百詩篇第8巻4番 (補遺篇)

百詩篇第8巻>4番(補遺篇)*

原文

Beaucoup de1 gens voudront parlementer,
Aux grands seigneurs2 qui leur feront la guerre3,
On ne voudra en rien les escouter,
Helas4 si Dieu n'enuoye paix en terre.

異文

(1) de gens : des gens 1605sn
(2) seigneurs : Seigneurs 1650Le 1672Ga, Siegneurs 1668
(3) guerre : geurr 1605sna
(4) Helas 1588-1589 1611A 1612Me : Helas! T.A.Eds. (sauf : Hélas! 1981EB)

(注記)この詩は全ての版に含まれているわけではないため、底本を 1588Rf とし、比較の対象に 1589Me, 1589Rg, 1605sn, 1611A, 1611B, 1612Me, 1628dR, 1649Ca, 1649Xa, 1650Le, 1668, 1672Ga, 1981EB を用いた。

日本語訳

多くの人々が話し合いを望むだろう、
彼らを戦わせるであろう大領主たちとの。
(だが)彼らは何も聞こうとしない。
ああ!神は地上に平和をもたらして下さらないのか。

訳について

 大乗訳2行目「君主を対立させて戦わせ」*1は誤訳。

信奉者側の解釈

 ジャック・ド・ジャン(1672年)は当時の英仏蘭の関係と解釈している*2

 ロルフ・ボズウェルは、ミュンヘン会談(1938年9月)など、第二次世界大戦直前に仏英がとった対独宥和政策に関する予言と解釈した*3

 アンドレ・ラモンは、第一次世界大戦後に多くの人が国際連盟に希望を託したが、戦争抑止力にはならなかったことの予言と解釈した*4

 ヘンリー・C・ロバーツは「説明の必要なし」*5としか述べていなかったが、のちの改訂版では、国際連合(the United Nations)が戦争抑止力にならないことの予言とする解釈に差し替えられている*6

同時代的な視点

 百詩篇第8巻2番 (補遺篇)と同じく、宗教戦争前の対話路線の挫折を表しているようにも見える。


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