テュポン

 テュポン(テューポーン、Typhon)は、ギリシャ神話に登場するティタン族の怪物。ガイアと冥界神タルタロスとの間に生まれた末子で、上半身から腿までが男性で、そこから下が蛇になっており、肩からは百の蛇の頭が生え、目や口からは火を吐いた。全身は非常に巨大で、天を衝く巨大な体で両手を広げれば、世界の東端と西端に届いたとされる。

 ゼウスとの戦いに敗れた後、アイトナー山の下に閉じ込められた。このアイトナー山は現在のエトナ山で、この山がいまだに活発なのは、テュポンが火を吐いているからと伝えられる*1

 現代フランス語の typhon は「台風」の意味だが、テュポンがいまだに生きていて、吐く息が暴風になっているという伝説に由来するという*2

登場箇所


1557年向けの散文の予兆にも、1箇所だけ言及がある(『散文予兆集成』第2巻)


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最終更新:2010年03月09日 21:55

*1 呉茂一『ギリシア神話・上』pp.75-76, 松平 [2005] pp.115-116

*2 呉、同上