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戸田「おーい、ほしのっ、こっちこっち。」
ほしの「あー、お早うござ…」
戸田「しーっ!お前の挨拶は元気良すぎるんだよ、まだみんな寝てるから、静かに。」
ほしの「あの、こんな早朝からそんな夜逃げみたいな格好して、何処に行くんですか?」
戸田「ウン、僕は暫く失踪する事にしたんだ。」
ほしの「ええ、失踪?どうして?」
戸田「どうも最近、僕の活躍の場が少ない気がするんだ。だからちょっとの間僕が居なくなれば、
   失ってから初めて気付く僕の有難味って物をみんな噛み締めてくれるんじゃないかと思って。」
ほしの「へえ…それってどんな有難味ですか?」
戸田「…えっ?ええと…矢ッ張りあれかなあ、突っ込み要員としての有難味とかかなあ?」
ほしの「でも、急に居なくなったらみんな心配しませんか。」
戸田「それは大丈夫だ、昨日の夜に明日からちょっと居なくなるってみんなには言っといたから。」
ほしの「言ったんですか!それはもう失踪とは呼べないんじゃ…」

戸田「だから今日一日、僕抜きの兄弟の様子を、僕と一緒に見守って欲しいんだ。」
ほしの「そういうのはウエンツさんの方が…あ、そういえばウエンツさん何処かへ行ったんですか?」
戸田「ウン、旅に出た。」
ほしの「旅ですか?自分探しのとかですか?」
戸田「いや、ちゃんちゃんこのモサモサを治す衣料用柔軟仕上げ剤を探す旅だってさ。」
ほしの「え、そうなんですか!なんか僕が聞いてたのと大分違うなあ。」
戸田「それで、『留守の間おやじさんをよろしく』って置手紙と一緒に、ちゃぶ台の上に
   ハリボテおやじさんが残されてたんだけど、松岡兄がウッカリ他のゴミと一緒に捨てちゃって
   今行方が知れないんだよ、ウエンツのおやじさん。」
ほしの「うわっ…信頼できない人達だな…」
戸田「そういう訳だから、ヨロシク頼むぞ、ほしの。」
ほしの「え、何ですかそのザルと棒?」
戸田「ああ、今夜はこの辺で野宿するから。」
ほしの「え…僕もですか…?」

戸田「さて、そろそろみんな起きた頃合だな。
   僕が居ない最初の朝だけど、みんなどうしてるか早速覗いてみよう。」


ほしの(皆さん、朝ご飯の仕度してますね)
戸田(今日の食事当番は確か松岡兄だったな…)

松岡「さあ、雑煮が出来たよ。野沢、みんなのお茶碗出して。」
野沢「はいっ。」
松岡「ああ、三つで良いんだよ、今日は戸田がいないからね。」
野沢「あっ、そうだった。」

戸田(おっ…人数分より多い茶碗、寂しいシチュエーションだなあこれ。いいぞー、寂しがれっ!)

高山「あ、じゃあ父さん、今日は戸田の茶碗でお風呂にします?これ比較的新品だから、
   意外と入り心地良いかもしれませんよ。」

戸田(うおおい何言ってるんだあの桃山桃太郎は!!僕の茶碗を父さんの風呂に使うなー!!)

目玉「おお、それは良いアイディアじゃ。いつもの茶碗より一回り広いし、快適そうじゃ!」
高山「良かったですね~父さん。」
松岡「じゃあ高山、よそうから茶碗を貸して。」
高山「あ、はい…あれ?なんですかこの匂い?」
松岡「うん、なんか不思議な香りの雑煮だよね。」
高山「え、ちょっとこれ…何だろ…あ、米糀の匂いじゃないですか?ああそうだ!絶対そうですよ!
   ひょっとして兄さん、味噌の代わりに米糀を入れたでしょう、この雑煮。」
松岡「ああ、あれ味噌じゃなかったのか…。通りで色がおかしいと思った。」

ほしの(なんか想像の斜め上を行くタイプの料理音痴ですね松岡さん…)
戸田(いや、松岡兄普段は料理上手いんだけど…独創的な料理は僕の持ち味なのに…)
ほしの(え、あれを独創的って言うんですか?ただの失敗じゃ…)

野沢「でも、なんか見た目はあれだけど美味しそうな匂いだなあ。」
高山「甘酒を作ろうと思って買ってあったんだよ、米糀。」
野沢「えっ、じゃあこれに砂糖入れて甘くしたら甘酒に!?」
高山「いやならないよ、雑煮の具とかもう入ってるのに。」
松岡「でも味噌は入ってないから、いけるかもよ。」
高山「いえ、そういう問題じゃ…菜っ葉や茸が入ってる甘酒とか美味しくないでしょう。」
松岡「因みに茸は先日高山に生えた茸だよ。」
高山「さ、さり気無くそんな物を!?食べたら駄目ですって、あんな得体の知れない茸!」
野沢「砂糖はこんなもんでいいかなあ。」
高山「だから今更入れてももう甘酒にはって多いよ多すぎ!家中の砂糖が無くなる、野沢!」
松岡「砂糖はそんなに入れなくても、自然の甘みが出るから大丈夫だよ。
   アセチがデンプンを糖に変えるんだよ。」
野沢「よーし、かもせー。」
高山「菌が間違ってます!酒が酢になっちゃいますよ!ていうかアニメも違いますよ!!」

ほしの(高山さん右へ左へ突っ込みまくりですね、ノリノリですよ)
戸田(こらー僕の役目を取るなーっ!お前はもう黙ってごはんですよでも食べてろよー!)

野沢「あーあ、なんだか単なる混沌とした雑煮になっちゃった、甘酒にならなかった…。」
松岡「なんかもう折角だから、ごはんですよでも入れてみようか。」
高山「あ、良いですね。流石兄さん。早速入れてみましょう。」

戸田(なにーっ!そこは突っ込まないのか!?どれだけごはんですよ好きなんだ!!)
ほしの(なんだか罰当たりな雑煮だなあ…)


松岡「そういえば、この前栗拾いに行った時に野沢が掘ったサツマイモがまだ沢山あったよね。
   落葉掻きがてら枯葉を集めて、焼き芋をしようか。」
高山「ああ、良いですね。焚き火は温まりますし。」
野沢「じゃあ、落葉掻き競争しよう!」
高山「ええー?」
野沢「よーいどんで、一時間以内に一番大きな枯葉の山を作った者の勝ちだよ!」

戸田(松岡兄はテンション低いし高山兄はデフォでやる気無いし、あの二人に勝負事しようって
   頼んだ所でしてくれないぞ。どうだ野沢、競争する相手が居なくて寂しいだろ!認めろー!)

松岡「そうだね、じゃあみんなで落葉掻き競争しようか。沢山集めないと良く燃えないしね。」
高山「兄さんがそう言うのなら良いですよ。」
野沢「よーし、負けないぞー!僕熊手取ってくる!」

戸田(あ、あれ?何だこのまさかの展開…)
ほしの(なんだか微笑ましい光景ですね。)

一時間後

野沢「どうだーっ、僕の山が一番大きいぞっ!」
松岡「あはは、すごいな野沢の山は。スケールが違うね。」
高山「ホントだ、家の屋根に届きそうな勢いだねえ。じゃあ早速、焚き火にしましょうか。」

ほしの(ちゃんと弟さんに勝ちを譲ってる辺り大人ですね、お兄さんたち。)
戸田(こらーっ何故手加減する!!勝負事は非情の世界、情け無用なんだぞ…!)

高山「野沢、バケツに水を汲んでおくんだよ。この季節、ちゃんと火の用心しないと…
   ってあああ!言ってるそばから兄さんのアホ毛に引火してる!!兄さん燃えてますよ!!」
野沢「あ、ホントだ。はははは!」
松岡「えー、本当かい、一体何時の間に。危ないなあ、火の用心は大事だね。」
高山「今それを噛み締めないで下さっ、ちょ、早く消火!野沢、水、バケツ!!」
野沢「えー、まだ早いよ。きっと生焼けだよ。」
高山「いや芋じゃなくて兄さん!アホ毛!父さんまで燃えちゃう!!」
松岡「あ、しまった、家に燃え移っちゃった。」
高山「わあああ!兄さんジッとしてて!飛び火する!全焼するー!!」

戸田(…くそー、みんな楽しそうでいいなー…)
ほしの(ええ、この場面で!?修羅場じゃないですか、家族の危機ですよ)
戸田(もう帰りたくなってきたよ、焼き芋食べたいしさ…)
ほしの(そんな…早過ぎでしょう、まだ数時間しか経ってないのに…)
戸田(そうだほしの、お前ちょっと行ってお裾分けしてもらって来いよ)
ほしの(えー、僕がですか?)

高山「ああ、正に家を無くして路頭に迷う5秒前、危ないところだった…」
野沢「あれ、ほしのじゃないか!どうしたんだい、そんな草むらから登場するなんて。」
ほしの「どうも、こんにちは。近くを通りかかったから挨拶に来たんです。」
松岡「ちょうど良い所に来たね、焼き芋食べて行くと良いよ。」
ほしの「あ、いただけるんですか?ありがとうございます。じゃあ、僕はこれで…」
松岡「まあそう急がずに、焚き火に当たって行ったらどうだい、暖かいから。」
ほしの「そうですか?じゃあ失礼して当たらせてもらいますね。」

野沢「ほしの、ちゃんちゃんこ旋風やって見せてよ!」
ほしの「いいですよー、えいっ!霊毛ちゃんちゃんこ旋風!」
野沢「何時見てもカッコいいなーっ。」
高山「あっ、そっちも焼けてますよ、兄さん。」
松岡「ああホントだ。ほしの、棒取ってくれるかな。」
ほしの「はい、どうぞ。」

戸田(こらーほしの!戻って来い!!)