予兆詩第97番

予兆詩第97番(旧87番) 1563年8月について

原文

Bons finement affoiblis par accords.
Mars & prelats 1 unis n'arresteront.
Les grands 2 confus par dons incidés corps.
Dignes, indignes biens indeus 3 saisiront. *1

異文

(1) prelats 1563Ro : Prelats T.A.Eds.
(2) grands 1563Ro : Grands T.A.Eds.
(3) indeus : indues 1605 1649Xa

(注記)1563Roは『1563年向けの暦』の異文。ただし、ここではオリジナルではなく1905年の復刻版を利用している。

日本語訳

善き者たちは協定によって狡猾に弱らせられる。
マルスと高位聖職者たちは一つになり、止めないだろう。
贈り物に惑わされた大物たちは体を切られる。
相応しい者も相応しくない者も、不当な財を差し押さえるだろう。

信奉者側の見解

 ジャン=エメ・ド・シャヴィニーは、第一次ユグノー戦争終結(1563年)と解釈した。1行目はそのときに出された和解王令がカトリック(「善き者」)よりもプロテスタントに有利なものだったことを指すとした。2行目の高位聖職者はロレーヌ枢機卿、マルスは提督を指すという。3行目は、特に後半については曖昧だとした。4行目はユグノー戦争の夥しい犠牲者たちのことと解釈した *2

同時代的な視点

 1行目は確かにシャヴィニーの解釈が当てはまるようにも見えるが、アンボワーズの和解王令が出されたのは1563年3月のことであり、時期がずれている。
 ノストラダムスがこれを書いたのは1562年前半だったと考えられるが、この時点で既にプロテスタントに好意的なサン=ジェルマン王令(1562年1月)は出されており、プロテスタント側に対してさらに譲歩が行われる可能性を想定することは十分可能だったと考えられる。


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