えと王国が持ち上げられる。
サトゥルヌスの人々による最悪に耐え忍ぶだろう。

25
アラブの君主に、― 火星、太陽、金星、獅子宮 ―
教会の支配は海から敗れるだろう。
ペルシアの方へと、まさにほぼ百万。
ビュザンティオンとエジプトに真の蛇が侵攻するだろう。

26
隷属する民族は軍事的な幸運によって、
あまりにも高い水準に持ち上げられることになるだろう。
(彼らは)君主をさる地方出身者に替えるだろう。
軍隊は海を越え、山々に登る。

27
火と武器によって、黒海から遠くないところにある
トレビゾンドを占領しにペルシャから来るだろう。
ファーロスとミティリーニは震え、太陽は快活で、
アドリア海はアラブ人の血で覆われる。

28
腕は吊るされ、足は繋がれる。
顔面は蒼白、胸部には短剣が隠される。
三人は群集によって宣誓させられるだろう。
ジェノヴァの貴人には鉄器が放たれる。

29
自由は元に戻らないだろう。
黒く尊大で卑しく不公正な者がそれを占有するだろう。
ヒステルの橋の資材が加工されるであろうとき、
ヴェネツィア共和国は悲嘆にくれるだろう。

30
大いなる都市の辺り一面で、
兵士たちが野に町に駐留するだろう。
パリを襲撃するために、ローマが唆される。
その時、橋の上では大掠奪が行われるだろう。

31
アッティカの大地での叡智の始原、
それが今や世界のバラである。
橋が壊され、その偉大なる卓越者は
沈められ、波間で遭難するだろう。

32
全てが良好にして順調で、太陽と月が
豊かにある場所。その破滅が近づいている。
空から急いで変えにやってくる、汝の財産を
七番目の巌と同じ状態に。

33
叛乱した都市の主だった人々、
彼らは自由を取り戻す側を強く支持するだろう。
男たちを虐殺する。不幸な乱闘。
ナントでの叫びや悲鳴。哀れな人々を目にする。

34
イングランド西方の最奥部から
― そこはブリテン島の指導者のいる場所 ―
艦隊がブロワを経由しジロンド川に入るだろう。
ワインと塩の代わりに火器が大樽に隠される。

35
塩辛い大洋の自由都市に
― そこは今も胃に石を持っている ―
イングランドの艦隊が霧雨の中を来るだろう、
小枝を取りに。偉人によって戦端が開かれる。

36
姉(妹)の弟(兄)は憎悪と欺瞞によって、
混ぜに来るだろう、鉱物に露を
菓子の上で。(それを)鈍い老婆に与え、
死なせる。それを味わう者は単純にして愚昧だろう。

37
三百人がひとつの望みと合意に属するだろう、
彼らの目的を達成しきるために。
二十か月の後、全ての者たちと証人たちが、
偽りの憎悪を模倣しつつ、彼らの王を裏切る。

38
かの大君主、その死を受け継ぐであろう者が
法に背く淫奔な生活をもたらすだろう。
不精ゆえに全員を認知するだろうから、
しまいにはサリカ法典が必要になるだろう。

39
百合の花の真の枝の中から、
エトルリアの後継者が置かれ、とどまる。
長きに渡って織りなされてきたその由緒ある血が、
紋章としてのフィレンツェを花開かせるだろう。

40
王家の血があまりにもひどく混ざり合うだろう。
ガリア人たちはヘスペリアから(撤退することを)強いられるだろう。
人々は待つだろう、一定期間が過ぎ、
その声の記憶が消え去るまで。

41
夜のような日中と陰の下に生まれた者が、
この上ない善良さで君臨し、
古い壺からの彼の血統を蘇らせるだろう、
青銅の時代を黄金の時代と取り替えつつ。

42
その最も高い塔に上ったマルスは、
アロブロゲスたちをフランスから退却させるだろう。
ロンバルディアの民は非常に強い恐怖を喚起させるだろう、
天秤宮の下に含まれる鷲の人々に。

43
聖職者たちの大々的な破滅は遠くない、
プロヴァンスでもナポリでもシチリアでもセーでもポンスでも。
ゲルマニアではラインとケルンにて、
マグンティアクムの万民により、死に至る苦しみを受けるだろう。

44
海で赤き者が海賊たちに捕らわれるだろう。
平和は彼の仲介で掻き乱されるだろう。
見せかけの行為によって激昂と貪欲がひとつになるだろう。
偉大な教皇には軍隊が倍増されるだろう。

45
すぐに大帝国が荒らされるだろう。
そしてアルドゥエンナ・シルウァ近くへと移される。
私生児二人が年長者に斬首される。
そして鷲鼻のアヘノバルブスが君臨するだろう。

46
赤帽たちによって諍いと新たな分裂が(あるだろう)、
そのサビニ人が選ばれるであろう時に。
彼に対する新たな詭弁が生み出されるだろう、
そしてローマアルバの人々に侵害されるだろう。

47
大いなるアラブ人がかなり前へと行進し、
ビュザンティオン人たちに裏切られるだろう。
由緒あるロードスが彼の前に立ちはだかるだろう。
粗野なパンノニア人たちによる、いっそう大きな災いが。

48
王杖の大いなる苦悩の後で、
敵二人が彼らに破られるだろう。
アフリカの艦隊がパンノニア人たちへと姿を現すことになるだろう。
海と陸とで恐るべきことが行われるだろう。

49
スペインからでは一切なく、由緒あるフランスから
揺れる舟のために選ばれるだろう。
敵方への信頼が生み出されるだろう。
それは彼の王国では苛烈なペスト(のごとく)であろう。

50
白百合の兄弟が成人になる年に、
彼らのうちの一人が大いなるロマニアを保持するだろう。
山々が震え、ラティウムの小道が開かれる。
アルメニアの強者に対抗し、打ち砕くための約定。

51
ダキア、イングランド、ポーランド、
ボヘミアの民が新たな同盟を結ぶだろう、
ヘラクレスの柱の向こうへ赴くために。
バルキノとティレニアの者たちは残酷な諍いを打ち立てる。

52
ある王が反対するだろう。
亡命者たちは王国で高められるだろう。
ヒッポリュトスの階級社会の連中が血の中を泳ぐ。
そして長い間そのような旗印の下で栄えるだろう。

53
太陽の教義と金星(の教義)が争い合うだろう。
預言の精髄を適用しつつ、
一方も他方も理解されることはないだろう。
偉大なメシアの教義は太陽によって保つだろう。

54
ポントゥス・エウクシヌスと大タルタリアから、
一人の王が現れるだろう。彼はガリアを見に来ようとして、
アラニアとアルメニアを貫通し、
ビュザンティオンでは血塗られた鞭を残すだろう。

55
アラビア・フェリックス地方 〔=現イエメン〕 から
ムハンマドの信仰をもつ強者が生まれるだろう。
スペインを悩ませ、グラナダを征服する。
さらには海を経てリグーリアの民へと。

56
非常に高齢の教皇の逝去により、
適齢のローマ人が選ばれるだろう。
彼はその座 〔=教皇の聖座〕 を弱体化させたと言われるだろうが、
長く(その地位を)保つだろう、辛辣な企てによって。

57
ゴシエ山とアヴェンティーノから出るだろう、
穴を通じて軍隊に知らせる者が。
二つの岩の間で戦利品が取られるだろう。
セクストゥスの霊廟の名声は衰える。

58
ガルドン川のユティサンスの水道橋、
― それは森と近寄れない山を通っている ―
その橋の真ん中にて、拳で汚されるだろう、
非常に恐ろしいネマウススの首領は。

59
ニームにてイングランドの指導者には過度の逗留が。
アヘノバルブスはスペインの方へと救援に。
多くの者たちがその日に開かれたマルスによって死ぬだろう。
アルトワで鬚髯 〔ひげ〕 の星が衰える時に。

60
剃髪頭にとって、まさしく悪い人物を選ぶことになるだろう。
彼以上に非難される者が扉を通ることはないだろう。
(彼は)あまりにも強い激昂や激怒を口にするだろう、
両性とも火と血とで引き裂くであろうほどに。

61
その出生地にはいない貴人の子供が、
アッペンニーノの高い山々を征服するだろう。
天秤宮の人々すべてを震えさせるだろう、
そして火の山々からモン=スニまでも。

62
岩々の上に血が雨下するのが見られるだろう。
東方の太陽、西方の土星。
オルゴンの近くで戦争、ローマでは大いなる災厄を見る。
船舶は水底に沈められ、三叉の衝角を持つ船は奪われる。

63
無為な遠征による栄誉、不当な怨嗟。
船乗りたちは寒さ、空腹、荒波の中、ラティウムをさまよう。
テヴェレ川から遠くない大地は血塗られる。
人間たちには様々な災難が降りかかるだろう。

64
集められた人々の大多数が落ち着くことで、
陸と海を通じての勧告は取り消される。
秋が近づくとジェノヴァとニースでは陰で
田舎と諸都市とを通じ、指導者が反逆される。

65
突然の来訪で、恐怖は大きいだろう。
その事件の主要人物の幾人かは隠される。
そして燃え上がる婦人はもはや目も当てられないだろう。
徐々に貴人たちは怒るだろう。

66
ウェスタリスの古い建物の下、
崩れた水道橋から遠くないところ。
輝く金属は太陽と月に属している。
黄金で彫られたトラヤヌスの燃えるランプ。

67
ペルージャの指導者があえて寛衣を
脱ぎ捨てて裸身を晒そうとはしないであろう時に、
アリストクラティアの行為で七人が囚われるだろう。
父と息子は頸部への刺突で殺される。

68
ドナウ川とライン川に水を飲みに来て、
大きなラクダがそれを悔いることはないだろう。
ローヌ川の人々を震撼させ、ロワール川の人々を一層強く(震撼させる)。
そしてアルプスの近くで雄鶏がそれを滅ぼすだろう。

69
偉人はもはや偽りの眠りに陥らないだろう。
憂慮が休息することになるだろう、
黄金、瑠璃、紅玉の杖を仕上げて、
アフリカを征服し、骨まで齧ることで。

70
天秤宮に従えられている諸地域の
山々を(彼らは)大戦によって悩ませるだろう。
両性もビュザンティオンのすべての人々も囚われる。
それで人々は夜明けに大地から大地へと叫ぶだろう。

71
水にたどり着く一人の激昂によって、
そして大いなる怒りによって、全軍が動揺させられる。
貴族たちは十七隻の舟に乗せられる。
ローヌ川沿いに、遅れた伝令官が来る。

72
享楽的な王令の望むところのせいで、
品位に毒が混ぜられるだろう。
ウェヌスが流通においてあまりにも力強くなるだろうから、
太陽の品位をことごとく暗くするだろう。

73
神の教会が迫害されるだろう。
そして聖なる殿堂群が掠奪に遭うだろう。
母親は幼子を肌着一枚にするだろう。
アラブ人たちはポーランド人たちと再び一つにまとまるだろう。

74
トロイアの血からゲルマニアの心が生まれ、
非常に高らかな力となるだろう。
アラブの異邦人を外へと駆逐するだろう、
教会をかつての優位に戻しつつ。

75
その場所で、より右に向かって高く登るだろう。
方形の石に座ったままでいるだろう。
南面し、左に置かれる。
手には曲がった杖、口は閉じられる。

76
空いている場所で(彼は)天幕を張るだろう。
そして諸都市では陣取ることを望まないだろう。
エクス、カルパントラ、ウォルカエの島、カヴァイヨンの丘、
それらの場所すべてで自らの足跡を消し去るだろう。

77
教会の栄誉のあらゆる位階が、
ディアリス・クィリナリスに替わるだろう。
司祭職はマルティアリス・クィリナリスに。
フランス王はそれをウォルカヌス式にするだろう。

78
二者が長くまとまり続けることはないだろう、
十三年のあいだ、バルバロイのサトラップに対して。
双方の側に(彼らが)あまりにも損害を生み出すだろうから、
一人が小舟とそのケープを賛美するだろう。

79
聖なる華美がその翼を低くすることになるだろう、
偉大な立法者の到来によって。
下層民を高くし、反逆者たちを悩ませるだろう。
(彼と)競える者は地上に一人も生まれないだろう。

80
オグミオスが大ビュザンティオンに近づくだろう。
バルバロイの同盟は駆逐されるだろう。
二つの教義のうちの一つが異教を放り捨てるだろう。
バルバロイとフランク族は永遠に権謀術数を巡らせる。

81
太陽の都市で王家の鳥が、
七ヶ月前に夜間の前兆を示すだろう。
東の壁は陥落するだろう。雷鳴と稲妻。
七日が経つとすぐさま敵たちが門へと。

82
砦の外で協約がまとまる。
そのことに落胆させられた者は出ないだろう。
アルボワとラングルの人々がブレスに対抗し、
ドールの丘で敵の待ち伏せをするだろう時に。

83
比類なく強い無敵の王国を
転覆させようと企む者たちが、
夜に、偽計によって三人に警告するだろう。
最も偉大な者が卓上で聖書を読むであろう時に。

84
湾と測りしれない都市から生まれるだろう、
暗く陰鬱な両親を出自とする者が。
その者は、大王の畏敬される権力を
ルーアンエヴルーを経て破壊することを望むだろう。

85
スエビ人たち(の土地)とその近隣の辺りで、
(彼らは)戦争状態になるだろう、雲霞のごときもの
― 海風に乗る軍勢、すなわちイナゴとイエカ 〔家蚊〕 ― のせいで。
レマンの牧場はまさしく丸裸にされるだろう。

86
双頭と三本の分かれた腕によって、
大いなる都市は水に悩まされるだろう。
彼らの中の偉大な何人かは亡命によって彷徨う。
ペルシアの頭によってビュザンティオンは強く押されるだろう。

87
サトゥルヌスが隷属から外れるであろう年、
フランク族の領地では洪水が起こるだろう。
トロイアの血の結婚があり、
スペイン人たちに取り囲まれ、安全になるだろう。

88
忌まわしい洪水によって砂浜で
別の海から来た海の怪物が見付かる。
その場所の近くでは避難が行われるだろう、
サヴォーナをトリノに隷属させたままにしつつ。

89
ハンガリーで、ボヘミアとナヴァルによって、
そしてその旗に集った軍隊によって、偽りの暴動が。
白百合の花を持つものによって横木が。
オルレアンに対抗し、蜂起するだろう。

90
キクラデス諸島で、ペリントスとラリサで、
スパルタとペロポネソス半島全域で、
非常に大規模な飢饉とペストが鎌によって影響を受け、
九ヶ月続くだろう。そしてケルソネソスの全域にも。

91
アテナイの急流と平原の全体の
嘘つきたちの大市と呼ばれる場所にて、
(彼らは)アルバニアの軽騎兵たちによって襲撃されるだろう。
マルスは獅子宮に、サトゥルヌスは宝瓶宮の第一度に。

92
御座が十七年間保たれた後に、
そういう巡り終えた期間に五人が変わるだろう。
そして、同じ時期に一人が選ばれるだろう。
その者はローマ人たちには余り似つかわしくないだろう。

93
太陰の丸い球体 〔=月〕 の領域のもとで、
メルクリウスが支配者となるであろう時、
スコットランドの島が光るものをひとつ生み出すだろう。
それはイングランド人たちを落胆させるだろう。

94
大ゲルマニアに運ぶだろう。
ブラバントとフランドル、ヘント、ブルッヘとブーローニュ。
休戦が装われ、アルメニアの大公は
ウィーンとケルンを襲うだろう。

95
海の櫂が招くだろう、大帝国の陰を。
そのとき、惹き起こすことになるだろう、
エーゲ海で舟艇の遭難事故を。
ティレニアの海に沿って航海することを妨げつつ。

96
大いなる世界の中心にバラが。
新しい事件のせいで、公的な血が流される。
真実を語るその口を人々は閉ざすだろう。
待ち望まれたものは必要な時に遅れてやってくるだろう。

97
異なる生まれの者が恐怖で息詰まる、
大王が住まう都市で。
捕虜たちに厳しい王令が取り消される。
雹と雷鳴、コンドン(の被害)は計り知れない。

98
緯度の四十八度にて、
巨蟹宮の終わりに非常に大きな旱魃が。
海、川、湖の魚は熱せられて痩せ衰える。
ベアルン、ビゴールは天の火により苦境に陥る。

99
ミラノフェッラーラトリノ、アクイレイア、
カプア、ブリンディジは悩まされるだろう、ケルト人によって、
獅子によって、鷲の軍隊によって。
ローマがブリタニアの老人を指導者に戴くであろう時に。

100
火付け役が自分の火にまかれる、
天からの火により、カルカソンヌとコマンジュ方面の
フォワ、オーシュ、マゼールにて。高位の老人は逃がされる、
ヘッセン、ザクセン、テューリンゲンの人々によって。


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