サトゥルヌス

 サトゥルヌス(サートゥルヌス、Saturnus)は、ローマ神話における農業神。フランス語ではサチュルヌ(Saturne)、英語ではサターン(Saturn)。

 ギリシャ神話ではゼウスの父クロノスに対応する。クロノスはヘシオドスの五時代の説話では、黄金時代を体現する存在として描かれており、このモチーフはラテン文学にも持ち込まれた。
 ウェルギリウスの『農耕詩』に出てくる「サトゥルヌスの治世」(regna Saturnia)は、黄金時代と同義である。
 農業神ということもあり、鎌を持った存在として描かれる*1

 古代ローマでは12月中旬にサトゥルヌスの祭り(サトゥルナリア)が行われていた。

占星術・天文学

 古来、土星にその名が与えられており、現在の英仏語でも Saturn / Saturne は「土星」の意味を持つ。

 リシャール・ルーサノストラダムスは悪い影響を及ぼす星と理解していた*2


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錬金術・化学

 錬金術では「鉛」に対応しており、古語では「鉛」の意味があった*3。派生語の Saturnisme(鉛中毒)などにその名残りがある。

 英語の Saturday に顕著なように、曜日で対応するのは土曜日である。なお、現代フランス語で土曜日を意味する samedi は「サバトの日」であり、サトゥルヌスとの直接的なつながりはない。

関連項目



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用語
最終更新:2021年09月15日 00:12

*1 呉茂一『ギリシア神話・上』pp.36-38

*2 高田・伊藤 [1999] pp.60-61

*3 『新仏和中辞典』