予兆詩第71番(旧64番) 1561年8月について
原文
Mort & saisi, des nonchalans le change
S'eslongnera en s'approchant plus fort.
Serrez unis en la ruine
grange.
Par secours long estonné le plus fort.
異文
(1) nonchalans : nonchelans 1605 1649Xa
(2) Serrez : Sarrez 1605 1649Xa
(注記)初出である『
1561年向けの暦』は断片が現存しているが、この詩が載っていたページは現存しておらず、比較できない。
百詩篇第7巻79番
Mort & saisi de nonchalans le change
S'eslongnera en s'approchant plus fort
Serrez vnis en la ruine grange
Par secours long estonnez le plus fort.
(注記)1588年から1589年にパリで出された版には、百詩篇第7巻79番として収録されていた。信頼性の点で疑問だが、初出が現存していないため、ほぼ同じ時代の参考資料として掲載しておく。底本は1588Rf で、比較に 1589Rg, 1589Me を使ったが、異文はなかった。なお、この詩篇は予兆詩との一致がつとに知られていたため、1590年以降の『予言集』に、この詩を収録したものはなかった。
日本語訳
死んで捕らわれ、閑居する者たちの変化が、
より一層近づく一方で遠ざかるだろう。
幽閉された者たちは荒れた納屋でひとまとめにされる。
長引く救いによって、最も強き者が驚かされる。
信奉者側の見解
ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1589年の情勢と解釈し、ギーズ公の死がカトリック陣営に与えた影響を描写したものとした。4行目はスペインの救援を期待していたマイエンヌ公のことだという。
最終更新:2010年02月21日 14:27