予兆詩第91番

予兆詩第91番(旧81番) 1563年2月について

原文

Des ennemis mort de langue1 s'approche.
Le debonnaire2 en paix voudra reduire.
Les obstinés voudront perdre la poche3.
Surpris captifs, & suspects4, fureur nuire. *1

異文

(1) langue : Langue 1563Ro
(2) debonnaire 1563Ro : Debonnaire T.A.Eds.
(3) poche 1563Ro 1589Rec 1594JF : proche T.A.Eds.
(4) suspects : suspect 1563Ro 1589Rec

(注記)1563Roは『1563年向けの暦』の異文。ただし、ここではオリジナルではなく1905年の復刻版を利用している。1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。

日本語訳

言葉の死が敵たちに近づく。
温和な者は平和に帰着させたがるだろう。
頑迷な者たちは袋をなくしたがるだろう。
捕虜たちは驚かされ、激昂が疑わしい者たちを害する。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、1572年のサン=バルテルミーの虐殺と解釈した。1行目はプロテスタントに死が迫っていることの描写だという。2行目の「温和な者」は国王シャルル9世を、3行目「頑迷な者」はプロテスタントのこととした(「袋」が何かの説明はない)。*2


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予兆詩
最終更新:2010年03月25日 19:05

*1 原文は Chevignard [1999] p.157 による。

*2 Chavigny [1594] p.208