ノストラダムス予言集 (岩波書店)

 『 ノストラダムス予言集 』は、1999年に岩波書店から出版された著書。ピエール・ブランダムール校訂、高田勇伊藤進編訳。2014年に岩波人文書セレクションの1冊として復刊された。


【画像】ハードカバー版

内容

 ピエール・ブランダムールが『最初の百詩篇集、つまりは(1555年マセ・ボノム版)予言集』において校訂した原文を元に四行詩の翻訳を行い、ブランダムールによる釈義(paraphrase, 現代フランス語によって解釈を交えて訳したもの)の日本語訳を添えている。二つの翻訳は原典からの訳が文語体、釈義は口語体という訳し分けが行われている。
 さらに、訳者2人による四行詩の解説が、古典や同時代的証言からの引証や豊富な図版とともに展開されている。

 ブランダムールの校訂版では、セザールへの手紙と『予言集』初版収録分の353篇全ての四行詩について解説が行われていたが、この日本語版で扱われているのは197篇のみである。もっとも、その解説内容はブランダムールのものよりも充実している場合も少なからずあり、収録されている詩篇に限っては、一方的に情報量が劣っているというものではない。

 付録として、ブランダムールが対象としていなかった百詩篇第4巻54番以降の詩篇のうち、日本でも比較的有名な第4巻68番第4巻100番第8巻43番第9巻20番第10巻72番の5篇の翻訳と解説が行われている。翻訳の底本には、アナトール・ル・ペルチエの『ミシェル・ド・ノートルダム神託集』(1867年)が使われている。

 巻末の「結び 16世紀詩人ノストラダムス」では、『予言集』のフランス文学史上の特質と位置について、分かりやすく解説されている。

岩波人文書セレクション版

 岩波人文書コレクションの1冊として2014年に復刊された。復刊に当たり、新しい研究動向の概観を含む新たな後書きが加わった以外は、内容に特段の変更はないようである。


【画像】人文書セレクション版

コメント

 日本で出版されたノストラダムス関連書の中では最重要の文献といってよいだろう。
 訳者2人は16世紀フランス文学や驚異(未作成)に関する当時の言説について造詣が深く、信頼性の高い翻訳を提供する上で、まさに適任であったといえる。それらの訳は、当「大事典」の翻訳においても、大いに参照させていただいている。

 なお、訳者はあとがきにおいて、いずれは抄訳ではなく完訳を出版したいという希望を表明している。これは今のところ実現していないが、岩波文庫などに『予言集』の完訳が収められる日が来ることを期待したいところである。

書誌

書名
ノストラダムス予言集
校訂
ピエール・ブランダムール
編訳者
高田勇、伊藤進
版元
岩波書店
出版日
1999年7月15日
注記

外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌

Titre
Nostradamus Yogenshû (trad./ Les Prophéties de Nostradamus)
Collation des textes
Pierre BRIND'AMOUR
Editeurs & Traducteurs
TAKATA Isamu & ITÔ Susumu
Publication
Iwanami Shoten
Lieu
Tokyo, Japon
Date
le 15 juillet 1999
Note
Traduction & commentaire en japonais de 197 quatrains tirés des 353 premiers quatrains.


コメントらん
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  • 岩波人文セレクションとして再刊されるようですhttps://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?head=y&isbn=ISBN4-00-028789 -- noname (2014-10-05 17:13:29)
  • 情報ありがとうございます。すでに当「大事典」でも認識していますので、編集雑記(ブログ)のほうでは9月27日のエントリで紹介しています。実際に刊行されたら、改訂内容などについて、この記事にも加筆する予定です。 -- sumaru (2014-10-05 19:26:44)
  • ノストラダムスの予言に関心ある人がそんなに多いとは思えないのに、よくもまあ、再刊する気になったな。 グッドジョブというべきところか。 -- とある信奉者 (2014-10-12 22:28:15)
  • 発売されましたが、改訂部分がそれほど多くなかったので、加筆もほとんどしていません。編集雑記のほうに雑感を書きました。 -- sumaru (2014-10-17 02:14:30)
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