空の香りを愛するように
「空の香りを愛するように」は桜井亜美(さくらいあみ)の小 説。
平成18年8月5日に幻冬舎から発行された。
目次 |
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1.あらすじ 2.登場人物 3.不思議な生命体 4.解説 |
あらすじ
恋人のコウを支えに退屈な毎日を過ごす綾戸紅葉。だが、紅葉は無理に誘われた合コンで集団レイプ に巻き込まれ、不可思議な生命体を身篭ってしまう。絶望の淵を彷徨い、コウと離れることを決意する紅 葉。その前に、ミツルと名乗る少年が現れるが、ミツルもまたコウに特別な感情を抱いていた。決して失 われることのない恋の形を描いた物語。
登場人物
- 綾戸紅葉(あやどもみじ)
大手電話会社のマーケティング部門で働く。昔同級生にいじめられたことをきっかけに、他人を心から信 用することができなくなった。 - 505
紅葉の目の前で飛び降り自殺を図った少年。リーバイスの505ジーンズをはいていたことから、紅葉の中で は505と呼ばれている。 - コウ
紅葉の2歳年下の恋人。学生。紅葉が唯一素直に心を開ける人間。 - ミツル
紅葉が遊園地で出会った、赤いジャンパーを着た少年。「鳥の影から逃げないで」と謎の言葉を紅葉に投 げかける。505と何か繋がりが・・・? - イツキ
サラリーマン。集団レイプ犯の一人で、紅葉と一緒に合コンに参加していた女性が、彼を経由してHIVに感 染してしまった可能性がある。
不思議な生命体
紅葉が身篭ってしまったポリープでも腫瘍でもない、胎児でもない白い球体に似た謎の有機生命体。成分はおそらく炭酸カルシウムやマグネシウムで、周囲の細胞から酸素を取り込み呼吸をしている。
解説
集団レイプ、心の闇、そして不思議な生命体。
虚ろな心を抱えた人間たちが、絶望を乗り越えて生きていく様が書かれている。
桜井亜美らしい要素を存分に含んだ作品だと思う。カバーの色彩も素晴らしい。
ただ読み終わった後、何か心に響くものが足りないような感じがしたのも事実であった。
By:A