予兆詩第94番

原文

Terre trembler, tué, prodige, monstre.
Captifs sans nombre, faite 1 defaite, faire 2 .
D'aller 3 sur mer adviendra 4 malencontre 5 .
Fier contre fier mal fait de contrefaire. *1

異文

(1) faite conj.(BC) : faire T.A.Eds.
(2) faire conj.(BC) : faicte / faite T.A.Eds.
(3) D'aller : d'aller 1563Ro
(4) adviendra : adviendua 1628 1649Ca
(5) malencontre : mal encontre 1563Ro

(注記)1563Roは『1563年向けの暦』の異文。ただし、ここではオリジナルではなく1905年の復刻版を利用している。1589Rec はジャン=エメ・ド・シャヴィニーの手稿『散文予兆集成』の異文。

校訂

 ピエール・ブランダムールベルナール・シュヴィニャールも2行目の行末を修正している。これは4行目との押韻から見ても妥当なものである。行の中程の faite を faire に直すかどうかで、ブランダムールとシュヴィニャールに齟齬がある。ここではシュヴィニャールの見解に従った。

日本語訳

大地が震える。殺された者、驚異、怪異。
無数の捕虜、作られた口実、行うこと。
海上を行くことで不運が生じるだろう。
高慢に対する高慢、偽造するための悪事。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、地震については触れないまま1563年5月に対応させ、ギーズ公が殺されたことと解釈した。2行目以降はかなり漠然と解釈しており、特定の事件との関連付けは行っていない。

同時代的な視点

 ピエール・ブランダムールは、5月向けの予言に地震のモチーフが登場しているのは、1549年5月にモンテリマール一帯を襲った地震を踏まえ、5月と地震を関連付けた影響と捉えた。
 百詩篇第9巻83番百詩篇第10巻67番に5月の地震が予言されていることはよく知られているが、ほかにも1557年向けの散文体の予兆の中で、やはり5月の地震を予言しているくだりがある *2


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