予兆詩第58番

予兆詩第58番(旧53番) 1560年8月について

原文

Peste, faim, feu, & ardeur non cessée.
Foudre, grand gresle, temple du ciel 1 frapé.
L'edict, arrest 2 , & grieve loy casseé.
Chef 3 inventeur ses gens & luy hapé. *1

異文

(1) ciel : Ciel 1649Xa
(2) L'edict, arrest : L'Edict, arrest 1560LN, L'Edict, Arrest 1649Ca 1650Le 1668
(3) Chef : Chief 1560LN

(注記)1560LN は初出である『1560年向けの暦』の原文。ベルナール・シュヴィニャールの校訂の段階では行方不明になっていた。

日本語訳

ペスト、飢餓、火、灼熱が止むことはない。
雷、大きな雹、聖堂は空から打たれる。
勅令、逮捕、過酷な法が破棄される。
発見者である指導者、その従者たちと彼自身が捕らわれる。

訳について

 1行目の「止むことはない」、3行目の「破棄される」は、直接的には直前の名詞にしか掛かっていない。しかし、ノストラダムスはしばしば複数の名詞に掛かる言葉の性・数を直前の名詞だけに一致させることがあると指摘されているので、ほかの名詞にも掛かる可能性がある。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、前半2行は災厄の形で現れた神の怒りの描写とした。後半は1560年3月のアンボワーズの陰謀に関する予言とし、4行目は首謀者であるカステルノー男爵らが捕縛、処刑されたこととした *2

同時代的な視点

 直前の7月向けの詩で「火、灼熱、飢餓」が登場していたので、「止むことはない」というのは前月から引き続いているという意味だろう。ただ、8月の予兆に「雹」が登場しているのは、少々奇妙に思える。


名前:
コメント: