原文
Aux fins du VAR
1 changer le
2 pompotans3,
Pres du riuage
4 les trois beaux enfans naistre.
Ruyne au peuple par aage
5 competans,
Regne au pays
6 changer
7 plus voir
8 croistre.
異文
(1) du VAR : du Var 1590Ro 1672Ga, de VAR 1606PR 1607PR 1610Po 1716PR, de Var 1627Ma 1627Di 1644Hu 1650Ri 1840, du var 1653AB 1665Ba 1720To
(2) le : les 1603Mo 1606PR 1607PR 1610Po 1627Ma 1627Di 1644Hu 1650Mo 1650Ri 1667Wi 1716PR(a c) 1772Ri
(3) pompotans : pempotans 1568X 1653AB 1665Ba 1720To, pampotans 1590Ro, Pompotans 1605sn 1611B 1628dR 1649Ca 1649Xa 1650Le 1667Wi 1668 1672Ga 1840 1981EB, Pom potans 1611A
(4) riuage : tiuage 1653AB, Rivage 1672Ga
(5) aage : Aage 1672Ga
(6) au pays : aux pays 1611B 1981EB, au païs 1627Ma 1650Mo 1720To, au Pais 1672Ga
(7) changer : charger 1649Ca 1650Le 1668 1840
(8) plus voir : & plus voir 1627Ma 1627Di 1644Hu 1650Ri 1650Le 1667Wi 1668 1981EB
校訂
日本語訳
ヴァール川の境目でパンポタンが変わる。
その岸辺では美しい三人の子供たちが生まれる。
成年になると、人々に破滅が。
その地方で王国が変化し、そして成長するのを見る。
訳について
既存の訳についてコメントしておく。
山根訳はおおむね許容できるが、3行目「民は老齢に達したとき滅ぶ」は少々不適切に思える。
ジャン=ポール・クレベールが指摘するように competants とは、「成年」を意味しているからである。4行目「その国では王国が伸び育ち さらに変貌するのが認められる」は、「伸び育ち」と「変貌する」は原文では順序が逆である。
大乗訳1行目「戦いのおわりに栄光に変わり」はヘンリー・C・ロバーツの英訳のほぼ直訳だが、不適切。「戦い」はVar を英語の War と読んだ結果だとしても、Pompotans がなぜ「栄光」になるのかはまったく不明。残りの行は許容されうる訳。
なお、
ジャン=ポール・クレベールは、フランス語では beau-fils(義理の息子)、beau-frère(義理の兄弟)など、beau(美しい)が義理の家族関係を表す単語として使われていることから、この詩でのbeau も類似の意味で使われている可能性があることを指摘している。
信奉者側の見解
ジョン・ホーグは、ヴァール川周辺がノストラダムスの時代のサヴォワ公国の国境線だったことから、サヴォワ公国に関する予言と解釈した。そして「三人の美しい子供」のひとりは、ヴィットーリオ・アメデーオ2世(1675年 - 1732年)だろうとした。彼のときにフランスとの同盟を破棄し、オーストリア側に付いたことで、スペイン継承戦争中にサヴォワはフランス軍から猛攻を受けたからである。
同時代的な視点
ジャン=ポール・クレベールは、ニース周辺で三人の子供が生まれ、彼らが成長したときに人々に破滅が訪れ、そのことがサヴォワ公国の勢力拡大につながるという描写ではないかとしているが、特定の歴史的な事柄には結び付けていない。
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最終更新:2020年06月29日 23:35