予兆詩第31番

予兆詩第31番(旧28番) 1558年6月について

原文

12 la foy estoit sera rompue.
Les ennemis les ennemis paistront.
Feu ciel3 pleuvra, ardra, interrompue
Nuit entreprise. Chefs4 querelles mettront. *1

異文

(1) Là : La 1668
(2) où : ou 1594JF 1605 1628 1649Xa
(3) ciel : Ciel 1649Ca 1650Le 1668
(4) Chefs : Chef 1668P

(注記)校訂に関する注意事項は予兆詩第26番の異文欄を参照のこと。

日本語訳

信頼が存在していた場所で、それは打ち砕かれるだろう。
敵たちが敵たちを食むだろう。
天が火を雨のように降らせ、燃やすだろう。中断される、
夜に企てが。指導者たちは諍いを起こすだろう。

訳について

 1行目は3人称の主語が省略されている。rompue の変化と文脈からすれば、la foy を受ける代名詞 elle だろう。la foy は「信頼」と訳したが、「信仰」などの意味もある。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーはそのまま1558年6月の項目に当てはめており、前年から休戦協定が破られていて、フランス軍とドイツ騎兵の間で対立が続いていたことと解釈した。「夜に企てが中断される」については、「ルクセンブルクでの企てが挫かれたことか」と疑問符付きで簡潔に注記している*2


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予兆詩
最終更新:2009年12月04日 23:08

*1 原文は Chevignard [1999] p.129による

*2 Chavigny [1594]:p.54