予兆詩第90番

予兆詩第90番(旧80番) 1563年1月について

原文

Tant d'eau, tant morts, tant d'armes esmouvoir,
Rien d'accordé, le grand 1 tenu captif 2 ,
Que sang humain, rage, fureur avoir 3 ,
Tard penitent, peste, guerre, motif. *1

異文

(1) grand 1563Ro : Grand T.A.Eds.
(2) captif : captifs 1605
(3) avoir 1563Ro 1589Rec : n'avoir T.A.Eds.

(注記)1563Roは『1563年向けの暦』の異文。ただし、ここではオリジナルではなく1905年の復刻版を利用している。1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。

日本語訳

多くの水と多くの死が多くの武器を駆り立てる。
合意は何もなく、偉大な者は囚われたままに。
それで、人の血が激怒し、激昂する。
遅れた悔悛者、ペスト、戦争、騒擾。

訳について

 1行目と3行目はどこで区切るのかで意味が変わる。
 1行目については「多くの水、多くの死、多くの武器が駆り立てる(引き起こす)」などと訳せるし、3行目は「人の血、激怒、激昂が持つ」とも訳せる。また、この場合の Que は何らかの接続詞(句)の代わりを果たしていて、非常に多くの訳し方がありうる。「それで」という訳はあくまでも一例にすぎない。なお、シャヴィニーが改変した n'avoir という異文に従えば、「(彼は/彼らは)人の血、激怒、激昂しか持たない」という意味になる。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、2行目の捕らわれた大物をコンデ親王と解釈した。1行目は第二次・第三次のユグノー戦争のこととした。3行目は他の時期としたが、解釈は明記しなかった *2


名前:
コメント: