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風が吹けば洗濯桶のファルス編

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reki-kita

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読み書きの~ ツボッ

松岡「皆さん、こんにちは。深夜だけど、読み書きのツボの時間だよ。
   では今日は、短編や長編を書く時に役立つかも知れない、ちょっとした豆知識を紹介するよ。」
野沢「楽しみだなーっ。」
松岡「でも、あくまで『役立つかも知れない豆知識』だから、実際に役立つとは限らないけれどね。」
高山「むしろ役立ったら良いな~ぐらいの気持ちで読んで下さいね。」
戸田「いきなり弱気だな!!大丈夫なのかー!?」

その一・お話を作ろう

松岡「短編・長編を書くにはまず、物語の大筋を考えないといけないね。では始めに、起承転結を考えよう。
   特にこれと言って書きたいテーマが無い場合は、冒頭のイベントを考えてそこから話を展開させて行く、
   いわば『風が吹けば桶屋が儲かる』の方法で話を作ると良いよ。」
野沢「成る程なーっ。」
戸田「おっ、滑り出しはまともだなあ。」
高山「では、実際にやってみましょう。」

松岡「じゃあ、『下駄の鼻緒が切れた』というイベントから話を展開させてみようか。」
野沢「よしっ、考えたぞ!下駄の鼻緒が切れたので…(1)町の下駄屋へ新しい鼻緒を買いに行く事にした。」
松岡「では、その続きはどうなると思う?」
高山「うーん…あ、(2)行って見たら、下駄屋が閉まっていた。」
松岡「なら、どうして下駄屋は閉まっていたのかな?」
野沢「(3)見ると、『閉店しました』の張り紙がしてある。
   そう、下駄屋の主人のゴン助さんは、商売を畳んで田舎へと帰ってしまったのだ…」
松岡「ここで、二つ選択肢があるね。別の下駄屋へ行くか、ゴン助さんの後を追うか。どうしようか?」
野沢「じゃあ、(4)ゴン助さんの鼻緒じゃないと我慢出来ないと思って、田舎へと帰ったゴン助さんを追う。」
松岡「そこで、どうか店を続けてくれと頼まれたゴン助さんは、何て言うかな?」
高山「(5)ゴン助さんは『もう下駄なんて時代遅れ、下駄だけじゃ食っていけないんだよ…』と悲しそうに…」
松岡「うんうん。それで?」
高山「(6)…で皆の協力があって村興しは見事成功を収め、昔ながらの手芸品が再び注目を集め始めた。
   ゴン助さんの下駄屋は再オープンし、毎日長蛇の列…」
野沢「(7)ゴン助さんの下駄屋の隣でお店をやってる桶屋のタゴ作さんの商売も大繁盛!めでたしめでたし。
   ……出来たっ、起承転結!」
松岡「良い話じゃないか。ほら、物語の筋を考えるのなんて簡単だろう?」
戸田「やたら長いなー!超大作になるだろそんなの!無理矢理桶屋まで儲からせなくてもいいんだよ!!」

松岡「では、この話を起・承・転・結に分けてかいつまむと、どうなるかな?」
高山「まず、ゴン助さんのお店の閉店が『起』で…」
野沢「ゴン助さんがもうお店を続けるつもりはないと言うくだりが『承』かなあ。」
高山「で、村興しが『転』で、ハッピーエンドが『結』ですね。」
戸田「ちょっと待てっ、主役はゴン蔵さんなのか!?大体そんなオリジナルキャラをいきなり投入されたって、
   読者は感情移入出来ないだろ!!」
野沢「ゴン助さんだよ。」
戸田「どっちでもいいって!」
松岡「その通り、良い所に気付いたね。オリジナルキャラを出す場合は、そのキャラとのなり染めの様な
   回想シーンを入れると、読者もそのキャラを受け入れやすいかも知れないね。」
野沢「じゃあ、そうだなあ。昔、木から落ちたゴン助さんを、高兄が拾って介抱した事にしよう。」
戸田「鳥の雛みたいだなゴン助さんはー!」
野沢「うるさいなあっ。あっ、さては戸田兄、ゴン助さんの人気が出たらただでさえ少ない自分の出番を
   ゴン助さんに持っていかれるかもって心配しているんだな。」
戸田「そんな心配してないぞー!!あーっ、もう物語の作り方はいいから、次行こう、次!」

その二・情景を表現しよう

松岡「では次に、物語の背景となる情景の表現の仕方を見てみよう。これみたいに、
   台詞だけで展開する物語の場合はことさらに、如何に自然に情景を盛り込むかが大切だからね。」
高山「キャラ同士の掛け合いの中に、情景や状況を表現する一節を取り入れるわけですね。」
野沢「成る程なーっ。でもそれって、具体的にはどうやるんだい。」
松岡「うん、さっそくやってみようか。じゃあ、例えば…」

松岡「トニー、ヘイメーン、ヘイYO、トニー!」
戸田「ん…え?今の…僕の事呼んだのか!?」
松岡「はい、ここで一時停止。この戸田の表情を表現してみて。」
高山「うーん…ええと、『自動販売機で缶ジュースを買ったら、何故か今時プルタブ式の缶が出て来た』
   時みたいな表情ですか?」
松岡「うん、『動揺』と言う点ではそれでも良いけど、もっとよく顔を見てごらん。」
野沢「随分と厭そうな顔だな。」
松岡「じゃあ『動揺』に『嫌悪』を加えて表現してみようか。」
野沢「なら、『手元をよく見ずに剥いたバナナを頬張ったら変な味がする、吐き出してみたら茶色く傷んでた』
   時みたいな顔って言うのはどうかなあ。」
松岡「うん、良いね。では、実際に会話を書く時にどうやって取り入れるかやってみようか。では巻き戻して…」

松岡「トニー、ヘイメーン、ヘイYO、トニー!」
戸田「ん…え?今の…僕の事呼んだのか!?」
松岡「一体どうしたんだい?そんな手元をよく見ずに剥いたバナナを頬張ったら変な味がする、
   吐き出してみたら茶色く傷んでた、そんな顔をして。
   ……こんな風にやり取りして、会話に色付けするんだよ。」
野沢「成る程なーっ。」
戸田「あ、あれっ、今なんか僕だけ…イヤそれよりもその返しは長すぎるだろ!!」
松岡「ああ、確かに長すぎるのは良くないかも知れないね。何を伝えたいのかがあやふやになってしまうし…
   じゃあ、もっと簡潔に言い換えてみようか。」
戸田「よしっ、僕がやる!おーい、桃屋の!桃屋の美味しければいーじゃないか太郎!」
高山「わっ、また変なあだ名を作るのはよしてくれって…」
戸田「一体どうしたんだよ、そんな道端に落ちていたかりんとうを食べたら犬の糞だった、そんな顔して。」
松岡「一行にまとまって、大分簡潔になったね。」
野沢「成る程なーっ。」
高山「ちょっ…そんな読者にあたかも僕が常日頃から道に落ちてるもの拾い歩いてるみたいな印象を与える
   表現はやめろってばー!!」

その三・笑い所を考えよう

松岡「では次は、ギャグ物の要である笑い所の展開の仕方を見てみようか。
   まずはギャグの基本として、ボケとツッコミを練習してみるよ。じゃあ、お手本を見せるからね。
   あ、そう言えば今度妖怪銭湯に塀が出来るらしいよ。」
高山「えっ、塀ですか?」
松岡「うん、塀と言うか垣根みたいなものになるらしいけれどね。」
高山「でも、どうして垣根なんか?」
松岡「女湯の覗きが多発しているらしくて、その対策らしいよ。」
高山「へえー。」

戸田「……え!?何だよ今のは!?」
高山「いや、妖怪銭湯に塀が…」
戸田「ちょっと待ったーっ!おいっ、今のの一体どこが笑い所だーっ!!
   大体ツッコミのテンポ悪いぞ、『塀が出来るらしいよ』って言ったら間髪入れずに『へえー』だろ!
   間に垣根がどうのとか挟んだら何の話か分からなくなるだろっ、もー駄目駄目、やり直し!!」
松岡「…と、これが、ボケとツッコミだよ。」
野沢「成る程なーっ。」
戸田「……え!?僕がツッコミ!?じゃあ高山兄との会話は何だったんだ、全部前フリだったのか!?」
松岡「いや、さっきのは単なる世間話だったんだけど…」
戸田「何であのタイミングで世間話するんだよー!!紛らわしいにも程があるだろーっ!!」
松岡「…と、これが…」
野沢「成る程なーっ。」
戸田「どこまでが素なのか判らないからたちが悪いよな松岡兄はー!もー滑り出しだけはまともだったのに
   結局gdgdじゃないかー!!」
松岡「ちなみに、書き手は思いついたネタを『面白い』と思うから書くわけだけど、散々ネタをいじって
   書き終わって、投稿する前に読み直していると、『あれ、待てよ、これって実際面白いのか…?』
   って疑問に思うことがよくあるんだよね。そんな時に、一言でもワロタのレスがあると嬉しいよね。」


野沢「よーし、お話を書くコツが掴めてきたような気がするぞ!」
戸田「えっ、もう終わり?これだけなのか?」
松岡「うん、引き際も大切だからね。同じノリであまり長く続けても、読み手が疲れてしまうだろ。
   テンポよくサクッと読める、それがギャグ物では肝心なんだよ。書き手が書き飽きた訳じゃあないよ。」
野沢「ねえ、他にもっと豆知識はないのかい。」
松岡「他には、そうだね。過去の作品とリンクさせたり、他のアニメ作品のパロを小ネタとして挟んだりすると
   解る人には面白いんじゃないかな。」
高山「あと出来れば、何か教訓の様なものがあると良いですね。」
戸田「この話の教訓ってなんだ?」
高山「それは後でわかるよ。」

松岡「では、以上の点を踏まえて、早速やってみようか。」

松本「今日は良い天気だなあ、実に清々しい気分だよ。」
ほしの「そうですね、小川のせせらぎの音も爽やかで…あ、ウエンツさんだ。」
松本「えっ、どこ?」
ほしの「ほら、あそこですよ。」
松本「やあ本当だ。」
ウエンツ「助けてー!溺れるー!助けてー!」
ほしの「どうしたんですか、人命救助の資格試験で溺れた人役を演じている係員のような台詞を叫んで。」
ウエンツ「実際溺れてるんだよぉおお!見て判らないのー!?ひィー流される!沈む!沈没ウエンツ!」

松本「一体何があったんだい。」
ウエンツ「急に強い向かい風が吹いてヅラを攫っていったの!追っかけてたら足を踏み外して落ちたの!!」
ほしの「そんな激しい流れじゃないし、向こうの岸の足場まで泳げばいいじゃないですか。」
ウエンツ「ちゃんちゃんこが水吸ってて身動き取れないんだよ!今必死でバタ足して辛うじて浮かんでるの!
   水面下ではすごい勢いで両足動いてるんだから!!見えないところですごい努力してるんだから!!」
ほしの「着衣水泳は危険だという教訓ですね。」
松本「ドラマや映画でよくあるけれど、一見カッコいいからって皆真似したら駄目だよ。」
ウエンツ「誰に話しかけてるのー!?いいから早く助けて君達もーどざえもん5秒前だからマジで!」
ほしの「助けてあげたいのは山々なんですけど、僕泳げないんで…」
松本「え、ほしの君って水泳出来ないの?」
ほしの「水泳って言うか、水に入ると僕ダメなんですよ。ふやけてしまうって言うか…」
松本「ああ、紙媒体だけにかい。意外な弱点だね。」
ほしの「あっ、ウエンツさんが心なしか沈んでいますよ。しっかりウエンツさん!」
松本「まるで荷馬車の荷台に載せられた仔牛の様に人生を諦観した瞳をしているぞ。」

ウエンツ「ああ、思えば穴に落ちたり崖から落ちたりしょうも無い事ばかり、振り返りたくない我が身人生…
   こっぱ塚の列だけ続く道でぬあああ!こらー誰なの石とか投げてるのは!?なにすんのやめて松本君!」
松本「いや、ウエンツ君に投げてる訳じゃなくて、実は君の背後の排水溝から…」
ウエンツ「もー何なの君達酷いよ酷すぎるよ!溺れる知り合いを助けようとしないばかりか
   石まで投げるだなんて一体何なの!?ちくしょー覚えてろ!いつか絶対目にもの見せてやるー!」
ほしの「逆ギレしてる場合じゃないですよウエンツさん、後ろに…」
ウエンツ「後ろ後ろってうるさいなー!後ろがなんだってのああああ!ワニが!ワニがおる!!」
松本「こらーっ、ウエンツ君から離れろ!ほしの君もほら、もっと石投げて。」
ほしの「あっ、はい。よしっ、えーい!」
ウエンツ「ギャアアア!」
松本「ノーコンだなあ、ほしの君は~。」
ほしの「難しいですね~。」
ウエンツ「ちょっと待ってどうしてワニが居るの!?都市伝説か!ここはNYか!助けてタート○ズ!ひィー!」
ほしの「ペットは最後まで責任を持って育てましょうという教訓ですね。」
松本「人間の勝手な都合でトイレに流されるなんて、可哀相過ぎるからね。」
ウエンツ「本日二つ目の教訓はいいから何とかして、ワニを何とかして!もー駄目!もー喰われる!」
松本「しっかりするんだウエンツ君、今助けを呼んで来るから。」
ほしの「あ、丁度誰かやって来ますよ。あのーすみません、実は川で人が溺れてて、ワニが…」
親父「なんだって!?よおーしッ、オレに任せろィ!えーい、そりゃあー!」 バシャーン

妖怪テレビ『…の午後、タゴ作さん(56・自営業)が勇敢にも川へ飛び込み、野生のワニと素手で格闘し
   見事退治、溺れていた青年を助けると言う快挙を成し遂げました。
   えータゴ作さん、ワニを素手で倒されたとの事ですが、その強さの秘訣は一体…』
タゴ作『桶を作り続けて30年…』

松岡「…と言うお話を作ってみたけど、どうだったかな?」
戸田「ここでタゴ作さんが出るのかよ!ランボーみたいだなタゴ作さんはー!!」
高山「これがいわゆる伏線回収ってやつですね。」
野沢「成る程なーっ。」
戸田「違うだろー!!」
松岡「…という訳で今日の読み書きのツボは物書きのツボでした。では、次回をお楽しみに~。」
野沢「うーん、タゴ作さんはカッコいいなあ。」
高山「戸田はワニを素手で倒せると思うかい?」
戸田「た、倒せるさあ!」
高山「え~、本当に?」
戸田「あ、当たり前だろっ、タゴ作に出来ることぐらい僕にだって出来るって!」
野沢「戸田兄ったらゴン助さんにだけじゃなくてタゴ作さんにまで対抗意識を燃やしていたのかい。」
戸田「僕にだってワニぐらい倒せるってば!どうしてもって言うなら証明してやるから、
   ワニを連れて来いって!」
松岡「実は、そう言うと思ってワニを用意しておいたよ。
   では、戸田対ワニの一騎打ちで、この話を締めくくろうか。」
戸田「え…えーーー!?冗談だろー!?わーっ本当にワニが!表にいる!!」
高山「口は災いの元、それがこの話の教訓だね。」
野沢「僕はワニを応援しようっと。」
高山「じゃあ僕もワニを。頑張れーワニー。」
野沢「ワニー!」
戸田「えええええ!!ホントにやるのか!?一騎打ちを!?」
松岡「こら、みんな静かにして。エンディングテーマかけるから…」

読み書きの~ ツボッ



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