Ceres

 アナトール・ル・ペルチエは Gênes(ジェノヴァ)の誤記と見なしたが、現代では支持されているとは言いがたい。

 エドガー・レオニはローマ神話の穀物や収穫を司る女神ケレス(Ceres)と理解し、穀物の隠喩と理解した。同様の読みはジャン=エメ・ド・シャヴィニーマリニー・ローズも行っていた*1

 しかし、ベルナール・シュヴィニャールは、女神ケレスは文脈に沿わないとして否定した。
 彼やピエール・ブランダムールは、イタリアの都市チェルヴェーテリのこととしている*2。チェルヴェーテリのラテン語名はカエレス(Caeres)である。
 カエサル(Caesar)がセザール(César)になるように、カエレスがケレスになるのはフランス語化として十分にありうる変形といえる。

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最終更新:2009年12月13日 12:06

*1 Leoni [1961], Chavigny [1594]p.148, Rose [2002c]

*2 Brind’Amour [1996] p.416, Chevignard [1999]