Rion

Rion は読み方の確定していない単語。以下の可能性がある。

• Trionの語頭音省略もしくは誤記で、熊の星座（大熊座と小熊座）と読む。アナトール・ル・ペルチエが2つの可能性のひとつとして提示し、エドガー・レオニやブリューノ・プテ＝ジラールが支持している(*1)。
• Pres de Rion（プレ・ド・リオン）を Pres d'Orion（プレ・ドリオン）と読み替え、「オリオン座の近くで」と読む。ピーター・ラメジャラーが提示した(*2)。
• Riom（リオン）と読む。リオンはフランス中部、ピュイ＝ド＝ドーム県の都市である。アナトール・ル・ペルチエが提示したもうひとつの可能性がこれで、ピエール・ブランダムールやマリニー・ローズもこの立場である。Rion はオーヴェルニュの都市名だとしたテオフィル・ド・ガランシエールも同じ立場だったろうと考えられる。この説の変形として、より南に位置するリオン＝エス＝モンターニュ（Riom-ès-Montagnes）とする説もある。これはジャン＝ポール・クレベールの説である(*3)。
• Rions（リオン）と読む。発音上の区別はないが、上の Riom とは全く別の場所にある地名である。ロジェ・プレヴォの説である(*4)。
• ミシェル・デュフレーヌは、現グルジア領内を流れ黒海に注ぐ川の古称としている(*5)。
• 古代ギリシャにはリオン（Ρίον/Rion）という町があった。リオという名で現在もペロポネソス半島に現存している。

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*1 Le Pelletier [1867b], Leoni [1961/1982], Petey-Girard [2003]

*2 Lemesurier [2003b]

*3 Brind’Amour [1993] pp.279-280, Rose [2002c], Garencieres [1672], Clébert [2003]

*4 Prévost [1999] p.132

*5 Dufresne [1989]