予兆詩第59番

予兆詩第59番(旧54番) 1560年9月について

原文

Privez seront razes 1 de leur harnois 2 :
Augmentera leur plus grande querelle.
Pere 3 Liber deceu fulg. Albanois 4 .
Seront rongées sectes 5 à la mouëlle 6 . *1

異文

(1) razes conj.(BC) : Razes T.Eds.
(2) leur harnois : leurs arnois 1560LN, leurs harnois 1649Ca 1650Le 1668
(3) Pere : Le pere 1560LN
(4) Albanois : Albonois 1605 1649Xa
(5) sectes 1560LN 1668 : Sectes T.A.Eds.
(6) mouëlle 1594JF(p.104) : moelle 1594JF(p.74) 1605 1628 1649Ca 1650Le 1668A, mouelle 1560LN 1594JF(p.194), moëlle 1649Xa 1668P

(注記)1560LN は初出である『1560年向けの暦』の原文。ベルナール・シュヴィニャールの校訂の段階では行方不明になっていた。1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。

原文

剃髪たちは甲冑を奪われるだろう。
彼らのより大きな諍いが増幅するだろう。
アルバニア人たちは稲妻のせいでリベル・パテルに失望させられる。
諸宗派はその奥深い部分を傷つけられるだろう。

訳について

 3行目は訳しづらい。直訳すれば、「リベル・パテルはアルバニアの稲妻に失望させられる」とでも読むべきだろう。しかし、ここではマリニー・ローズの読み方に従った *2

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1560年9月の項目で3行目を扱い、「アルビのワインはケルシー地方で大評判である」こととした。1、2行目については、同じ項目と1562年の項目で扱い、カトリックの聖職者がプロテスタントから手ひどい扱いを受け、憎しみを増大させることと解釈した。4行目は1570年9月の項で扱い、平民のプロテスタントが追加的な課税をされたこととした *3

同時代的な視点

 9月はブドウ収穫の月である。フランス革命暦でも、9月下旬からの1ヶ月は「ブドウ月」(ヴァンデミエール)と呼ばれていた。
 ノストラダムスの予兆詩では、1555年9月向け1566年9月向けでもブドウの収穫に関するテーマが語られている。
 それらを踏まえれば、3行目は、アルバニアのブドウが落雷とそれに付随する降雨によって台無しになることを描いていると見るのが自然だろう。
 「アルバニア」はアルビなどの他の地名を指している可能性もあるかもしれないが、マリニー・ローズベルナール・シュヴィニャールは、ここでの Albannois はアルバニアだと判断している。

 いずれにしても、宗教戦争前夜を描いているかのような他の行との繋がりが不鮮明に思える。


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