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「SINGULAR BLADES 戦術データベース」(2020/05/06 (水) 20:39:40) の最新版変更点
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*戦術・戦略関連
**【ロジカルコンバット】
戦場において通信円滑化のために展開されるパーセプション・プロジェクターのLANを
戦術エリアネットワーク(TAN)といい、それが形成する仮想空間のことを仮想戦域という。
基底現実での物理戦闘に対し情報支援を行う場であり、また敵との熾烈な電脳戦が展開される
もうひとつの戦場でもある。ここでの電脳戦を、軍事用語でロジカルコンバットと呼ぶ。
(対義語は物理戦/フィジカルコンバット)
TANは艦船や拠点施設を中心として展開され、シングラルや攻撃衛星、通信衛星が接続する。
また“全知の塵”と呼ばれるナノスケール・センサー群も全体が通信媒体として機能し、
情報アップロードや通信波の中継・増幅によりTAN及び仮想戦域の形成を補助する。
戦場全体を覆うのはレイヤ1(拡張現実)のフィールドで、オペレータがシングラルに情報支援を行なったり
電子戦闘要員が敵の投影体やプログラムと交戦したりするのはここ。見かけの構造は基底現実の
戦場をベースに、各種の情報グラフィックが投影される。L1はシングラルのQFIを通しても
(戦域ネット接続中なら)知覚できるため、たとえ現実にはデブリひとつない宇宙空間であっても
アクターの目には様々な虚実のオブジェクトが入り乱れることになる。
識別プログラムが働くため、機械的に増幅された「直感」で物理オブジェクトと仮想オブジェクトの
判別は可能だが、敵に仮想戦域を制圧されているときなどはその判別すら信用できなくなるため、
ネット接続を切ってスタンドアローンのセンサー類と予備の通信システムのみを頼りに動くこととなる。
オフラインでは味方と連携しての作戦行動がきわめて困難になり、不利な状況を単機で戦わねばならない。
艦船や拠点施設といった「本丸」の電脳空間は、レイヤ2(仮想現実)の領域を経由しなければ
出入りできないようになっている。L1仮想戦域は根本にある技術がどの勢力も共通なので、互いに
時間をかければ相手の通信を解析し、干渉できてしまう。このため受け身に徹しても意味がない。
(能動的に敵の演算リソースを削りに行かなければ、一方的に情報通信を無力化されてしまう。
電脳戦は基本的に攻撃側が有利。先に敵の通信プロトコルを解析した方が先制攻撃をかけられる)
対してL2は自軍に都合のいい形式で仮想空間の構成を設定できるため、敵の電脳攻撃を圧倒的優位の
もとで迎え撃つことができる。このL2高セキュリティ仮想ディフェンスエリアを“論理結界”という。
#region(ロジカルウェポンについて)
電脳戦は投影体同士でただ殴り合ったり撃ち合ったりするのではなく、ロジカルウェポンと
呼ばれる戦闘用のプログラムを使って攻撃や防御を行う必要がある。ロジカルウェポンの形状は
その情報構造に対応して視覚化され、剣や盾、銃砲類、ミサイル、あるいはもっと抽象的な記号や
幾何学図形、光の塊、波動など様々な形で見える。自律性を持ったコンピュータウイルスや
オートマトン・プログラムの類は、生物やロボットのようなオブジェクトとして可視化される。
対人用のロジカルウェポンは攻撃を受けた者の物理肉体にも何らかの形でダメージを及ぼす。
筋肉の誤作動を誘発されたり、気絶させられたり、一撃で脳神経網を破壊されることさえある。
L1の戦域支配率が一定以上になると(=演算リソースに充分な余裕ができると)
対論理結界用戦術級ロジカルウェポン“衝界(ナイトメア)”が使用可能になる。これは
単一の攻撃プログラムではなく、自軍の論理結界とは別のL2空間を形成する電子決戦兵器の総称。
L2に電脳戦要員の投影体を乗り込ませ、敵の論理結界にぶつける。もちろん実際には通信回線への
解析、割り込み、乗っ取り、メモリ改竄といった手順が演算機関の間で行われているだけだが、
仮想空間ではこの相克が可視化され、L2の小宇宙同士が激突する光景が見られる。
総演算能力で圧倒できている状況ならば、敵の論理結界を“衝界”のL2空間で侵蝕・上書きし、
仮想空間内部の構造・物理法則までも掌握できる。論理結界を制圧すれば電脳戦は勝ったも同然で、
後は丸腰の敵中枢が残るのみ。回線越しに破壊するも拿捕するも自由となる。
#endregion
レイヤ1とレイヤ2が交錯する仮想空間戦を制した側は、戦域の支配率に応じて敵の誘導兵器・
自律兵器を弱体化させたり、通信を妨害・改竄したりすることができる。こうして電脳戦の帰趨が
基底現実の物理戦闘をも左右するわけだが、この影響は一方通行のものではない。
戦域ネットは当然ながらシングラルや通信衛星、そして何より中核となる艦船などの演算主体が
物理的に存在し、正常に機能していなければ不安定になる。ゆえにシングラルや衛星が落とされれば
自軍の総演算リソースは低下し、それだけ電子戦力が削られる。また母艦が落ちれば戦域ネット自体が
一気に崩壊し、その支援を受けていたシングラルの戦闘力は激減する。しかし母艦は強固なL2の
論理結界で守られているため、ロジカルウェポンのみで機能停止に追い込まれることは少ない。
(“衝界”が使われるような局面は実際には少なく、その前に劣勢な側が轟沈するか撤退する)
よって、最強のフィジカルウェポンたるシングラルは、可能であれば優先的に敵母艦を狙うべきである。
敵艦付近は敵機と敵仮想本陣の通信時間が短くなるため、それだけ敵機も強力な情報支援を受けられ、
接近は容易ではない。ミサイルやMAUSの類も無効化されやすく、主に高出力フォトンドライバー等の
長距離砲撃が対艦攻撃の要となる。長距離の直線攻撃は回避されやすいが、敵艦隊に散開を強いるだけでも
相対速度差による通信ラグで敵軍の仮想戦域強度を低下させられるため、無駄ではない。実際に当てて
ダメージを与えたり撃沈できたりすれば言わずもがな。こうして物理戦もまた電脳戦に影響する。
実戦では物理と電脳の両戦域が相互に連携・支援し、状況を有利に運ぶことが重要となる。
こうした二面的な戦闘が発展してきたことも、直感で動かせるシングラルの台頭を促した一因である。
(QFIは思考リソースへの負担が少ない優れた操縦システムで、電脳戦の邪魔にならない)
留意すべき点は距離と相対速度ベクトル。通信波は光速を超えないため、双方向性のリアルタイム通信が
成立する距離はあまり長くない。数光秒も離れれば通信相手と時間感覚を共有するのは難しい。
また相対速度の差によっても時間の流れ方が微変動し、これが通信ラグとして距離に加算される。
星系ネットに接続可能な場所(惑星上など)なら、当地の演算リソースも奪い合うことになる。
味方勢力の支配星系であれば当然支援も受けやすくなり、戦う前から情報通信の優位を確保できる。
連邦主星系が難攻不落と言われる所以は、無数の攻撃衛星に加えて超高密度の仮想空間ネットワークが
星系全域を覆い尽くしているためである。ここでは民間のサーバーまでもが電子迎撃兵器に変わる。
一方で、スターバースト衝撃波面や強磁性天体の至近といった電磁擾乱領域では、通信回線網が
有意な密度で展開できない。したがって、総合戦力に占めるフィジカルウェポンの割合が激増する。
***[ロジカルコンバットにおける古典的ECMの役割]
地上と宇宙とを問わず、いまや戦場の半分は仮想空間に展開されている。すなわち、
技術の体系的発展が止まった現代では代替の効かない、識覚ネットの共有仮想エリアを
敵と味方のどちらが占領するか。換言すれば、自由に通信し味方と連携しながら戦う権利の奪い合いである。
この仮想戦域の状況は、通信ノードたる物理戦闘ユニットたち(艦船、人型全領域戦闘機など)が
基底現実にて繰り広げるフィジカルコンバットと、常時相互に影響し合っている。
味方が物理戦域で優勢になれば、仮想戦域でも敵の演算資源を圧迫することになり、
情報連携の優位がまた物理戦域の味方に追い風として働く。こうして物理/仮想の二重戦域は
目まぐるしく流動的に戦況を推移させてゆくこととなるのである。
仮想戦域で戦線が崩壊し、戦術仮想空間を敵に制圧された場合、劣勢に立たされた側の定石は
「各ノードをスタンドアローンに移行し、物理戦域での対応に限定する」ことである。
つまり味方とほとんど通信できず、全ユニットが情報支援から孤立した状態で戦う羽目になるが、
それでも敵陣と化した仮想空間に接続したままでロジカルウェポンによる攻撃を受け続けるよりは
まだしも希望がある、という程度の悪あがきに過ぎない。この状態から逆転するのは至難である。
が、通信をシャットアウトすればいいのなら、もっと古典的で簡単な方法があるのではないか――
そういう疑問も、尤もである。要するに、広域電波妨害のようなもので敵軍の通信帯域もろとも
全バンドを潰してしまえば、たとえ自軍の通信が回復せずとも、状況は五分まで持ち直すのではないか。
この方法はかつて実際に試され、一定の効果を挙げ――ほどなく克服された。
なぜ、こうした古典的ECMが電子的敗軍の切り札たり得なかったのか。それは、進歩しすぎた技術が
すでに「ターゲットの周波数帯をノイズで埋め尽くす」というアプローチでは対抗し得ないほどの
強靭な通信維持能力を秘めていたことによる。
現在、ロジカルコンバットを行うような技術レベルで使用されるコンピュータ・アーキテクチャは、
ノイマン-量子ハイブリッド光演算機関である、編光晶体(ルミナリスタ)コンピュータ一択と言っていい。
この計算機は単純な計算速度よりも、結晶周期構造の動的な制御により、演算素子がそのまま
通信ユニットへと瞬時に切り換わるような機能的多態性が最大の特徴である。
無線通信ユニットとしての性能も、その特性を最大限に活かした電磁波変調システムを標準実装し、
物理構造が耐え得る限りは、理論上可能なあらゆる波長・周波数帯の信号を送受信できる。
戦場での通信網を構成するにあたり、上記の性能が何を意味するか。
古典的ECMがノイズシグナルを爆発させ、通常の電波帯域を丸ごとジャミングしたとする。
ところが然るべき制御プログラムさえ実装されていれば、編光晶体による多帯域可変通信システムは
自動的に通信可能なバンドを見つけ出し、データのやり取りを再開する。たとえば赤外線。あるいは可視光。
やろうと思えばX線やγ線でも回線を維持できる。この圧倒的な冗長性を前に、もはや古典的ECMは
完全な広域通信遮断など実現することができない。利用可能な全帯域をノイズで覆い尽くせれば別だが、
それは可視光を含むあらゆる電波的・光学的観測手段を自ら潰すことでもある。当然、戦闘どころではなくなる。
ごく一瞬、リンクを再構築するまでの短い時間だけなら、仮想戦域に空白地帯を生み出すこともできる。
事実、現在はそうした「一時しのぎのノイズ・ボム」として使われてもいる。しかしかつて期待されたように、
仮想戦域で敗北してもECMさえ起動すれば五分に持ち込める、などという夢の装備では決してないのである。
***【スターバック・ポジション】
フォトンドライバー、ポジトロンドライバー、RAキャノンなど強力な射撃兵器の現行モデルは
製造元が「データベースに登録された有人惑星への射撃を禁じる」セーフティを掛けている。
(正確には自動的に出力を絞るのだが、効かない弾を撃ってしまうのは隙を生じて
危険だからと、有人惑星に対しては初めから「撃てない」設定にするアクターが多い)、
元々は誤射防止のためのものだが、これにより惑星近辺の宇宙空間で戦う場合は
データベースと射線に注意を払わなければ撃つべきときに撃てないこともあり得る。
スターバック・ポジションとは、このセーフティをあえて利用して「有人惑星を背にする」
ことで敵の射撃を封じ、一方的に攻撃できる位置関係を得る戦術機動である。
どう言い繕っても「民間人を盾にする」行為には変わりないため、大々的に行われることはまずない。
あくまで個人単位が、乱戦の渦中などに局所的優位を得るためのポジションとして活用する。
初期ロットのフォトンドライバーなどはセーフティロックが存在しないモデルもあるが、
このタイプは現在条約により使用が禁止されている。闇では高値で取引される物品のひとつ。
CJPOの場合、現行モデルでも将官以上の権限を持つ者が許可すれば一次的にセーフティを
解除することができる。国家の戦略判断が市民の安全に優先するという連邦の方針が
露骨に表れているシステムであり、民衆の恐怖と反発を招くため、この事実は公開されていない。
革命義勇軍“ザナドゥ”や反連邦ネットワーク“解放星団”の大半は、いかなる場合もセーフティを
解除しないか、あるいは軍事目標に対してのみ解除するという方法で市民感情に配慮している
――が、現場レベルで徹底できているかどうかは、また別の話である。
***【愚者の決闘】
敵の正面から突っ込みながら撃ち合うことで、防御力と引き換えに打撃力を高める戦法。
実弾でもIDeAを突破し得る相対速度が得られるが、主に艦船が用いる最後の手段であり、特攻に近い。
***【星遁】
恒星の内部に隠れて敵をやり過ごしたり、奇襲攻撃を行ったりする戦術。
排熱が追いつく限りにおいては有効で、革命義勇軍“ザナドゥ”がしばしば使用する。
**【タグ付き】
空間戦闘の最小単位は基本的にシングラル(人型全領域戦闘機)である。戦闘の中で
めざましい活躍をする機体は、「札付き」や「色タグ」などと呼ばれることが多い。
由来は、TAネットで情報支援の一環として行われる敵個体ごとの脅威度判定。
味方を3機落とした奴は黄、10機落としたら赤、といった具合に色分けされた仮想タグが付く。
これにより「黄タグの奴に火力を集中しろ」「赤タグが来たら後退しろ」などの指示が出せる。
ほか、専用機持ちで軍のデータベースに乗っているような「特定のエース」は紫タグ、
現場指揮官が「現状の戦力では撃破困難」と判断した敵に対しては黒タグが付く。
黒タグに関してはあくまで人間の判断で付加されるもので、絶対に撃破不可能というわけでは
ないのだが、戦場では黒を見ただけで恐怖に駆られ遁走してしまうアクター(操手)も多い。
士気を下げるとして、連邦では可能な限り黒タグの認定は避けるよう布告されている。
しかし機体性能や武器の相性によっても撃破困難な相手というものは現実に存在しうるわけで、
必要な時には躊躇いなく黒タグの付与を決定できることも有能な指揮官の条件と言える。
***【戦力レベル】
革命義勇軍“ザナドゥ”はタグを廃止している。代わりに自軍の全ユニットに
詳細な戦力評価のパラメータを設定しており、それとリアルタイム算出する敵の推定戦力値を
比較することで、最終的な相対戦力を見積もる。
処理が複雑なので演算資源やオペレータへの負担は増えるが、その分正確な評価が可能。
また、高い脅威度判定の付与による士気の低下もタグ方式より低い。
**【機兵種】
シングラル(人型全領域戦闘機)は、ロールモデルにより四種類に大別される。
・対レーザー装甲で固めた前衛型
・近~中距離にバランスよく対応する汎用型
・中~遠距離での砲撃戦に特化した火力型
・戦術仮想空間での電脳戦を専門とする論理型
このうち、論理型は複座式が基本となる。複座と言っても操手槽は分かれており、
機体制御担当のアクターと、ロジカルコンバット担当のTIO(戦術情報管制官)が分業する形である。
***【機兵種間の相性】
一般的に、各機兵種間の相性は以下の通り。
・汎用型はどのレンジでもそこそこの働きをするので、相性の優劣は特になし。強いて言えば他兵種の得意分野では劣り、それ以外では優勢となる。
・前衛型は火力型に対し装甲と速さで押し切れるが、装甲の電磁処理能力を対レーザー防御に傾けている分、論理型の電子攻撃に弱い。
・火力型は論理型に対しアウトレンジから一方的に撃ち勝てるが、スピードと耐久力を兼ね備える前衛型には、焼き切る前に懐に入られる。
・論理型は前衛型の脆弱な電子防御を容易く突破し、電脳を好き放題いじれるが、火力型のレンジでは、距離と相対速度が生む通信ラグにより攻撃力が発揮できない。
**【流舞<ドリフト>】
シングラル(人型全領域戦闘機)の戦闘機動術。初心者が訓練で会得する最も基本的な移動法、
「壁や地面を蹴って進む」イメージのリパルサー・キックより、数段高度なイメージ操作能力を要する。
概要としては「手足を動かさず、反動のイメージに頼らず機体を動かす」というだけの技術であるが、
これを会得できる人間はアクターの七割、自在に使いこなせるレベルを求めると四割にまで落ち込む。
この技が万人に使えない原因は、まさに「機体を己の肉体として操る」QFIの特性そのものにある。
物理と仮想の両面において同時展開する高速戦闘は、ボタンや操縦桿による古典的操縦システムではなく
脳とマシンを直結する神経制御インターフェースを台頭せしめた。だが、自分の肉体の延長として
機体の駆動を司る人工重力場までも支配するには、いわば「念力を扱う」がごとき非日常的イメージを
具体的現実として把握し操作する才能が必要であった。自分の身体が勝手に動くという状況を想像し、
ましてやそのベクトルを意のままに制御する能力など、多くの人間が持ちうるものではなかったのだ。
それでも、使い手が増えれば技として体系化もされる。訓練技法が確立されもする。
流舞の初歩の使い手は、「風」あるいは「水」を想起することが多いという。戦場に吹く重力の風、
あるいは流れ来る重力の川。それら架空の流体に押し流されることで、自機を任意の方向に加速させる。
重力制御IFと結びついたイメージを、どれだけ早く強く正確に構築できるか。その技倆によって、
技としての流舞の切れは明白な差異を生ずる。
またある流派は、移動せんと望む方角を「下」と定め、架空の重力源に向かって落下してゆくイメージで
実際の人工重力による加速を制御するという。彼らは敵に向かい、足先または頭頂から突っ込むことで、
前面投影面積を最小化しつつ接近するという機動術に長けた。
このように、いまやイメージコントロールの方法論から諸流派を生むまでに拡散した流舞だが、
これを究めた先には“無想流舞<プレーンドリフト>”あるいは“凪”と呼ばれる究極の重力機動術がある。
ヤマト連結体のとある拳法家が編み出したと言われるそれは、水や風、上下といった二次的イメージの
助けを借りることなく、「動こうと意思するのではなく、ただ動く」境地に至るものである。
この域に達した者は一切の余分な思考を挟まず、まさに肉体の延長として、無形の力場を直に操れるという。
*戦術・戦略関連
※設定は随時作成・更新中のため、項目ごとに矛盾があったりします。
**【ロジカルコンバット】
戦場において通信円滑化のために展開されるパーセプション・プロジェクターのLANを
戦術エリアネットワーク(TAN)といい、それが形成する仮想空間のことを仮想戦域という。
基底現実での物理戦闘に対し情報支援を行う場であり、また敵との熾烈な電脳戦が展開される
もうひとつの戦場でもある。ここでの電脳戦を、軍事用語でロジカルコンバットと呼ぶ。
(対義語は物理戦/フィジカルコンバット)
TANは艦船や拠点施設を中心として展開され、シングラルや攻撃衛星、通信衛星が接続する。
また“全知の塵”と呼ばれるナノスケール・センサー群も全体が通信媒体として機能し、
情報アップロードや通信波の中継・増幅によりTAN及び仮想戦域の形成を補助する。
戦場全体を覆うのはレイヤ1(拡張現実)のフィールドで、オペレータがシングラルに情報支援を行なったり
電子戦闘要員が敵の投影体やプログラムと交戦したりするのはここ。見かけの構造は基底現実の
戦場をベースに、各種の情報グラフィックが投影される。L1はシングラルのQFIを通しても
(戦域ネット接続中なら)知覚できるため、たとえ現実にはデブリひとつない宇宙空間であっても
アクターの目には様々な虚実のオブジェクトが入り乱れることになる。
識別プログラムが働くため、機械的に増幅された「直感」で物理オブジェクトと仮想オブジェクトの
判別は可能だが、敵に仮想戦域を制圧されているときなどはその判別すら信用できなくなるため、
ネット接続を切ってスタンドアローンのセンサー類と予備の通信システムのみを頼りに動くこととなる。
オフラインでは味方と連携しての作戦行動がきわめて困難になり、不利な状況を単機で戦わねばならない。
艦船や拠点施設といった「本丸」の電脳空間は、レイヤ2(仮想現実)の領域を経由しなければ
出入りできないようになっている。L1仮想戦域は根本にある技術がどの勢力も共通なので、互いに
時間をかければ相手の通信を解析し、干渉できてしまう。このため受け身に徹しても意味がない。
(能動的に敵の演算リソースを削りに行かなければ、一方的に情報通信を無力化されてしまう。
電脳戦は基本的に攻撃側が有利。先に敵の通信プロトコルを解析した方が先制攻撃をかけられる)
対してL2は自軍に都合のいい形式で仮想空間の構成を設定できるため、敵の電脳攻撃を圧倒的優位の
もとで迎え撃つことができる。このL2高セキュリティ仮想ディフェンスエリアを“論理結界”という。
#region(ロジカルウェポンについて)
電脳戦は投影体同士でただ殴り合ったり撃ち合ったりするのではなく、ロジカルウェポンと
呼ばれる戦闘用のプログラムを使って攻撃や防御を行う必要がある。ロジカルウェポンの形状は
その情報構造に対応して視覚化され、剣や盾、銃砲類、ミサイル、あるいはもっと抽象的な記号や
幾何学図形、光の塊、波動など様々な形で見える。自律性を持ったコンピュータウイルスや
オートマトン・プログラムの類は、生物やロボットのようなオブジェクトとして可視化される。
対人用のロジカルウェポンは攻撃を受けた者の物理肉体にも何らかの形でダメージを及ぼす。
筋肉の誤作動を誘発されたり、気絶させられたり、一撃で脳神経網を破壊されることさえある。
L1の戦域支配率が一定以上になると(=演算リソースに充分な余裕ができると)
対論理結界用戦術級ロジカルウェポン“衝界(ナイトメア)”が使用可能になる。これは
単一の攻撃プログラムではなく、自軍の論理結界とは別のL2空間を形成する電子決戦兵器の総称。
L2に電脳戦要員の投影体を乗り込ませ、敵の論理結界にぶつける。もちろん実際には通信回線への
解析、割り込み、乗っ取り、メモリ改竄といった手順が演算機関の間で行われているだけだが、
仮想空間ではこの相克が可視化され、L2の小宇宙同士が激突する光景が見られる。
総演算能力で圧倒できている状況ならば、敵の論理結界を“衝界”のL2空間で侵蝕・上書きし、
仮想空間内部の構造・物理法則までも掌握できる。論理結界を制圧すれば電脳戦は勝ったも同然で、
後は丸腰の敵中枢が残るのみ。回線越しに破壊するも拿捕するも自由となる。
#endregion
レイヤ1とレイヤ2が交錯する仮想空間戦を制した側は、戦域の支配率に応じて敵の誘導兵器・
自律兵器を弱体化させたり、通信を妨害・改竄したりすることができる。こうして電脳戦の帰趨が
基底現実の物理戦闘をも左右するわけだが、この影響は一方通行のものではない。
戦域ネットは当然ながらシングラルや通信衛星、そして何より中核となる艦船などの演算主体が
物理的に存在し、正常に機能していなければ不安定になる。ゆえにシングラルや衛星が落とされれば
自軍の総演算リソースは低下し、それだけ電子戦力が削られる。また母艦が落ちれば戦域ネット自体が
一気に崩壊し、その支援を受けていたシングラルの戦闘力は激減する。しかし母艦は強固なL2の
論理結界で守られているため、ロジカルウェポンのみで機能停止に追い込まれることは少ない。
(“衝界”が使われるような局面は実際には少なく、その前に劣勢な側が轟沈するか撤退する)
よって、最強のフィジカルウェポンたるシングラルは、可能であれば優先的に敵母艦を狙うべきである。
敵艦付近は敵機と敵仮想本陣の通信時間が短くなるため、それだけ敵機も強力な情報支援を受けられ、
接近は容易ではない。ミサイルやMAUSの類も無効化されやすく、主に高出力フォトンドライバー等の
長距離砲撃が対艦攻撃の要となる。長距離の直線攻撃は回避されやすいが、敵艦隊に散開を強いるだけでも
相対速度差による通信ラグで敵軍の仮想戦域強度を低下させられるため、無駄ではない。実際に当てて
ダメージを与えたり撃沈できたりすれば言わずもがな。こうして物理戦もまた電脳戦に影響する。
実戦では物理と電脳の両戦域が相互に連携・支援し、状況を有利に運ぶことが重要となる。
こうした二面的な戦闘が発展してきたことも、直感で動かせるシングラルの台頭を促した一因である。
(QFIは思考リソースへの負担が少ない優れた操縦システムで、電脳戦の邪魔にならない)
留意すべき点は距離と相対速度ベクトル。通信波は光速を超えないため、双方向性のリアルタイム通信が
成立する距離はあまり長くない。数光秒も離れれば通信相手と時間感覚を共有するのは難しい。
また相対速度の差によっても時間の流れ方が微変動し、これが通信ラグとして距離に加算される。
星系ネットに接続可能な場所(惑星上など)なら、当地の演算リソースも奪い合うことになる。
味方勢力の支配星系であれば当然支援も受けやすくなり、戦う前から情報通信の優位を確保できる。
連邦主星系が難攻不落と言われる所以は、無数の攻撃衛星に加えて超高密度の仮想空間ネットワークが
星系全域を覆い尽くしているためである。ここでは民間のサーバーまでもが電子迎撃兵器に変わる。
一方で、スターバースト衝撃波面や強磁性天体の至近といった電磁擾乱領域では、通信回線網が
有意な密度で展開できない。したがって、総合戦力に占めるフィジカルウェポンの割合が激増する。
***[ロジカルコンバットにおける古典的ECMの役割]
地上と宇宙とを問わず、いまや戦場の半分は仮想空間に展開されている。すなわち、
技術の体系的発展が止まった現代では代替の効かない、識覚ネットの共有仮想エリアを
敵と味方のどちらが占領するか。換言すれば、自由に通信し味方と連携しながら戦う権利の奪い合いである。
この仮想戦域の状況は、通信ノードたる物理戦闘ユニットたち(艦船、人型全領域戦闘機など)が
基底現実にて繰り広げるフィジカルコンバットと、常時相互に影響し合っている。
味方が物理戦域で優勢になれば、仮想戦域でも敵の演算資源を圧迫することになり、
情報連携の優位がまた物理戦域の味方に追い風として働く。こうして物理/仮想の二重戦域は
目まぐるしく流動的に戦況を推移させてゆくこととなるのである。
仮想戦域で戦線が崩壊し、戦術仮想空間を敵に制圧された場合、劣勢に立たされた側の定石は
「各ノードをスタンドアローンに移行し、物理戦域での対応に限定する」ことである。
つまり味方とほとんど通信できず、全ユニットが情報支援から孤立した状態で戦う羽目になるが、
それでも敵陣と化した仮想空間に接続したままでロジカルウェポンによる攻撃を受け続けるよりは
まだしも希望がある、という程度の悪あがきに過ぎない。この状態から逆転するのは至難である。
が、通信をシャットアウトすればいいのなら、もっと古典的で簡単な方法があるのではないか――
そういう疑問も、尤もである。要するに、広域電波妨害のようなもので敵軍の通信帯域もろとも
全バンドを潰してしまえば、たとえ自軍の通信が回復せずとも、状況は五分まで持ち直すのではないか。
この方法はかつて実際に試され、一定の効果を挙げ――ほどなく克服された。
なぜ、こうした古典的ECMが電子的敗軍の切り札たり得なかったのか。それは、進歩しすぎた技術が
すでに「ターゲットの周波数帯をノイズで埋め尽くす」というアプローチでは対抗し得ないほどの
強靭な通信維持能力を秘めていたことによる。
現在、ロジカルコンバットを行うような技術レベルで使用されるコンピュータ・アーキテクチャは、
ノイマン-量子ハイブリッド光演算機関である、編光晶体(ルミナリスタ)コンピュータ一択と言っていい。
この計算機は単純な計算速度よりも、結晶周期構造の動的な制御により、演算素子がそのまま
通信ユニットへと瞬時に切り換わるような機能的多態性が最大の特徴である。
無線通信ユニットとしての性能も、その特性を最大限に活かした電磁波変調システムを標準実装し、
物理構造が耐え得る限りは、理論上可能なあらゆる波長・周波数帯の信号を送受信できる。
戦場での通信網を構成するにあたり、上記の性能が何を意味するか。
古典的ECMがノイズシグナルを爆発させ、通常の電波帯域を丸ごとジャミングしたとする。
ところが然るべき制御プログラムさえ実装されていれば、編光晶体による多帯域可変通信システムは
自動的に通信可能なバンドを見つけ出し、データのやり取りを再開する。たとえば赤外線。あるいは可視光。
やろうと思えばX線やγ線でも回線を維持できる。この圧倒的な冗長性を前に、もはや古典的ECMは
完全な広域通信遮断など実現することができない。利用可能な全帯域をノイズで覆い尽くせれば別だが、
それは可視光を含むあらゆる電波的・光学的観測手段を自ら潰すことでもある。当然、戦闘どころではなくなる。
ごく一瞬、リンクを再構築するまでの短い時間だけなら、仮想戦域に空白地帯を生み出すこともできる。
事実、現在はそうした「一時しのぎのノイズ・ボム」として使われてもいる。しかしかつて期待されたように、
仮想戦域で敗北してもECMさえ起動すれば五分に持ち込める、などという夢の装備では決してないのである。
***【スターバック・ポジション】
フォトンドライバー、ポジトロンドライバー、RAキャノンなど強力な射撃兵器の現行モデルは
製造元が「データベースに登録された有人惑星への射撃を禁じる」セーフティを掛けている。
(正確には自動的に出力を絞るのだが、効かない弾を撃ってしまうのは隙を生じて
危険だからと、有人惑星に対しては初めから「撃てない」設定にするアクターが多い)、
元々は誤射防止のためのものだが、これにより惑星近辺の宇宙空間で戦う場合は
データベースと射線に注意を払わなければ撃つべきときに撃てないこともあり得る。
スターバック・ポジションとは、このセーフティをあえて利用して「有人惑星を背にする」
ことで敵の射撃を封じ、一方的に攻撃できる位置関係を得る戦術機動である。
どう言い繕っても「民間人を盾にする」行為には変わりないため、大々的に行われることはまずない。
あくまで個人単位が、乱戦の渦中などに局所的優位を得るためのポジションとして活用する。
初期ロットのフォトンドライバーなどはセーフティロックが存在しないモデルもあるが、
このタイプは現在条約により使用が禁止されている。闇では高値で取引される物品のひとつ。
CJPOの場合、現行モデルでも将官以上の権限を持つ者が許可すれば一次的にセーフティを
解除することができる。国家の戦略判断が市民の安全に優先するという連邦の方針が
露骨に表れているシステムであり、民衆の恐怖と反発を招くため、この事実は公開されていない。
革命義勇軍“ザナドゥ”や反連邦ネットワーク“解放星団”の大半は、いかなる場合もセーフティを
解除しないか、あるいは軍事目標に対してのみ解除するという方法で市民感情に配慮している
――が、現場レベルで徹底できているかどうかは、また別の話である。
***【愚者の決闘】
敵の正面から突っ込みながら撃ち合うことで、防御力と引き換えに打撃力を高める戦法。
実弾でもIDeAを突破し得る相対速度が得られるが、主に艦船が用いる最後の手段であり、特攻に近い。
***【星遁】
恒星の内部に隠れて敵をやり過ごしたり、奇襲攻撃を行ったりする戦術。
排熱が追いつく限りにおいては有効で、革命義勇軍“ザナドゥ”がしばしば使用する。
**【タグ付き】
空間戦闘の最小単位は基本的にシングラル(人型全領域戦闘機)である。戦闘の中で
めざましい活躍をする機体は、「札付き」や「色タグ」などと呼ばれることが多い。
由来は、TAネットで情報支援の一環として行われる敵個体ごとの脅威度判定。
味方を3機落とした奴は黄、10機落としたら赤、といった具合に色分けされた仮想タグが付く。
これにより「黄タグの奴に火力を集中しろ」「赤タグが来たら後退しろ」などの指示が出せる。
ほか、専用機持ちで軍のデータベースに乗っているような「特定のエース」は紫タグ、
現場指揮官が「現状の戦力では撃破困難」と判断した敵に対しては黒タグが付く。
黒タグに関してはあくまで人間の判断で付加されるもので、絶対に撃破不可能というわけでは
ないのだが、戦場では黒を見ただけで恐怖に駆られ遁走してしまうアクター(操手)も多い。
士気を下げるとして、連邦では可能な限り黒タグの認定は避けるよう布告されている。
しかし機体性能や武器の相性によっても撃破困難な相手というものは現実に存在しうるわけで、
必要な時には躊躇いなく黒タグの付与を決定できることも有能な指揮官の条件と言える。
***【戦力レベル】
革命義勇軍“ザナドゥ”はタグを廃止している。代わりに自軍の全ユニットに
詳細な戦力評価のパラメータを設定しており、それとリアルタイム算出する敵の推定戦力値を
比較することで、最終的な相対戦力を見積もる。
処理が複雑なので演算資源やオペレータへの負担は増えるが、その分正確な評価が可能。
また、高い脅威度判定の付与による士気の低下もタグ方式より低い。
**【機兵種】
シングラル(人型全領域戦闘機)は、ロールモデルにより四種類に大別される。
・対レーザー装甲で固めた前衛型
・近~中距離にバランスよく対応する汎用型
・中~遠距離での砲撃戦に特化した火力型
・戦術仮想空間での電脳戦を専門とする論理型
このうち、論理型は複座式が基本となる。複座と言っても操手槽は分かれており、
機体制御担当のアクターと、ロジカルコンバット担当のTIO(戦術情報管制官)が分業する形である。
***【機兵種間の相性】
一般的に、各機兵種間の相性は以下の通り。
・汎用型はどのレンジでもそこそこの働きをするので、相性の優劣は特になし。強いて言えば他兵種の得意分野では劣り、それ以外では優勢となる。
・前衛型は火力型に対し装甲と速さで押し切れるが、装甲の電磁処理能力を対レーザー防御に傾けている分、論理型の電子攻撃に弱い。
・火力型は論理型に対しアウトレンジから一方的に撃ち勝てるが、スピードと耐久力を兼ね備える前衛型には、焼き切る前に懐に入られる。
・論理型は前衛型の脆弱な電子防御を容易く突破し、電脳を好き放題いじれるが、火力型のレンジでは、距離と相対速度が生む通信ラグにより攻撃力が発揮できない。
**【流舞<ドリフト>】
シングラル(人型全領域戦闘機)の戦闘機動術。初心者が訓練で会得する最も基本的な移動法、
「壁や地面を蹴って進む」イメージのリパルサー・キックより、数段高度なイメージ操作能力を要する。
概要としては「手足を動かさず、反動のイメージに頼らず機体を動かす」というだけの技術であるが、
これを会得できる人間はアクターの七割、自在に使いこなせるレベルを求めると四割にまで落ち込む。
この技が万人に使えない原因は、まさに「機体を己の肉体として操る」QFIの特性そのものにある。
物理と仮想の両面において同時展開する高速戦闘は、ボタンや操縦桿による古典的操縦システムではなく
脳とマシンを直結する神経制御インターフェースを台頭せしめた。だが、自分の肉体の延長として
機体の駆動を司る人工重力場までも支配するには、いわば「念力を扱う」がごとき非日常的イメージを
具体的現実として把握し操作する才能が必要であった。自分の身体が勝手に動くという状況を想像し、
ましてやそのベクトルを意のままに制御する能力など、多くの人間が持ちうるものではなかったのだ。
それでも、使い手が増えれば技として体系化もされる。訓練技法が確立されもする。
流舞の初歩の使い手は、「風」あるいは「水」を想起することが多いという。戦場に吹く重力の風、
あるいは流れ来る重力の川。それら架空の流体に押し流されることで、自機を任意の方向に加速させる。
重力制御IFと結びついたイメージを、どれだけ早く強く正確に構築できるか。その技倆によって、
技としての流舞の切れは明白な差異を生ずる。
またある流派は、移動せんと望む方角を「下」と定め、架空の重力源に向かって落下してゆくイメージで
実際の人工重力による加速を制御するという。彼らは敵に向かい、足先または頭頂から突っ込むことで、
前面投影面積を最小化しつつ接近するという機動術に長けた。
このように、いまやイメージコントロールの方法論から諸流派を生むまでに拡散した流舞だが、
これを究めた先には“無想流舞<プレーンドリフト>”あるいは“凪”と呼ばれる究極の重力機動術がある。
ヤマト連結体のとある拳法家が編み出したと言われるそれは、水や風、上下といった二次的イメージの
助けを借りることなく、「動こうと意思するのではなく、ただ動く」境地に至るものである。
この域に達した者は一切の余分な思考を挟まず、まさに肉体の延長として、無形の力場を直に操れるという。
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