予兆詩第64番

予兆詩第64番 1561年1月について

原文

N'avoir de naistre1, né2 refuse dur fait.
Horreur d'emprise, de changement refus.
Issu hors borne, puis descouvert au fait,
Et non content assailli, mort confus. *1

異文

(1) naistre 1561LN : n'estre 1589Rec
(2) né : nay 1561LN

(注記)1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿。1561LN は初出である『1561年向けの暦』を指す。この文献は断片が現存しており、この詩については断片的に比較が可能である。

日本語訳

生まれるものを持たず、赤子は出来事を手厳しく拒む。
遠征の恐怖、変化の拒絶。
境界の外から出でたもの。次いでその事柄に関する発見。
そして、満足しない者が襲われ、不明瞭な死を遂げる。

訳について

 先行する訳が全く存在しない状況であり、なおかつ多様に訳せる語が多いため、訳が難しい。

コメント

 従来の『予言集』には収録されることがなかった詩篇であり、かつてダニエル・ルソも「完全に失われた」と評していた。その分、解釈が積み重ねられることもなかった。


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予兆詩
最終更新:2010年02月18日 22:39

*1 原文は Chevignard [1999] p.144 による。