献辞の題名は、「大兄にしてこの世界における最良の友、『真の熱情の』騎士殿へ」(A Monseigneur, frere & meilleur. Amy, que i'aye en ce monde Cheualier d'vn vray zelle.)となっている。「真の熱情の/真の熱情で」(d'vn vray zele)は、文人ジャン・ド・ヴォゼルが自分の名前ド・ヴォゼル(de Vauzelle)をもじって使っていたあだ名である。この献辞をリヨン版と見比べると内容はほぼ同じである。ただし、リヨン版に比べて内容の一部が省かれた上で、日付が1561年から1562年に改変されるなど、リヨン版の質の悪いコピーであることが読み取れる。