原文
Celuy qui la Principauté
1,
Tiendra par grande
cruauté2,
A la fin verra grand
phalange3:
Par coup de feu tres dangereux
4,
Par accord pourroit
5 faire mieux,
Autrement boira suc d'Orange
6.
異文
(1) Principauté : principauté 1611B 1627Ma 1627Di 1644Hu
(2) cruauté : cruautê 1649Xa, cruanté 1672Ga
(3) phalange : Phalange 1600Mo 1672Ga
(4) tres dangereux : tres-dangereux 1600Mo 1611A 1628dR 1644Hu 1649Xa, tresdangereux 1672Ga
(5) pourroit : pouurroit 1611B
(6) d'Orange : d'Orenge 1628dR 1649Ca 1672Ga
日本語訳
それは公国が
大きな苦悩によって保つことになるものである。
ついには彼らは大軍隊を目撃するだろう、
非常に危険な火の攻撃を通じて。
協定によって、より良いことが為せるだろう。
さもなくば、オレンジの搾り汁を飲むだろう。
信奉者側の見解
テオフィル・ド・ガランシエールは、ここで言う公国がオランジュ公国(オレンジ公国)であるとして、オレンジ公(オラニエ公)の称号を継承していたネーデルラント総督に関わりのある詩としていた。ちなみに、ガランシエールの解釈が発表されたのは、名誉革命でオレンジ公ウィリアムが即位する20年近く前のことであった。
マリニー・ローズも、ここでの Orange は地名のオランジュと果物のオレンジを引っ掛けたものであるとした。その上で、これは1606年12月にオランジュ公ギヨーム(オラニエ公ウィレム)がコンデ親王の姉のエレオノールと結婚したことの予言としている。
同時代的な視点
1605年版予言集が偽年代版なのでなく、かつ六行詩集が17世紀初頭に捏造されたものだとすれば、モデルになる事件はそれ以前に求めなければならない。
1581年のネーデルラント北部七州の独立と、そこでのオラニエ公ウィレム1世の活躍などと関わりがあるのではないだろうか。17世紀初頭の北部七州では、まだスペインによる武力干渉が続いていた。
その他
1600Au では6番になっている。
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最終更新:2019年12月05日 00:27