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ja
2009-02-05T12:55:32+09:00
1233806132
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ベロニカは死ぬことにした
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/19.html
<h1>ベロニカは死ぬことにした</h1>
<p><strong>「ベロニカは死ぬことにした」(Verinika Decide Moeere)</strong>は<strong>パウロ・コ
エーリョ</strong>の小説。<br />
2001年1月に角川書店から刊行された単行本を文庫化したもの。2003年4月25日に角川文庫から発行さ れた。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#kai">3.解説</a><br /><a href="#eiga">4.映画化</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>ベロニカはすべてを手にしていた。若さと美しさ、素敵なボーイフレンドたち、堅実な仕事、そして
愛情あふれる家族。でも彼女は幸せではなかった。何かが欠けていた。<br />
ある朝、ベロニカは死ぬこと に決め、睡眠薬を大量に飲んだ。たが目覚めると、そこは精神病院の中だった。自殺未遂の後遺症で残り
数日となった人生を、狂人たちと過ごすことになってしまったベロニカ。しかし、そんな彼女の中で何か が変わり、人生の秘密が姿を現そうとしていた―――。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>ベロニカ</strong><br />
主人公。 図書館で働いている24歳の女性。自らの死を選び、睡眠薬を大量に飲む。</li>
<li><strong>ゼドカ</strong><br />
精神病院の中でベロニカと親しくなる女性。極度のうつ病で治療中。自分の夢見たように人生を生きた いと思っている。</li>
<li><strong>エドアード</strong><br />
病院で出会った端正な顔立ちの28歳の青年。多重人格者。<br /></li>
</ul><h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>生きることも死ぬことも、大した理由はないのかも知れない。<br />
他人から見たらとても恵まれた環境にいるベロニカは、その退屈な人生に価値を見出せなくなり自殺と いう道を選ぶが失敗に終わる。<br />
しかし、その結果にもたらされた異変と院内で出会う人たちとの交流により、彼女は少しずつ考え方を変 えていく。<br />
翻訳された作品だからか、文章に少し引っかかりを感じるところがあると感じた作品だった。</p>
<h2><a name="eiga">映画化</a></h2>
<br /><p>2005年に、舞台を日本に移し映画化された。主人公の名前はベロニカからトワに、エドアードはクロー ドに変更されている。<br />
監督:堀江慶、脚本:筒井ともみ、主演:真木よう子。</p>
<br /><hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T12:55:32+09:00
1233806132
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コンセント
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/21.html
<h1>コンセント</h1>
<p><strong>「コンセント」</strong>は<strong>田口ランディ</strong>の小説デビュー作である。<br />
2000年6月、幻冬舎より発売され、2000年下半期の直木賞候補に上げられた。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#kai">3.解説</a><br /><a href="#eiga">4.映画</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p><strong>「その少年は、コンセントにつながったときだけ、動くことができるんだ」</strong><br />
引きこもりの末に餓死した兄が残した謎の言葉。奇妙なビデオ映画。彼は私に何を伝えようとしたのだろうか。兄の死の謎を解こうとする私に、異世界への回路が開かれていく。それは、どこに繋がっているのか。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>朝倉ユキ</strong><br />
主人公。金融雑誌ライターをする女性。</li>
<li><strong>兄</strong><br />
主人公の年の離れた兄。謎の言葉を残したままこの世を去ってしまう。</li>
<li><strong>国貞篤男</strong><br />
心理カウンセラーであり、主人公の元担当教授。</li>
<li><strong>木村</strong><br />
カメラマン。主人公に好意を寄せている。</li>
<li><strong>本田律子</strong><br />
主人公の元同級生で、文化人類学者。</li>
<li><strong>山岸峰夫</strong><br />
主人公の元同級生、精神病医。</li>
</ul><h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>兄の死の理由、死臭、カウンセリング、性描写、シャーマニズム。<br />
コンセントをキーワードに話が進んでいくのだが、電波的な要素を多く含んだ作品だと思う。<br />
内面へ傾いたようなラストがあまり共感できなかった。</p>
<h2><a name="eiga">映画</a></h2>
<p>2001年に「コンセント CONCENT」として映画化された。<br />
兄の死をきっけかに、本当の自分に目覚めていく女性の姿を書いたスピリチュアル・ドラマ。<br />
監督:中原俊、原作:田口ランディ、脚色:奥寺佐渡子。</p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:24:17+09:00
1233800657
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死国
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/23.html
<h1>死国</h1>
<p><strong>「死国」</strong>は<strong>坂東眞砂子</strong>の小説である。<br />
1996年8月に角川書店から発売された。これを原作とした映画が、1999年に制作された。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#kai">3.解説</a><br /><a href="#eiga">4.映画</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>20年ぶりに、故郷である高知の矢狗村(やくむら)を訪れた比奈子は、幼馴染の莎代里(さより)が18年前
に事故死していたことを知った。その上莎代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の”逆打ち”
を行っていたのを知り、愕然とする。四国八十八箇所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が蘇るというのだ。<br />
そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋に落ちる比奈子。だが、周囲で不可思議な現象が続発して・・・。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>明神比奈子</strong><br />
主人公。20年振りに故郷に帰り、幼馴染の死を知る。文也と再会することで恋心を再燃させる。<br /></li>
<li><strong>秋沢文也</strong><br />
主人公が少女の頃に淡い恋心を抱いていた青年。かつて莎代里と交際していた。<br /></li>
<li><strong>日浦莎代里</strong><br />
比奈子の幼馴染。中学生の時にこの世を去った。<br /></li>
<li><strong>日浦照子</strong><br />
莎代里の母親。娘を黄泉の国から呼び戻そうと、逆打ちをしている。<br /></li>
</ul><h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>一応ホラーというくくりに入れてみたものの、恋愛の要素も存分に含まれている作品。<br />
それぞれがそれぞれに思いを抱えているので、怖いというよりは、切ないという気持ちを強く感じた。<br />
流れるような文章がとてもリアルな小説。</p>
<h2><a name="eiga">映画</a></h2>
<p>1999年に映画化された。当時新人だった栗山千明が莎代里役として出演している。<br />
監督:長崎俊一、脚本:万田邦実/仙頭武則。</p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:24:04+09:00
1233800644
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イノセントワールド
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/35.html
<h1>イノセントワールド</h1>
<p><strong>「イノセントワールド」</strong>は<strong>桜井亜美</strong>のデビュー小説。<br />
1996年に幻冬舎から発売された。定価457円+税。1998年には映画化もされた。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#kai">3.解説</a><br /><a href="#ei">4.映画</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>支えあうように快楽でむすぶ、知的障害の兄との関係。「テレファックス」と呼び合う売春。精子ド
ナーによる自己の出生の秘密。やがて兄の子供を身ごもってしまう・・・。さまよい、新しい現実感で生
き抜く十七歳の女子高生「アミ」。危険な生の輝きを伝える桜井亜美の鮮烈なデビュー小説。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>珠泉アミ</strong><br />
主人公で17歳。頭がよく、整った顔をした少女。引き離された兄と会うためのお金を稼ぐため、「テレフ ァックス」を続ける。</li>
<li><strong>タクヤ</strong><br />
アミの2歳年上の兄。生まれつき知的障害を持っていて、定時制高校の特別なクラスに行っている。色が浅 黒く、過剰に端正な顔立ちをしている。</li>
<li><strong>マサキ</strong><br />
「テレファックス」のスタッフでクールなエリート。しかしひどい視線恐怖症で、プロテクターとしてい つもメガネをかけている。</li>
<li><strong>ドナーNo.307</strong><br />
事実上のアミの父親。兄と同じ障害を持ってアミが産まれてくることを恐れた母親が、精子ドナーを利用 した。</li>
</ul><br /><h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>兄との関係、自分は父親の本当の子供ではないという事実、希望も絶望も全部つまった作品である。アミ
とは桜井亜美本人のことなのか?と少し気になった。あとがきもアミからなのか、亜美からなのか、とて
も曖昧に書かれている。ただそういったことを抜きにしても、次々と起こる出来事にどんどんと引き込ま れていき、一気に読めてしまった。<br /><br /></p>
<h2><a name="ei">映画</a></h2>
<p>1998年に小説を原作に制作された。監督は下山天、脚本は小川智子、フォトグラファーは蜷川実花。<br />
ヤクヤを安藤政信が、アミを竹内結子が演じている。竹内にとっては本作が映画初主演である。</p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:23:42+09:00
1233800622
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空の香りを愛するように
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/30.html
<h1>空の香りを愛するように</h1>
<p><strong>「空の香りを愛するように」</strong>は<strong>桜井亜美(さくらいあみ)</strong>の小 説。<br />
平成18年8月5日に幻冬舎から発行された。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#sei">3.不思議な生命体</a><br /><a href="#kai">4.解説</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>恋人のコウを支えに退屈な毎日を過ごす綾戸紅葉。だが、紅葉は無理に誘われた合コンで集団レイプ
に巻き込まれ、不可思議な生命体を身篭ってしまう。絶望の淵を彷徨い、コウと離れることを決意する紅
葉。その前に、ミツルと名乗る少年が現れるが、ミツルもまたコウに特別な感情を抱いていた。決して失 われることのない恋の形を描いた物語。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>綾戸紅葉(あやどもみじ)</strong><br />
大手電話会社のマーケティング部門で働く。昔同級生にいじめられたことをきっかけに、他人を心から信 用することができなくなった。</li>
<li><strong>505</strong><br />
紅葉の目の前で飛び降り自殺を図った少年。リーバイスの505ジーンズをはいていたことから、紅葉の中で は505と呼ばれている。</li>
<li><strong>コウ</strong><br />
紅葉の2歳年下の恋人。学生。紅葉が唯一素直に心を開ける人間。</li>
<li><strong>ミツル</strong><br />
紅葉が遊園地で出会った、赤いジャンパーを着た少年。「鳥の影から逃げないで」と謎の言葉を紅葉に投 げかける。505と何か繋がりが・・・?</li>
<li><strong>イツキ</strong><br />
サラリーマン。集団レイプ犯の一人で、紅葉と一緒に合コンに参加していた女性が、彼を経由してHIVに感 染してしまった可能性がある。</li>
</ul><h2><a name="sei">不思議な生命体</a></h2>
<p>
紅葉が身篭ってしまったポリープでも腫瘍でもない、胎児でもない白い球体に似た謎の有機生命体。成分はおそらく炭酸カルシウムやマグネシウムで、周囲の細胞から酸素を取り込み呼吸をしている。</p>
<h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>集団レイプ、心の闇、そして不思議な生命体。<br />
虚ろな心を抱えた人間たちが、絶望を乗り越えて生きていく様が書かれている。<br />
桜井亜美らしい要素を存分に含んだ作品だと思う。カバーの色彩も素晴らしい。<br />
ただ読み終わった後、何か心に響くものが足りないような感じがしたのも事実であった。</p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:23:27+09:00
1233800607
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マーメイドスキンブーツ
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/25.html
<h1>マーメイドスキンブーツ</h1>
<p><strong>マーメイドスキンブーツ</strong>は<strong>桜井亜美</strong>の小説。<br />
2005年11月に幻冬 舎から発売された。価格は定価1300円+税。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#cav">3.本のカバー</a><br /><a href="#kai">4.解説</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>彫刻を学ぶ美大生のナジュは、ダーツでその夜を共にする相手を決める、刹那的な恋を繰り返していた
。おしゃれやメイクで寂しさをまぎらわす日々の中、彼女は飛行機で偶然隣り合った男・霧帆に恋をする。<br /><strong>「今度こそ、一人の本命と幸せな恋ができるかもしれない」</strong><br />
しかし霧帆は、彼女の大切な人の恋人だったとわかり・・・。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>アヤセナジュ</strong><br />
主人公。美大生で、「D-20」の呪いを半分はありえないと思いつつも、不安に感じている。</li>
<li><strong>海道霧帆</strong><br />
ビデオ製作会社に勤めている青年。飛行機の中で主人公と偶然に出会い、帰国後も交流を持つ。<br /></li>
<li><strong>ハルサカミライ</strong><br />
ナジュのバイト先で働く大学生。演劇の勉強をしている。<br /></li>
<li><strong>カレン</strong><br />
ナジュの姉。20歳の時に交通事故に合いこの世を去っている。<br /></li>
<li><strong>サヤ</strong><br />
ナジュの大学の同級生。担当教官であるハギワラのモデル兼愛人で、クールな美人。<br /></li>
</ul><h2><a name="cav">本のカバー</a></h2>
<p>映画監督しても知られる蜷川実花が担当している。<br />
鮮やかな明るい紫~ピンクの色彩に、フリルの赤い ドレスを着たモデルがたたずむ表紙に目を奪われる。</p>
<h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>刹那の恋、割り切った関係。そこから見つけ出した本当の自分。話の流れとして、桜井亜美らしい作品だと 思う。<br />
やり切れない思いを抱えて生きる女性が、運命を変えようと前を向いていく様子が描かれている。<br />
オビに使われた「二番目(キープ)の彼女を卒業した日、素顔の自分を好きになった。」という文章が印象的。</p>
<br /><hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:23:14+09:00
1233800594
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天狗風
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/31.html
<h1>天狗風</h1>
<p><strong>「天狗風」</strong>(正式には 天狗風 霊験お初捕物控【二】)は<strong>宮部みゆき</strong>
の書いた捕物帳。<br />
1994年から1年間新聞連載され、1997年1月に新人物往来社より発売された
ものを文庫化して、2001年9月に講談社庫から発売された。価格は781円+税。</p>
<table><tr><th>目次</th>
</tr><tr><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#mok">3.●目次●</a><br /><a href="#furi">4.振袖火事</a><br /><a href="#kai">5.解説</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>一陣の風が吹いたとき、嫁入り前の娘が次々と神隠しに・・・。不思議な力をもつお初は、算学の道
場に通う右京之介とともに、忽然と姿を消した娘たちの行方を追うことになった。ところが闇に響く謎の
声や観音様の姿を借りたもののけの翻弄され、調べは難航する。『震える岩』につづく”霊験お初捕物控 ”第二弾。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>お初</strong><br />
主人公。17歳。人には見えないものが見えたり、聞こえたりする能力を持つ。勝気な性格で、はっきりと した物言いをする愛らしい顔の少女。</li>
<li><strong>古沢右京之介</strong><br />
ひょろりと背が高く、メガネをかけた青年。吟味方余力である父親の許しを得て奉行所の役目をしりぞき 、算学の道へ進んだ。</li>
<li><strong>根岸肥前守鎮衛</strong><br />
巷に流れる不思議な話、言い伝えに興味を持っていて、「耳袋」に書き溜めている。お初の能力を信じ、 神隠しの真相を調べてくれないか、と相談を持ちかける。</li>
<li><strong>鉄</strong> 突然お初の前に現れたかぎしっぽの小さなとら猫。人間の言葉を話すことが出来るが、その言葉はお
初にしか聞こえない。<br /></li>
<li><strong>六蔵・およし夫婦</strong><br />
お初の兄と義姉。「まともな娘なら縁談だって来る年頃だ」と、お初が娘らしくしおらしくなることを期 待している。</li>
<li><strong>あき</strong><br />
神隠しの1人目の被害者で、17歳になる下駄屋の一人娘。半月後には料理屋へ縁付くことが決まっていた。
しかし、真紅の朝焼けが広がる朝、一陣の風とともに忽然と姿を消してしまった。</li>
</ul><h2><a name="mok">●目次●</a></h2>
<p><strong>第一章 かどわかし</strong> 朝焼けの怪/御番所模様<br /><strong>第二章 消える人々</strong> おあきの足跡/ささやく影/魔風/再び、ささやく影/明けない 夜<br /><strong>第三章 お初と鉄</strong> 姉妹屋にて/浅井屋脱出/夢の娘/矢場の男<br /><strong>第四章 武家娘</strong> 吹き矢/鉄と御前さま/御前さまと和尚<br /><strong>第五章 対決</strong> しのの涙/桜の森/お初と御前さま<br /><strong>解説</strong> 清原康正</p>
<h2><a name="furi">振袖火事</a></h2>
<p>江戸時代に江戸の大半を焼失するに至った「明暦の大火」がある。その大火事には諸説あるが、この物
語のベースになっているのは<strong>「振袖火事」</strong>と呼ばれる伝承である。<br />
美しい寺小姓に恋をした少女おきくは、その小姓の着ていた着物に似た柄の振袖をこしらえてもらい小姓
を思い続けた。しかし、16歳の若さでこの世を去ってしまう。その後振袖は古着屋の手を経て、2人の若い
女性、お花、次におたつの元に渡るが、どちらも振袖を手にした後、亡くなってしまった。<br />
おたつの葬儀の後、3人の娘の家のもので話し合い、結果振袖を本妙寺で供養してもらうことにした。しか
し、和尚が読経しながら振袖を火の中に投げ込んだ瞬間、突如吹いたつむじ風によって振袖が舞い上がっ
て本堂に飛び込み、それが燃え広がって江戸中が大火となったという。</p>
<h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>テンポよく話が流れていくので、500ページを超える長編だということを忘れさせるくらい熱中して読めて
しまった。鉄という言葉を話す猫とお初との軽快なやり取りが面白く、鉄という存在がとてもかわいらし
く書かれている。女性の美へのこだわりや、そこから生まれる怖さとが上手く事件と絡んでいた。<br /></p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:22:40+09:00
1233800560
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震える岩
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/28.html
<h1>震える岩</h1>
<p>
<strong>「震える岩」</strong>(正式には 震える岩 霊験お初捕物控)は、<strong>宮部みゆき</strong>の書いた捕物帳。<br />
1993年9月に新人物往来社より発売されたものを文庫化して、1997年9月に講談社文庫から発売された。価格は定価695円+税。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#tou">2.登場人物</a><br /><a href="#mimi">3.耳袋について</a><br /><a href="#kai">4.解説</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>
ふつうの人間にはない不思議な力を持つ「姉妹屋」のお初。南町奉行の根岸肥前守に命じられた優男の古沢右京之介と、深川で騒ぎとなった「死人憑き」を調べ始める。謎を追うお初たちの前に百年前に起きた赤穂浪士討ち入りが・・・。</p>
<h2><a name="tou">登場人物</a></h2>
<ul><li><strong>お初</strong><br />
主人公。16歳。人には見えないものが見えたり聞こえたりする能力を持つ。少し気の強いところがある。</li>
<li><strong>古沢右京之介</strong><br />
吟味方与力を勤める父親を持つメガネをかけた17歳の青年。根岸肥前守鎮衛の命により、お初と共に死人憑きの事件を調べる。</li>
<li><strong>根岸肥前守鎮衛</strong><br />
巷に流れる不思議な話、言い伝えに興味を持っていて、「耳袋」に書き溜めている。お初の不思議な力を知り、公にならない働きをしてもらうために親しくしている優しい老人。</li>
<li><strong>六蔵</strong><br />
お初の兄。岡引をしていて、お初の不思議な力を信じている1人。</li>
<li><strong>およし</strong><br />
六蔵の妻でお初の義姉。一膳飯屋を営んでいて、お初と共に働いている。</li>
<li><strong>吉次</strong><br />
ろうそくの流れ買いを生業にしている大人しい男。一度この世を去ったものの、息を吹き返した。</li>
</ul><h2><a name="mimi">耳袋について</a></h2>
<p>本書には根岸肥前守鎮衛と耳袋が登場する。<br />
根岸鎮衛は江戸時代に実在した人物で、異例の出世を遂げた人物であり、彼が面白いと思った奇談や人のために成るべき事を書き留めたのが「耳袋」である。<br />
耳袋は各巻百条、すべてで十巻あり、雑談集であるため信憑性の点では問題があるが、世間話の大集録としてその価値は高く評価されている。</p>
<h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>
死人憑きの話から始まり、油樽から発見された少女の遺体、鳴動する石、赤穂浪士の悲しい話などが絡まった捕物帳。宮部みゆきの作品らしく、巧みな文章で飽きさせない作品である。<br />
また、耳袋や赤穂浪士など実在のものと”超能力”という不確かなものを織り交ぜたことで、やすっぽさが消え新しい捕物帳の世界を開いた作品だと言えるであろう。</p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:22:17+09:00
1233800537
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謎001
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/29.html
<h1>謎001</h1>
<p><strong>謎001</strong>は、作家<strong>東野圭吾</strong>がセレクトした8作品が収録された 作品。<br />
2006年9月に講談社文庫より発行された。定価695円(税別)。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#syu">2.収録された8篇</a><br /><a href="#bun">3.序文と解説</a><br /><a href="#kan">4.感想</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>当代を代表する人気作家が、1970年からの30年間に発表された膨大な数の短編ミステリーのなかから
”お気に入り”をセレクトした「謎」シリーズ。記念すべき1巻目の選者は、<strong>東野圭吾</strong>
。彼が選んだ8作品に加え、選者による解説が収録。作品から読んでも、解説から読んでも楽しめる究極の アンソロジー。</p>
<h2><a name="syu">収録された8篇</a></h2>
<ul><li><strong>新開地の事件</strong><br />
「点と線」や「砂の器」などで知られる<strong>松本清張</strong>の作品。<br />
人間関係のドロドロした部分から起こる事件の真相が、哀しく生々しい話。</li>
<li><strong>母子増</strong><br /><strong>筒井康隆</strong>の作品。著書に「ヨッパ谷への降下」、「朝のガスパール」などがある。<br />
生まれて7ヶ月になる息子のために買った、両手にシンバルを持ったサルの玩具。他のサルとは違い、何故
か白い布地で作られたそのサルを買ったことから、不思議で恐ろしくも哀しい物語が始まる。</li>
<li><strong>双子の家</strong><br />
「三毛猫ホームズの推理」や「三姉妹探偵シリーズ」などで知られる<strong>赤川次郎</strong>の作品。<br />
三毛猫ホームズの主要キャラが活躍する話。兄は弟に殺されると言い、弟は兄に殺されると言う。巧み なトリックを使ったミステリーの中のミステリー。</li>
<li><strong>緋色の記憶</strong><br />
「蝶たちは今・・・」により、75年に第21回江戸川乱歩賞を受賞した作家<strong>日下圭介</strong>の作 品。<br />
15年前の父親の死の「真実」を求める女性の話。全編に渡り、当時警察官として事件に携わっていた男性
との手紙のやり取り、事情を知るものとの会話のみで内容が展開されている。</li>
<li><strong>北斎の罪</strong><br />
「写楽殺人事件」で江戸川乱歩賞を受賞した作家<strong>高橋克彦</strong>の作品。<br />
友人が持ち込んだ葛飾北斎の画帳。本物か、偽者か、今は亡き北斎を巡り日本を見る話。</li>
<li><strong>ぼくを見つけて</strong><br /><strong>連城三紀彦</strong>の作品。著書「恋文」で直木賞、「隠れ菊」で柴田錬三郎賞を受賞している。<br />
「ぼく、今、ユーカイされているみたいなので電話しました」<br />
そんな電話から始まる、長い時間をかけた誘拐事件の話。本当に誘拐事件は起きているのか?悪戯とも思 えるその電話から見えてくる真実は悲しい結末を迎える。</li>
<li><strong>手話法廷</strong><br /><strong>小杉健治</strong>の作品。著書に「不遜な被害者たち」、「灰の男」などがある。<br />
仕事中の事故で車椅子での生活を送るようになった男は、耳と口が不自由な同僚のせいだと理不尽な怒り
と悔しさで自暴自棄になっていた。そんな中、その同僚が殺人犯として訴えられることになり・・・。</li>
<li><strong>サボテンの花</strong><br />
第120回直木賞を始め数々の賞を受賞している作家 <strong>宮部みゆき</strong>の作品。<br />
定年間近の小学校の教頭先生と、強い結束と個性を持った6年1組の子供たちとの心温まるエピソードを描 いた話。</li>
</ul><br /><h2><a name="bun">序文と解説</a></h2>
<p>序文として日本推理作家協会理事長<strong>大沢在昌</strong>の言葉が、解説として選者である
<strong>東野圭吾</strong>が収録された8作品を選んだ理由が書かれている。選者の作品や作者に対する思いが書
かれているので、解説まで楽しんで読むことができる。<br /><br /></p>
<h2><a name="kan">感想</a></h2>
<p>男女間のいざこざ、ホラー要素を含んだもの、大人と子供の心の交流など、ミステリーの短編集ではある
ものの沢山の色を持った作品である。選び抜かれた作品の中から、さらに東野さんの感覚で選ばれた作品 はどれも素晴らしく、また解説も面白く読めた。<br /><br /></p>
<hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:22:04+09:00
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人質カノン
https://w.atwiki.jp/novelty/pages/17.html
<h1>人質カノン</h1>
<p><strong>「人質カノン」</strong>は<strong>宮部みゆき</strong>の短編小説を7篇収録した短編集 。<br />
2001年文春文庫より発売された。</p>
<table border="2"><tr><th>目次</th>
</tr><tr align="left"><td><a href="#ara">1.あらすじ</a><br /><a href="#syu">2.収録されている7篇</a><br /><a href="#kai">3.解説</a></td>
</tr></table><h2><a name="ara">あらすじ</a></h2>
<p>「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具
、ガラガラを落として去った。事件の背景に都会人の孤独な人間模様を浮かび上がらせた表題作、たまた
ま浮かび上がった中年女性が遠大な殺人の計画を語る「十年計画」など、街の片隅、日常に潜む選りすぐ りのミステリー短編集。</p>
<h2><a name="syu">収録されている7篇</a></h2>
<ul><li><strong>人質カノン</strong><br />
終電帰りに立ち寄ったコンビニで、主人公が強盗に人質にされてしまう話。<br />
事件を通して、現代の人間模様をリアルに描いている。</li>
<li><strong>十年計画</strong><br />
タクシー運転手の女性と、客の女性との間で交わされる会話がメインとなった話。<br />
テンポのいい会話で、ラストまで一気に読めてしまう。</li>
<li><strong>過去の無い手帳</strong><br />
電車の中で、手帳を拾った主人公が持ち主を捜す話。<br />
持ち主を捜すことを通して、大学へ行くことが出来ないでいる主人公が変化していく様に引き込まれてい く。</li>
<li><strong>八月の雪</strong><br />
交通事故で右足を失い自分の殻に篭っていた少年が、祖父が昔書いた遺書を見付ける話。<br />
何も知らない祖父の昔の事を探っていくうちに変化する少年の心を丁寧に描いている。</li>
<li><strong>過ぎたこと</strong><br />
主人公が夕方の中央線の車内で”過去”に出会う話。<br />
最初から最後まで綺麗にまとまった作品で、読後間がとても良い作品。</li>
<li><strong>生者の特権</strong><br />
自殺志願者の女性といじめられっこの小学生が体験する一晩の冒険の話。<br />
女性が少年との交流で、生きる勇気を持っていく様を描いている。<br /></li>
<li><strong>漏れる心</strong><br />
売りに出そうとしたマンションがオープンハウスの日に水漏れにあったことから始まる、ちょっと切 ない話。<br />
上階に住む大学生の両親である夫婦が抱える秘密とは・・・。<br /></li>
</ul><h2><a name="kai">解説</a></h2>
<p>人間の怖さ、強さ、脆さを描いた短編集。<br />
どれも読みやすく、意外なラストが待っている作品もいくつかあった。<br />
全体を通して、ある出来事を経験することで、主人公が少し前向きになるようなテイストの作品が多か ったように思う。<br />
人間とは意外とちょっとした理由で絶望の淵から立ち上がることができるのだ。</p>
<br /><hr /><br /><p>By:A</p>
2009-02-05T11:21:51+09:00
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