予兆詩第49番

予兆詩第49番(旧45番) 1559年11月について

原文

Propos tenus, nopces recommencées.
La grande grande1 sortira hors de France.
Voix à Romagne de crier non2 lassée.
Reçoit la paix par trop feinte asseurance. *1

異文

(1) La grande grande : La Grande Grande 1594JF 1605 1628 1649Xa 1649Ca 1650Le 1668
(2) non : uon 1650Le

英訳版原文

Matters propouned, mariages begon agayne
The great great shall go out of Fraunce
A voyce to Romana, to crye not weried.
Reccyve the peace by to deceytfull assuraunce.

(注記)この英訳は英訳版『1559年向けの暦』に掲載されていたものである。1559年向けの予兆詩はオリジナルが現存していないこともあるので、参考のため掲載しておく。

日本語訳

論題が維持され、婚礼は再開される。
偉大にして偉大なる女性はフランスの外へ出掛けるだろう。
ロマーニャへの叫び声は、倦むことがない。
偽りだらけの保証により、平和が受け取られる。

訳について

 3行目「ロマーニャへの」は「ロマーニャでの」とも訳せるが、文脈からはどちらとも特定できない。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは2行目のみは1561年7月のこととし、スコットランド女王メアリ・スチュアート(前年に歿したフランソワ2世の后)が母国に帰ったこととした*2。1行目と4行目は1564年7月の項で扱い、メアリの再婚と、スコットランド・イングランド間の和解について予言したものとした*3。3行目については、この時期のものでないとして一切解釈していない。


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予兆詩
最終更新:2010年01月30日 13:28

*1 原文は Chevignard [1999] p.138 による。

*2 Chavigny [1594] p.84

*3 Chavigny [1594] p.136