予兆詩第67番(旧60番) 1561年4月について
原文
Le temps purgé, pestilente tempeste.
Barbare
insult, fureur, invasion,
Maux infinis par ce mois nous appreste.
Et les plus grands
1 deux moins d'
irrision2.
異文
(1) grands conj.(PB): Grands T.Eds.
(2) d'irrision : d'irrison 1650Le
(注記)初出である『
1561年向けの暦』は断片が現存しているが、この詩が載っていたページは現存しておらず、比較できない。
百詩篇第7巻75番
Le temps purge pestilente tempeste.
Barbare insulte, fureur, inuasion
Maux infinis par ce mois nous appreste
Et les plus grands dans1 moins d'irrision.
異文
(1) dans : d'ans 1589Me
(注記)1588年から1589年にパリで出された版には、百詩篇第7巻75番として収録されていた。信頼性の点で疑問だが、初出が現存していないため、ほぼ同じ時代の参考資料として掲載しておく。底本は1588Rf で、比較に 1589Rg, 1589Me を使った。なお、この詩篇は予兆詩との一致がつとに知られていたため、1590年以降の『予言集』に、この詩を収録したものはなかった。
日本語訳
時代が一掃される。悪疫の嵐。
バルバロイの攻撃、激昂、侵略。
今月を通じて、際限のない災厄が我らに仕向けられる。
そして最も偉大な二人はあまり嘲弄されない。
信奉者側の見解
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは2行目後半以降は1562年4月に当てはめ、その時に国王シャルル9世が軍事会議を開いたり、臣下に親書を送ったりしたことと解釈した。
2行目前半までは1564年のこととして、前年に第一次ユグノー戦争が終わったことと、1564年にペストが大流行したことと解釈した。
最終更新:2010年02月18日 22:54