※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。


「おめでとう!!」私は友達、上司、家族、親戚、たくさんの人たちから祝福を受けていた。
彼との結婚式だった。幸せの絶頂にいた。
父が亡くなった時、あんなに不幸だと思っていた自分がまるでうそのようだ。
白いウエディングドレスにつつまれた主役は私だった。
東京の大学に行っていた彼と2年間の遠距離恋愛の末、結ばれた。
新婚旅行は前代未聞。
母・彼の両親・友達の計7人での大旅行となった。
伊豆一周で彼と彼の父が運転する車2台でにぎやかな旅行だった。
しかも宿泊の部屋は男部屋・女部屋にわかれていた。
「一泊ぐらいふたりきりにしてあげましょう」と母が言ったが、これからずっと一緒なんだから楽しい方がいいと私が断わった。

私はこんな珍しい新婚旅行があってもいいととても気に入っていた。
母はとても楽しそうだった。
北海道で生まれて北海道で育った母と彼の両親は初めて見る富士山にとても感激していた。
「わあーーおおっきい!」と言いながらみんなで見た富士山は今でも忘れない。
21歳・・・母が私を産んだ歳と同じだった。
その日の夜、母がこっそり言った
「辛いことがあったら我慢しなくていいよ。いつでも戻っておいでね。」
とても気が楽になった。父に先立たれ心細い中、娘を遠く離れた東京に嫁がせる母の心境はどうだったのだろう。母のためにも幸せになろうと心から思った。