ミシェル・ノストラダムス師の驚異の大予言 (1588年)

  『ミシェル・ノストラダムス師の驚異の大予言』1588年版 は、ルーアンのラファエル・デュ・プチ・ヴァルによって出版された。まがりなりにも「大予言」と訳しうる数少ない古版本の一つである。

【画像】『驚異の大予言』1588年版の扉 *1

正式名

  • Les Grandes et Merveillevses Predictions de M. Michel Nostradamvs
    • Diuisees en quatre Centuries.
    • Esquelles se voit representé vne partie de ce qui se passe en ce temps, tant en France, Espaigne, Angleterre, que autres parties du monde.
    • A Rouen, Chez Raphael dv Petit Val, deuant la grand' porte du Palais.
    • 1588. Auec Permission.
  • ミシェル・ノストラダムス師の驚異の大予言
    • 四つの百詩篇に分けられている。
    • フランス、スペイン、イングランドおよび世界の他の地域において現下に起こっていることまでも一部描かれている版。
    • ルーアン、宮殿の大門の前に構えているラファエル・デュ・プチ・ヴァルの工房にて。
    • 1588年。認可済み。

 題名の中に「四つの百詩篇に分けられた」と記載されているのは、この版が唯一である。
 なお、メインタイトルの直訳は「ミシェル・ノストラダムス師の偉大にして驚くべき予言集」だが、ここでは宮下志朗(未作成)の訳に準じる *2

内容

 十六折版で32葉(64ページ相当)である。
 最初に第一序文(セザールへの手紙)が収録されているが、その日付は1555年6月22日になっている。
 続いて百詩篇第1巻1番から百詩篇第4巻53番までが収録されているが、第4巻は44番から47番までの4篇が欠落しているため、収録詩篇数は349篇である *3

特色

 本来3月1日になっているべき第一序文の日付が、6月22日になっているのがまず目を引く。これについてピエール・ブランダムールは、1555年リヨン版での日付「3月1日」は土星が白羊宮に入った時に合わせたものであったはずなのに対し、「6月22日」は夏至に合わせたものだろうという。その一方で、彼は、その日付が夏至として意味を持つのはグレゴリオ暦導入後(ノストラダムスの死後16年後)であることも指摘している *4
 内容については現存していないので判断が難しいが、ダニエル・ルソが引用していた第一序文の異文からすれば、原文の系統は翌年の版と同じものだろうと考えられる。

 ダニエル・ルソはアヴィニョンで1555年から1558年の間に出版されたであろう版には4巻の途中までの版と7巻まで収録されていた版の2種類があったと推測しており、前者を復刻したのがこの版と考えていた。

所蔵先

 デュ・プチ・ヴァルが出版したこの版と翌年の版はかつて伝聞自体が存在しておらず、ダニエル・ルソが扉の写真とともに紹介するまで、全く知られていなかった。当然、公共図書館などの所蔵は確認されていない。

 そのダニエル・ルソが私蔵していた版は、彼の死後行方不明になっている。2007年のオークションにも出品されていなかった。



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