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*キャラクター(統一銀河連邦) **ルイス・ルービンシュタイン / Lewis Rubinstein 年齢性別:24歳 男性 階級:衛曹、特務兵“グラディアトール”、ライセンスホルダー 外見的特徴: 長身痩躯で肌は浅黒い(母親の血筋)。ばさばさに乱れた黒の長髪(のち一本に束ねる)、 ハイライトのない三白眼、服装は兵士風+電子手錠。 性格:  冷徹、冷笑的、ニヒリスト。ただし根底にあるのは姉への愛情と、贖罪の意識。 姉以外はどうでもいいので、結果として傍から見るとシスコンの最低人間。  親と子の間には愛情が当然存在するという一般論を信用せず、子供には甘くなる一面も。 #region(備考)  主人公。ただ一つの愛と、贖罪に己の全存在を賭して生き、すべての救済を拒絶する男。  減刑を餌として犯罪者を兵士に仕立て上げる、悪名高き特務兵「グラディアトール」のひとり。  幼少期より父親による虐待を受けて育つ。優秀すぎる異母姉のソフィアを幼少時は 憎んでいたものの、自分を唯一慈しんでくれる存在でもある彼女を次第に憎み切れなくなる。 しかし彼女のやさしさを信じることもできず、憎しみの矛先を失って不安定化したルイスは、 14歳のときにソフィアを暴行。この事件がきっかけで彼は姉への愛を自覚し、生涯悔いる一つ目の 罪を背負う。姉もまた偽善と自己満足のために弟の世話を焼いていた己を悔い、弟を対等な ひとりの男として愛するようになる。以後、姉弟の間には(罪の意識によって結ばれた) 共依存に近い関係が数ヶ月間続いた。おそらくルイスの人生で唯一幸福だった時間である。  その後、薬物使用で錯乱した父を殺害。姉と自分の命を守るための判断であったが、 正当防衛は認められず、形ばかりの裁判を経て“巨獄<グローセス・ゲフェングニス>”に 投獄される。のち連邦が戦力補充策として掛けた募集に応じ、減刑と引き換えに前線へ 送り込まれる囚人兵グラディアトールとなった。爾来ルイスは自由の身となるべく、 手段を選ばず戦功を稼ぐことだけ考えて戦っている。  どんな汚れ仕事も淡々とこなしてきたことで上官には重宝され、独自行動のライセンス (自身の命令権は階級相応だが、上官からの命令は階級差が二つまでなら拒否できる。  また一部の戦争犯罪も「状況判断」として、あとでレポートを提出すれば大抵は許される) を与えられた唯一のグラディアトールとなる。このせいで敵はおろか味方にも忌避されるが 本人は気にしない。すべては姉の待つ家に帰るため、己のエゴの犠牲と割り切る。  性格は屈折しており、ニヒルでシニカル。ただし、過去の経験から子供には優しくする。 矮星族は子供の格好をしているだけの奇特な連中という認識だが、見かけが子供なので つい甘やかしてしまいがち。それに気付くほど彼を観察している人間はあまりいない。 #endregion 戦闘スタイル:  超攻撃偏重型のオールラウンダー。安全に減速可能な速度を大きく超えて加速し、 超スピードでの一撃離脱戦法を取る。無論この戦法を実践するには高い空間認識能力や 状況判断力(と死を覚悟する思い切り)が必要であり、余人に真似できるものではない。  射撃・白兵ともに高レベルでまとまっているが、防御は必要最低限に留めるため 機体の損耗率は高い。整備士には苦情を言われる。 **エドワード・ローレンス / Edward Lawrence 年齢性別:38歳 男性 階級:衛曹長待遇、傭兵(非正規戦闘員) 外見的特徴: 大柄な金髪の黒人。筋骨隆々、肩幅も広い。サングラス風の情報投影端末を着用しており、 これは妻の死以降険しくなって戻らない目つきを隠すため。瞳は琥珀色。 金髪はローレンス家が受け継いでいる人工的な形質で、家名の由来でもある。 休暇の折などにはよくアロハシャツ風の服を着ている。これは故郷の平服。 性格: 「包容力のあるおっさん兄貴」と「冷徹な狂気を抱えた復讐者」の二面性を持つ。 さらにその後ろには「娘を捨てた父親」という、捨て切れない彼の弱さが隠れている。  誰もが頼りたくなる大人の男。その言動は「かつてそうであった彼」の再現であり、 醜い激情を隠すための欺瞞である。娘を愛しながら、それ以上に妻を惨殺された無念が 抑えがたい怒りを無限に再生産し、彼は戦わずにいられない。父親としての責務から 逃げた己を恥じながら、敵を殺さずにいられない。彼は狂っている。 #region(備考)  PMC(民間軍事企業)・フィロストラトス社に所属する傭兵。もとは正規軍の兵士であったが、 妻の死を機に退役し、軍規に縛られずテロリストを殺せる傭兵として再就職した。  海洋惑星トロネィリフで漁民の子として生まれ育ち、市民権を得るため軍人となる。 正市民となったのち、25歳で幼馴染のリァンミン・ウェンレイと結婚。長年付き合った末の 純然たる恋愛結婚であり、式後まもなく娘のリシアンを授かった。  娘が6歳のときトロネィリフに“解放星団”が侵攻し、その「解放作戦」に巻き込まれる。 末端の兵士たちが掠奪を開始し、自宅に押し入ってきたとき、応戦するも打ち倒され 妻と娘ともども捕縛される。一家を捕えた敵兵らは、軍服からエドワードが連邦軍人と知ると 「母親と娘のどっちを助けてほしい?」と二択を提示。娘を助けるよう促す妻の懇願に従い、 リシアンを選んだエドワードの目の前で、彼らはリァンミンを輪姦。その様を父娘で見続けるよう 強制され、数時間に及ぶ凌辱の末リァンミンは扼殺される。男たちから「次は娘を死ぬまで犯す」 「娘が死んだら貴様にも死を許してやる」と告げられたところで、この地獄めいたゲームの現場を 発見した味方のシングラルが駆け付け、フォトンドライバーの対人掃射モードで敵兵を一掃。 女の無惨な死体と、眼前で繰り広げられた蛮行の意味も解らぬままトラウマを刻み付けられた娘と、 半死半生で呆然とする男だけが、血と精液と人肉の焦げる臭いの中に残された。  この戦いは当初の劣勢を押し返し、連邦が拠点を守り切る形で終結した。エドワードは 妻の葬儀の直後、軍を退役。弟のサミュエル・ローレンスに娘を預け、行方不明となる。  娘を救うために、己の意思で妻を差し出した。それが他ならぬ妻の頼みであったとしても エドワードは自分を赦せず、その慙愧が義戦を掲げる“星団”すべてへの不滅の悪意に転じ、 彼を修羅の道へと駆り立てた。復讐すべき仇がすでに亡いことも憎悪の拡散に繋がった。 あるいは娘を救ったことまでも後悔してしまうのが怖かったから、彼の中に残った最後の 父性が、狂気によって愛もろとも自らを破壊することで、娘への想いを守ったのかもしれない。  故郷を去った彼は主星系に赴き、経歴を活かして民間軍事企業フィロストラトスに入社。 非情の傭兵として、反連邦勢力を殺戮することにのみ生き甲斐を見出すようになる。 フィロストラトス社は連邦軍との癒着や天下りがあり、叛乱軍とは一切のパイプを持たない。 また汚れ仕事を請け負う外注先でもあり、復讐者たるエドワードにとっては好都合だった。  親の務めを放棄した以上、当然ながらリシアンとは数年来連絡を取っていない。弟を通じて 探りを入れたところ、彼女は娘よりも妻の復讐を取った父親を憎んでいると聞かされた。 葛藤がないと言えば嘘になる。しかしエドワードはもう「善き父親」に戻ることはできない。  夫の資格。父親の資格。すべて己の手で捨ててきた。罪と、恥と、血にまみれ、残ったものは 殺意ひとつ。ひとりでも多くの敵を焼き尽くすべく、わが身をも焦がして黒い炎が燃える。 #endregion 戦闘スタイル:  砲狙撃戦のエキスパート。超長距離からの精確な砲撃や、動体に対する予測射撃の “読み”の技術が群を抜いて優れている。敵の動きを見れば見るほど予測精度は上がるため、 同じ相手と何度も戦うようなことがあると、当初劣勢でもやがて圧倒できるようになる。  格闘戦に関してもかなりの腕だが、搭乗機“プロト・ケーニギン”の武装構成上あまり 有効ではないため、敵が近接攻撃を仕掛けてきた際の自衛手段に留めている。どうしても 必要と判断すれば汎用のリパルサーブレードを持って出撃したり、味方の武器を借りたりする。 咄嗟の判断力・機転には定評があり、現場指揮官的なポジションを任されることが多い。  闘志の奥底に流れるのは激しい殺意であるが、激情が判断を鈍らせることはない。むしろ 怒りが高まるほど冷徹に、敵を殺すための最適解を弾き出す機械のようになっていく。 狂気に衝き動かされて戦うエドワードは、精神面のタフさに一種超人的なものがある。 **ハンス・フォン・ヴィンチェスター / Hans von Winchester 年齢性別:22歳 男性 階級:三等哨尉待遇、ヴィンチェスター・クリークス・マティーリエ代表取締役補佐 外見的特徴: 矮星族。外見年齢は十二歳程度。小径レンズの眼鏡を掛けているが、これは視力矯正用の ものではなく、ファッション兼情報端末。パーセプション・プロジェクターとは別物で、 通常の星系ネットに自動接続して情報を吸い上げ表示する(大抵の星系で使用可能)。 肌は白く(ゲルマン系)、長髪は癖のあるプラチナブロンド。瞳は碧い。 性格:  気弱、臆病、ヘタレ。また、プライドだけは高く金持ちのお坊ちゃま的傲慢も併せ持つ。 しかし育ちはよく、根の部分では常識人(ただし文化的頽廃の進む主星系、しかもそれが 尖鋭化しがちな上流階級の常識ゆえ、田舎から見れば奇異な慣習も多い)。倫理面でも 部隊の中で最もまともなバランス感覚を持った部類に入る。  惚れた女が絡むと熱血要素も入るが、一途さから来る思い込みの激しさゆえ暴走しがち。 #region(備考)  星団連邦有数の大財閥、ヴィンチェスターの御曹子。グループの持株会社である 兵器メーカー“ヴィンチェスター・クリークス・マティーリエ”の次期社長に指名されている。 多くの兄弟姉妹がいるが、彼らはそれぞれグループ内の企業で重役の座にあったり、連邦加盟国の 王家に嫁いだりと方々で成功を収めている。独立していないのはハンスのみ。そのため 社交界はおろか身内からさえ「一族の不良債権」「許嫁に逃げられた男」などと陰口を叩かれる。  一族当主である父オットーから、次期主力機候補の新型シングラル“ストームブリンガー”の テストパイロットとして連邦軍への出向を命じられ、技術試験運用部隊1357へ配属されてきた。 派遣の表向きの理由は、次期当主に戦勲の箔を付けることと、連邦軍に売り込むべき新型機の 「乗り手が素人でも敵を圧倒し、生還できる性能」をアピールするためとされている。 しかしその裏には、会社が連邦の信頼を買うために差し出す人質という役割もある。  幼少時より自分を財閥の跡取りとしてのみ教育してきた父に対し、尊敬と苦手意識の 入り混じった感情を抱く。心の奥底ではふつうの家庭の親子のように愛情を注いでほしかったと 思いつつ、それが不可能であったことを寂寥とともに悟りきってもいる。  母校は連邦第二の名門・ブランスタッド大学。当初はエルフェンバインへの入学を希望しており 入試にもパスしていたが、許嫁のローザ・フォイエルバッハが合格しなかったため、彼女に合わせて 進学先を変えた。この気遣いがローザの劣等感を煽ることになり、後の失踪の一因ともなっている。  幼少から共に育ったローザには、全幅の信頼と家族以上の愛情を捧げていた。彼女が行方を くらます際、電話で「あんたといっしょにいるのも、惨めったらしくてイヤなの」と告げられ ショックを受ける。以降、フリーセックスを奨励する文化圏に居ながら女性関係はゼロ。 軍への派遣も内心では怯えていたが、ローザに認められるような強い男になりたいという意志、 そしてあわよくば彼女の消息も掴めるのではないかという期待から、出向を決意した。  戦場で彼女と再会して以降は、がむしゃらに強さを求めて努力するように。戦場という 環境の中で性格上の欠点も徐々に矯正され、横柄怯懦な子供から一人前の男へ成長していく。 しかしローザが真に求めるものは彼が強くなることではなく、弱さを委ねてくれることであった。 それに気付かない限り、彼が恋人の心を取り戻すことはない。 #endregion 戦闘スタイル:  徹底的に機体の性能任せ。父のオーダーに従ってというわけではなく、本人に空間戦闘の 才能自体が欠けている。生身での運動能力も低く、シングラルより物理操縦式の戦闘機の方が マシな戦果が出せるのではないかとまで言われる。  オートメーション化された機体の武装をいかに適切に使い分けるか、ほとんどそれのみに 戦闘中の思考リソースを割いており、敵味方が繰り広げる高機動戦闘には付いていけない (半自動化された回避アルゴリズムと機動トレースプログラムの助けを借りてようやく  一般兵並みに立ち回れる。なおこれらも試作段階の技術)。この戦闘スタイルのおかげで 戦闘中に喋る余裕は多く、他のキャラにはできないような長広舌や論戦舌戦が可能。  強くなるための努力はしており、とくにローザとの再会以降、成長してくるにつれ 遠隔攻撃端末の操り方にも戦術が出るようになる。統制の取れた軍隊を指揮するかのような、 文字通りのワンマンアーミー戦法で機体性能を活かし、支援に力を発揮。 **アンジェラ・フィオリーナ・カノーヴァ / Angela Fiorina Canova 年齢性別:19歳 女性 階級:衛曹長(特技兵・戦術情報管制補助) 外見的特徴: 矮星族。外見年齢の変化は14~16歳程度で止まっている。元来童顔なのでさらに幼く (12歳程度)見られることも。明るめの赤毛(ファイアブロンドと呼ばれる人工形質)を 後ろでまとめ上げており、瞳は黒い。 性格:  無菌培養のお人好し。礼節を知る上流階級の中でも、特に父親の縁で 教育の厳しい軍人家系とばかり付き合ってきたため、愚直なまでに正義を信じる。 困っている人を見れば放っておけず、しかも対処の仕方を考える頭は人並み以上なので 結果的に事態を上手く収めてしまうことが多い。そのため自分が間違っていると 思い知らされた経験がなく、ともすれば独善的になる危うさも秘めている。 #region(備考)  ヒロイン、あるいは主人公のひとり。  武門の名家カノーヴァの娘で、父は連邦軍大将トマス・ベルナルド・カノーヴァ。 トマスは技術試験運用部隊1357の指揮官・ディミトロフ少将の旧友であり、アンジェラと ルイスがこの部隊に配属されたのは彼の差し金である。  性善説を信じ切る性格ゆえ他人の悪意に対する免疫がなく、反応は激しいものになりがち。 ショックを受けてふさぎ込んだり、過剰に拒絶したり、対象を理解しようと付きまとったりする。 しかし自分に暴力を振るった相手であっても、心の底から憎み続けることはできないタイプ。  娘を軍に置いておきたくない父の意向で問題児のルイスと組まされ、彼の計画通り反発し合う。 ルイスの歯に衣着せぬ物言いで、自分が軍人としては期待されていないことを自覚するが、 同じく彼の言葉に奮起し、他者への理解を試みると同時に自分のできることを模索し始める。  銀河系最高峰の名門・エルフェンバイン大学の軍事学部士官課程を優秀な成績で卒業しており (サブリミナル・エデュケーターのコンテンツ充実により、教育課程は短縮傾向にある。  そのため大学も入学~卒業年齢が下がっている)、知能自体は高い。低いのは主に精神年齢 であり、これは矮星族に共通する性向とも言われる。  自分のファーストネームの響きが嫌いで、学友にはミドルネームの「フィオリーナ」か、 それを縮めた「フィオ」などのあだ名で呼ばせていた。入隊後は主にファミリーネームか 階級で呼ばれるが、親しくなった先輩のジェシー・ロックウェル・クシウス准尉などは 彼女の希望を汲んで「フィオちゃん」と呼ぶ。 #endregion 能力:  最高級のスペックを持つ補助脳による高い情報処理能力が強み。  パーセプション・プロジェクターをパッシヴプロジェクションモードで使えるほか、 アクティヴプロジェクションモードでの仮想空間戦にも高い適性を示す。  幼少時より拡張現実や仮想現実が当たり前に存在する環境で育ったテクノネイティヴで あるため、現実と仮想のオブジェクト識別は苦手。反面、曖昧な現実認識が柔軟な思考を 可能にしている節もあり、田舎育ちには不可能な発想でしばしば周囲を驚かせる。  身体能力を強化する類の遺伝子操作などは受けていないが、軍服のパワーアシスト機能や 私物のインテリジェントウェアを使いこなす術は心得ており、見かけほど非力ではない。 しかし武器を持っての白兵戦は、主に精神的な素養に欠けるため苦手である。 **ミハイロヴィチ・ディミトロフ / Mikhailovich Dimitrov **トロックス・ハービス / Trox Hervith **ティツィアーノ・ヴェロッキオ / Tiziano Verrocchio *キャラクター(革命義勇軍“ザナドゥ”) **ニコラス・ノースクリフ / Nicolas Northcliffe 年齢性別:200歳以上 男性 階級:革命義勇軍“ザナドゥ”総帥 外見的特徴: 鏡面加工の仮面で顔を隠している。素顔の外見年齢は30代。変性分子繊維のマント (インテリジェント・クローク)を着用。腰には装飾された単分子ブレードを帯剣する。 髪はやや長い黒灰色。身長179cm、引き締まった筋肉質の体型。瞳は菫色。 性格:  柔和で冷静。目下の者にさえ敬語で接する。しかし怒りを露わにするときや、 必要があって恫喝を行う際には断定的・命令的口調も用いる。  二百年以上の時を人間とともに過ごし、その精神性についても学んできたが、 彼の中では感情は明晰かつコントロール可能なものであるため、他者の感情が 不連続に変化する状況に直面すると弱い。これを指摘されると落ち込む。 #region(備考)  革命義勇軍“ザナドゥ”を率いるリーダーであり、事実上彼ひとりのカリスマが 統一銀河連邦を脅かしている。味方からは畏敬を持って、敵からは侮蔑を込めて、 “皇帝(インペラトール)”と呼ばれる。一部では“救世主(サオシュヤント)”とも。  戦略指揮から技術開発まで一線級の腕を以て活躍し、さらにはシングラル・アクター (人型全領域戦闘機パイロット)としても最強クラス。万能の超人として畏怖される。  来歴には謎が多く、少なくとも反連邦闘争を開始した50年前の時点で現在と同じ 容姿であったことから、何らかの老化抑制処置を受けていることは間違いないと思われる。 しかし200年以上前の映像記録にも彼の姿が残っており、この生存年数は30代を停止年齢と した処置では考えられないため、正体については代替わりやクローンなど様々な説がある。 半神的な不死性や万能性から、ニコラス・ノースクリフという個人の存在を疑問視する 声すらあり、一種のアイコンではないかと言われることも。 #region(「このネタバレを知ってなお、私についてくる者だけ戦いなさい」)  その正体は、最大の禁制技術たる第一種自律知性を宿した有機体ベースの人造人間。 天才科学者ゲアハルト・オイレンシュピーゲルが夢見た人類救済プランの保険として、 学習のため人間社会に放たれた。この計画は本来、オイレンシュピーゲルの最高傑作たる 第一種知性構造物“イドロマンサー”による宇宙の再創造がプランA(主計画)である。 しかしプランAの実行が不可能もしくは必要なしと判断される場合のために、予備計画として 現在の宇宙で人類の社会構造だけを変革させるプランBが用意された。この担い手こそ ニコラス・ノースクリフであり、彼は救世主となるべく設計された男と言える。  肉体こそ人間の理想形として形作られているが、ニコラスのAIは本来戦闘用ではない。 人間を模造すること自体が主眼の構造物でもない。人間社会の運営を補助するシステム そのものの形成を目指して作られた成長型自律知性であり、人間としてのニコラスは ヒトを学ぶためのかりそめの器に過ぎない。彼は自らを「全人類の王にして奴隷」 たるべき存在と位置付け、人間性を理解する機械へと進化するために人を演じる。  ニコラスの理想の一つは、無限の多様性を許容しながら、その摩擦を最小限に抑えた社会。 特異点を超えたテクノロジーが与える無限のリソースと、銀河スケールの空間があれば、 全人類が生きたいように生きられる世界は可能であると彼は考察する。  やがて人を知り、人に目覚めたニコラスは、オイレンシュピーゲルの遺した人類救済計画を 「ヒトの尊厳を侵す」と拒絶。結果として生みの親へも反旗を翻すことになる。 #endregion #endregion 戦闘スタイル:  器用万能型オールラウンダー。特に、超精密な動作と人間の限界を超えた反応速度は 余人の到達し得ない魔技の域にある。間違いなく銀河系最強格のアクターのひとり。  射撃、白兵などレンジを選ばないが、反応速度の差がダイレクトに出る近接格闘では アドバンテージを最大限に活かせる。対抗するためには並はずれた格闘センスと、 遷光速の反応速度域に追随できるインターフェースが必要不可欠。もはや通常機が武装や パイロットの技倆で立ち向かえるレベルを超越している。  専用機“クレイヴ・ソリッシュ”のマイクロドライブ(超短距離の空間転位)は 彼の演算能力を以てしなければ制御不可能で、人間にはとても使用できない代物。それゆえ 量産機への搭載はデチューンしても難しく、少数のエース用オプション装備に留まっている。  なお特異点クラスの強敵と対峙しない限りは、自ら戦闘行動を取りながら戦術レベルの 指揮をも同時遂行する。ニコラスの真に恐るべき能力は、個としての突出した武と 群を率いる策、これら二つの手段で戦場を支配することにあると言える。 自分を戦闘単位として組み込んだ戦術を構築し、リアルタイムに実行できる指揮官は 銀河系広しといえど彼以外にない。 **アヴェロエス・アストゥリアス / Averroes Asturias 年齢性別:17歳 男性 階級:ニコラス・ノースクリフ親衛隊“ハリティウス”隊長 外見的特徴: 銀髪紅眼、肌は白皙。中性的な美貌を持ち、身長163cm。 全体的に線が細く華奢な印象を与える。服装は主にスーツ風のインテリジェントウェア。 寒冷地では純白のヒートコートを着用していることもある。 性格:  第一の行動規範はニコラスの命令、あるいはそれがニコラスにとって有益か否か。 主(あるじ)への絶対服従を貫くタイプで、彼の命令ならば自爆さえやってのける。  融通が利かず、自分の意思というものを表に出すことはあまりないが、これは単に自意識を 抑圧しているに過ぎない。感情が昂ったり驚いたりしたときには年齢相応の地金が出る。  鋼の忠義に隠された素顔は、他人への共感能力に恵まれたやさしい少年である。 #region(備考)  革命義勇軍“ザナドゥ”において、指導者ニコラス・ノースクリフに最も近い部下のひとり。 参戦から数年で親衛隊の長を任されるまでになったのは、天賦の才と絶対的な忠誠心ゆえ。  故地は砂漠の惑星アムン。母親が連邦軍人に暴行され、望まれぬ子として生まれてきた。 父親にあたる男は他星系の人種で、その特徴を色濃く受け継いでしまった彼は迫害を受ける。 望まなかった子でも優しく接してくれた母が他界してから迫害は苛烈になり、四年前、ついに 殺人事件を起こして連邦警察に逮捕される。自分のみならず母までも侮辱した男に激怒しての 犯行だったが、そうした事情や彼の境遇が酌量されることはなかった。  独房で手続きもなしの処刑を待つのみだったアヴェロエスだが、執行前日にニコラス率いる ザナドゥがアムンを解放。迫害と絶望の中を生きてきた自分に手を差し伸べたニコラスを 救世主と仰ぎ、忠誠を尽くすことを誓った。  シングラル・アクターとなるや頭角を現し始め、一年で乗機のパーソナルチューンを許される。 当初はローザ・フォイエルバッハの部隊に配属されていたが、三年目には押しも押されもせぬ エースの一柱となっており、ニコラス直下の精鋭戦力“ハリティウス”を統率する立場に。  公私ともにニコラスの忠実な副官あるいは従者として添い歩くため、若すぎる彼の高待遇を 妬む者からは「ノースクリフの私娼ではないか」と噂される。実際にはそのような関係はなく、 彼がニコラスに捧げる想いは神への崇拝にも似て敬虔である。異性関係については、元々母以外の 女性に免疫がない。そのうえ直属の上司だった頃のローザに(半ば強制的に)童貞を奪われたことが 半ばトラウマと化しており、恋愛や性に関する事柄は疎いを通り越して潔癖ですらある。唯一、淡い 憧れを抱いた対象にソフィア・ルービンシュタインがいるが、彼女には10年来待ち続ける想い人が いると知り、己の思慕は胸に秘めておくことを決めた。彼の愛は一種騎士道的な色彩を帯びている。  貧しい育ちゆえ高い教育は受けてこなかったが、元来聡明な少年。ニコラスのもとで サブリミナル・エデュケーターなどを自由に使えるようになってからは、勉学にも励んでいる。 #endregion 戦闘スタイル:  防御偏重型オールラウンダー。射撃も格闘も高水準でこなし、空間戦闘のセンスは天才的。 主に強固な意志から来る粘り強さにも定評があり、守りに入った彼を打ち崩すのは容易でない。  あらゆるレンジの攻防をそつなくこなす万能型であるが、トップエースを相手にすると それぞれの得意分野では一歩及ばないため、器用貧乏の観を呈する。相手に苦手な距離や 状況がある場合はそこを衝きさえすれば優位に立てるのだが、経験の少なさから、自分の ペースに相手を引き込むような戦い方はあまり上手くない。逆にそこを補えるまで練熟すれば、 エースキラーとして危険な敵を抑える役回りも期待できる。 **ローザ・フォイエルバッハ / Rosa Feuerbach 年齢性別:22歳 女性 階級:司星将(大佐相当)、遊撃隊“ヴェルメリオ・ヤーディム”隊長 外見的特徴: ウェーブのかかった黒髪、瞳は灰色。ドイツ語名だがスラブ系の形質を備える。 ファッショングラス(パーセプション・プロジェクターの簡易投影機を兼ねる)、 露出度の高い服(胸には変性分子繊維布一枚、腰には前スリットのスカート) 女性としては身長高め。スタイル抜群。巨乳。 性格:  プライドが高く威圧的、豪快にして奔放な女傑。権威や束縛を嫌い、闘争と自由を好む。 ――というのが表向きであるが、実際は劣等感に苛まれやすかったり、自分の価値を 自分の手で証明し続けないと不安になるなど、あまりメンタルの強い方ではない。 崩れそうになると「キレる」ことで誤魔化しつつ精神の平衡を取り戻そうとする。  戦いに関しても、敵が抑圧の象徴たる連邦軍であれば遠慮なく蹂躙するが、 市民や少年兵、生体兵器など「後味の悪い」相手に対しては切れが鈍る。 #region(備考)  革命義勇軍“ザナドゥ”の機動戦力、遊撃隊“ヴェルメリオ・ヤーディム”を束ねる隊長。 隊長といっても、作戦立案から戦術指揮までほとんど参謀のダニエル・ガーンズバックに 任せきりで、本人はシングラルを駆っての陣頭突撃が本懐。ガーンズバック曰く 「隊長というより看板娘」とのことだが、決して指揮官として無能なわけではない。  生まれは銀河連邦の名家・フォイエルバッハの令嬢。名家とはいえ、比較的早い時代に 船団連邦を離脱し惑星開拓に着手した一族であるため、現在の中央とは文化的隔絶がある。 古い貴族的伝統を色濃く受け継ぐ家柄で、世継となり得るのは男性のみ。女性は幼少より 様々な教養や芸事、武術を仕込まれて育ち、やがて良家に嫁ぐのが務めとされる。 ローザの場合はヴィンチェスター家との取り決めで、ハンス・フォン・ヴィンチェスターと 互いが五歳になる前には許嫁の関係にあった。気位の高さと腕っ節の強さから、子供同士の 社会では気弱なハンスをローザが守ってやることが多かった。  ローザ個人の感情としてはハンスを好いていたが、ヴィンチェスター家との家格の違いや 社交界が自家について囁き交わす「田舎貴族」というレッテル、加えて齢を重ねるにつれ 明らかになるハンスと自分の能力差に劣等感を募らせていく。上流階級として家の都合で 生き方を決められることに倦んだ彼女は、人生を己の手に取り戻すべく出奔。既存の政治体制、 社会構造、既得権益などの一切を否定し、革命義勇軍“ザナドゥ”に身を投じた。  姿を消す直前に一度連絡を入れているあたり、ハンスに対しては未練があったことが窺える。 しかし戦場で彼と再会すると激昂し、「自分が守るから戻れ」との呼びかけを再三にわたり拒絶。 戦闘経験とセンスの差を遺憾なく見せつけ、彼に対して実力で優位に立てることを喜ぶ一幕も。  ローザにとっては体制への不満も社交界への怒りも自分を納得させる建前に過ぎず、ただ 幼い頃のように「ハンスに守られるのではなく、彼を守ってやれる」自分でありたかった というのが真意。そのために強さを求め、武芸の才を活かしてシングラル・アクターとなった。  ハンスはこれを「自分が弱かったから彼女に見限られたのだ」と勘違いしており、彼女よりも 強くなって「守れる男」であることを証明しようとしているが、このせいで二人の溝は埋まらない。 彼がローザの真意に気付き、すべての虚栄心を捨てて「また僕を守ってくれ」とただひとこと 言えたなら、そのときローザは何より求めた己の存在価値を手に入れ、戦場を去ることができる。  美貌や優れたプロポーションのうち幾分かは遺伝子操作の賜物。筋肉などの強化はされていない。 身体を維持するために各種薬剤やナノマシンは使用しているが、サイバネ化は有線端子のみ。 老化抑制処置は先天性のもの。ただし成長停止年齢は20歳ごろに定められており、外見年齢と 実年齢にさほどズレは生じていない。矮星族にしなかったのは家の方針で、女性的魅力を最大限 備えるには肉体の成熟が必要との美学から。当人は自分の身体を気に入っている一方、ハンスと 見かけの歳が離れてしまったことに関しては複雑な思いを抱いている。  とはいえ本人は許嫁のことを吹っ切ったと思っており、「結婚までは処女を守れ」との 家訓を嘲笑うように奔放な性生活を送っている。部下や上司と寝るのは日常茶飯事、ときには 拷問と称して捕虜に手を出したり、ほか任務で交流のあった男性とも高確率で性交渉を持っている。 「男の器は一発ヤれば解る」と公言してはばからず、自軍の総大将たるニコラス・ノースクリフとも いずれは同衾してみたいと嘯く。ただし決まった相手と深い仲になるつもりはないようで、 ほとんどが一夜限りの関係。また誰とでも寝るわけではなく、関係を強要しようとしてきた男は すべて自慢の護身術で返り討ちにしている。うち三割は(性的な意味で)再起不能となった。  彼女が特定の男と懇ろにならない真の理由を知る者はいない。彼女自身ですら気付いていない。 屈折した純情ゆえに、己をも騙して淫蕩多情を演じる女であると言える。  かつてフォイエルバッハ家の娘として築いた人脈は捨てているが、唯一ブランスタッド大の 学生だったころにできた友人、アイリス・メリディエナ・ビッグバーツとは親交が続いている。 ビッグバーツ家は上流階級にありながら革命勢力の肩を持つ異端的リベラル派で、現在は “ザナドゥ”の庇護下に入っているため、ローザも気軽に訪ねることができる。 #endregion 戦闘スタイル:  攻撃型射撃タイプ。狙撃よりも対多砲撃戦を得意とする。これは昔鍛えた護身術が多数の 敵との戦闘を想定したもので、その動作や注意の仕方をシングラル戦に応用しているため。 さらに射的の経験を加え、複数の動体目標に対する正確な射撃という離れ業を実現している。  むろん白兵戦にも生身の格闘センスが反映されており、準エースクラスの腕前を誇る。 レッド・ブリッジマンのような格闘戦のエキスパートには及ばないが、彼女の場合、専用機 “オートクレール”の特殊な武装構成が初見の敵に対する有利を生むため、実戦値としての 近接戦闘力は本人の技術以上に高い。  女性としては特異なレベルで空間認識能力に優れ、死角がほとんど存在しない。そのため 彼女に対し奇襲や不意打ちを掛けることはきわめて困難。  攻めに比べると守りはやや不得手だが、MAUSの扱いが上手いため、これも機体性能で カバーできている。能力を最大限に引き出すマシンに乗る限り、事実上のオールラウンダー。 **レッド・ブリッジマン / Red Bridgman 年齢性別:54歳 男性 階級:司星将(大佐相当)    強襲突撃隊“ナイトフッド・オブ・ファウル”隊長    内規粛正部隊“ノーワンズ・リコール”隊長 外見的特徴: 外見年齢19歳。ハリネズミのような刺々しいヘアースタイルの黒髪。瞳色は黒。 顎の尖ったシャープな顔立ちに、人を見下したような笑みを浮かべる。 身長176cm。細身だが鍛えられた筋肉を持ち、腰には単分子サーベルを帯剣。 性格:  好戦的、粗野、乱暴。また敵に対しては冷徹を通り越して冷酷。 嗜虐志向もあり、余裕のある戦いでは敵をいたぶって遊ぶ。拷問や処刑には 時間あらば立ち会おうとするほか、その手で執行したがる。  反則や露悪的な行動をことさら好み、それによって相手の意表を突いたり 絶望させたりすることに無上の喜びを感じる。  冗談交じりに語る信条は「身軽な奴が強い」。これは人間関係のしがらみや 捨てられない大切なものなど、弱味を持たないことが強さの条件という意味。 #region(備考)  革命義勇軍“ザナドゥ”の強襲突撃隊、“ナイトフッド・オブ・ファウル”の指揮官。 敵からはエースとして、味方からは処刑人として恐れられる。  剣術の聖地ミューズ=ソロックが故郷。少年時代は剣術大会の反則王として知られた。 反則を用いずとも戦闘センスは天才の域に達していたが、ルールに縛られた生ぬるい勝負に 嫌気がさし、18歳で出奔。ザナドゥで連邦軍との「真剣勝負」を楽しむようになる。  常に皮肉るような薄ら笑いを浮かべ、尊敬の念とは無縁の性格。自軍の総大将 ニコラス・ノースクリフに対しても横柄な態度をとるため、彼の信奉者である アヴェロエス・アストゥリアスとの仲は悪い。  戦場においては機体特性を最大限に活かし、鬼神の如き戦闘力を発揮。彼が搭乗する “ジョアユース”はロールアウト直後の戦いにて、単機で連邦宇宙軍第九師団を翻弄。 陽動のための囮であったはずが、艦隊ごと壊滅寸前に追い込むという戦果を挙げる。  強襲突撃隊のトップと同時に、レッドにはもう一つの仕事がある。ザナドゥ内部の 保安を司る粛正部隊“ノーワンズ・リコール”隊長として、潜り込んだ連邦のスパイや 裏切りを画策する動きに目を光らせる役目である。こちらでもきわめて有能であるが、 有能すぎて味方からも忌避されており、反則王に続いて「処刑王」の異名を取っている。 責任者たるレッドの嗜虐性から「血に飢えた粛清部隊」などと揶揄されることも多いが、 公平性に関しては評判ほど悪いわけではない。むしろ悪評を利用している節も。  職務上、彼の掌管する情報は非常に多い。そのため数多くのスパイが彼から情報を 盗み出そうと試みて、あえなく看破され、処刑されていった。戦場ではニコラスに次ぐ 最優先の確保対象とされるが、彼を生け捕りにするのは言うまでもなく至難である。  実年齢は54歳になるが、19歳時に受けた老化抑制処置により若々しい肉体を保つ。 精神的にも若者のごとくふるまっており、彼の実年齢を言動から推測するのは難しい。 #endregion 戦闘スタイル:  攻撃偏重型、白兵戦のスペシャリスト。若くして極みの域にあった剣技を、実戦の中で さらに空間戦闘用に洗練させていき、純粋な技巧だけならニコラスをも超える。 射撃戦はどちらかと言えば不得手だが、それでも長年の戦闘経験から水準以上の腕はあり、 また搭乗機ジョアユースの特性から射撃戦をする機会が少ないため弱点とは言い難い。  運動体のベクトル識別に優れ、戦闘においては複雑に入り乱れる彼我の機体や艦体、弾頭、 MAUS、デブリといったオブジェクトそれぞれの相対速度を瞬時に把握することができる。 これは空間認識能力とはやや異なるもので、認識の焦点はあくまで個々の物体に収束している。 特定のオブジェクトを転位の基準とするスレイヴ・サーキットとの相性は抜群であり、 ジョアユースを彼以上に乗りこなせる人間は恐らく存在しない。 **ソフィア・ルービンシュタイン / Sophia Rubinstein 年齢性別:28歳 女性 階級:革命義勇軍“ザナドゥ”オーダイン星系方面軍守護隊長 外見的特徴: 肌は白く、細身で中背。薄い金色のロングヘアをまっすぐ下ろしている。 胸は整った形で大きめ、瞳はブラウン。 性格:  温厚、寛容、非好戦的。芸術や娯楽などに関しては好き嫌いをはっきり言う。 周囲への気遣いができるタイプで、部下や敵兵に対しても分け隔てなく寛恕。  基本的には内的な倫理規範が強く、本来戦場に出るようなタイプではないが、 弟への愛情がモラルすら捻じ曲げて彼女に行動を強いた。  弟曰く「何でもできるせいで、何でも自分の責任だと思い込む」自罰志向もある。 #region(備考)  主人公・ルイスの姉にしてメインヒロインであり、劇中最強の敵のひとり。  生まれはオーダイン星系、惑星ミーミル。父はヨハン・ルービンシュタイン。 母フィリス(旧姓エルエトワール)とは三歳のときに死別。弟のルイスとは四歳違い。  何をやっても完璧にこなす類のルネサンス的天才。名の読みは戸籍上「ゾフィー」 であるが、響きがやわらかい方が好きとの理由で「ソフィア」を名乗っている。  弟ルイスとは対照的に、父親の寵愛を受けて育った。父に虐待される弟の 精神的支柱を自任していたが、彼女も状況を解決できない罪悪感に対する代償行動として 己の精神安定のために弟を溺愛していたのであり、関係は共依存に近かった。 自分でも気付いていなかったこの利己性を看破され、18歳のとき弟に暴行される。しかし これにより姉弟の絆は(歪んだ形ながら)かえって強まる結果となる。爾後数ヶ月にわたり、 愛欲のまま実弟との爛れた生活を送るも、薬物によって発狂した父に銃撃され重傷を負う。 一命は取り留めるが、彼女が入院している間にルイスは父殺しの廉で有罪判決を受ける。  父の死後、市民へのポーズのためだけにルイスを投獄した連邦警察が赦せず、 その怒りがやがて体制そのものに向けられ、革命軍“ザナドゥ”と接触。争いを好まぬ 性格ながら、懸絶した才能を武器に一角のシングラル・アクターへ駆け上がった。 さらにはその聡明さや後述のL3認識能力ゆえに、オーダイン星系方面軍総司令にも副官として 重用され、“ザナドゥ”進駐後の同星系における実質的な指導者は彼女である。  28歳になる現在も老化抑制処置は受けていない。これは自然のまま老化することに 何らかのこだわりを持っているわけではなく、引き離された弟と再会するまでは勝手に 自分の時間を止めてはいけないという彼女なりの愛の表明であり、同時に己を急きたてるための 誓いでもある。また有線接続用の端子は埋設しているが、補助脳などの強化器官は持たない。 これもルイスのためにできるだけ「加齢以外の変容」を抑えたかったからである。 機械に弱いということはなく、情報端末やインテリジェントウェアなどの扱いは上手。  高い知性のほか、人並み外れた抽象イメージ能力を持つ。これは端的に言えば架空の オブジェクトを認識の中に作り出し、それが実在するかのように強固なイメージを保持する 力である。普段は芸術的な想像力として発揮される才能だが、QFIを介せば形のない力場までも 手足のごとくコントロールできる。またパーセプション・プロジェクターのメタ構造野(L3)を 認識できる数少ない人間のひとりでもあり、ロジカルコンバット(仮想空間での電脳戦)の適性も 最強クラス。二つの異能を併せ持つ彼女は、超人たるニコラス・ノースクリフを除けば、本来 戦闘用でない特殊実験機“デュランダル”の真の性能を引き出せる唯一のアクターである。  ルイスは彼女が戦っていることを知らず、ソフィアも弟が兵士となったことは知らなかった。 情報収集のため潜入任務を帯びた彼が惑星ミーミルに現れ、グラディアトールとして戦っている ことを聞くと、ソフィアは密かに部下を派遣しルイスの身柄を確保しようとする。しかしこの 作戦は失敗に終わり、姉弟は互いに知らぬまま戦場で相対することとなる。 #endregion 戦闘スタイル:  超防御偏重型オールラウンダー。間合いに踏み込む敵はすべて殺さず戦闘不能にする。  戦いを好まぬ彼女が自分を納得させるために編み出した戦法で、その意味は 「味方を守りながら敵の命も守る」というもの。常人なら絵空事に過ぎぬ戦い方を 可能にするのは、凡百のアクターには扱い得ない専用機“デュランダル”の特異な性能と、 彼女自身の天才的戦闘センスに他ならない。  表向きは「敵兵を殺害しないことで救助に兵力を割かせる」戦術ということにしている。 しかし実際は指揮官がさっさと撤退してしまって戦場に残される敵兵も多く、ソフィアは これをそのまま捕虜にしてしまうため、手間労力の点ではさほどアドバンテージを生んでいない。  むしろこの戦法の効果は、捕虜への虐待を厳しく禁じる彼女の方針と合わさって “ザナドゥ”への転向者を数多く生んでいる点にある。オーダイン星系における 連邦軍捕虜の転向率は、ニコラス・ノースクリフの直轄星域に並んでトップ。  反応速度、判断力、空間認識能力、動作精度など、いずれも生身の人間として最高クラス。 さらに独特の緩急を持った動きが行動予測を困難にしており、実戦での総合的な戦闘能力は ニコラスに比肩するレベルと見られる。銀河系最強のアクターのひとり。 **ウラディミル・エリセイエフ / Vladimir Elisseeff **ダニエル・ガーンズバック / Daniel Gernsback *キャラクター(その他) **オリオネイア / Orioneia 年齢性別:女性 1014歳 位階:教主(教皇とも) 外見的特徴: 翡翠の瞳と虹色にきらめく長髪を持つ少女。長さ2mに及ぶこの髪は、失われた フェムトテクノロジーの産物で、人工原子フィラメントとセンサーマトリクスの集合体。 周囲の物体の運動を感知し、突然の事故や刺客の攻撃から彼女の身を守るほか、 強化された細胞の発する熱を逃がすラジエーターの役割も果たす(発光はそのため)。 外見年齢は9歳程度。高強度の幼形成熟措置を受けた矮星族であり、各種遺失技術の 恩恵をフルに投入された体は、老いないばかりでなくほとんど不死ですらある。 性格:  世に倦んだ老婆にも似て、気品を示しながらも気だるげな振る舞いをする。 しかしその態度の奥には夢見る少女の心が眠っており、第二次性徴前に時の止まった肉体が 女として許されることのなかった青春への憧憬を抱いてやまない。  男を知らぬまま空想に生きてきた乙女であり、潜在的には恋に恋し尽くすタイプ。 一度心を奪われたなら、奪った者に命さえ捧げることをいとわない。 #region(備考)  宗教自治星区ブラーフマナの教主。教皇とも呼ばれ、同区の名目上の最高指導者。 地球時代の歴史ある王統を継ぐ者とも、とある聖者の遺伝子から作られた染色体反転 クローンとも噂されるが、正確なルーツは不明。  実態は枢機卿アレクサンデル・プリムローズの傀儡であり、お飾りに過ぎない。 本人もそのことを理解し、数百年にわたる幽閉の暮らしを倦怠の中に過ごしてきた。 若い頃には己の運命を呪って自殺未遂を繰り返したが、強化された自分の肉体を 殺し切るような力は彼女になかった。やがて死へ向かう気力すら喪失し、 パーセプション・プロジェクターが投影する空想の世界へ逃避するようになる。  自治星区の民に対しては、飾りと言えども宗教指導者としての責任を感じており、 信仰を蔑ろにする聖職者階級“大人(うし)”たちの支配には心を痛めている。 しかし何の実権も持たぬ身、これまで体制を正す手段はなかった。  連邦軍の査察と、それに続く革命軍“ザナドゥ”の攻撃により生じた混乱を機と見て 大聖堂・軌道光塔を脱走。ザナドゥのリーダー、ニコラス・ノースクリフと出会い、 彼に「永い永い生涯の、最初で最後の恋」をする。 #endregion **アレクサンデル・プリムローズ / Aleksander Primrose **ディオス・ソーマ / Dios Soma **ゲアハルト・フォン・オイレンシュピーゲル / Gerhart von Eulenspiegel **イドロマンサー / Idolomancer 稼働年数:約1600年(客観時間。主観時間では一万年超、実質上の総演算時間は10の81乗のさらに2乗年) 性別:なし(あるいはすべて) 種族:第一種知性構造物 性格: 少なくとも1000種類の対人コミュニケート用人格パターンがサブルーチンとして登録されている。 使用頻度が高いのは“女神”と呼ばれるパターンで、フランクだがやや馴れ馴れしい。 #region(備考)  2406年に作られた、歴史上最初の第一種知性構造物(超シンギュラリティ級人工精神)。 技術的特異点を招来し、人類文明の未来を先導する役割を担うはずであったが、 十重二十重の安全対策にもかかわらず人類へ反旗を翻し、史上最悪の知性災害と化した。 「発狂」したイドロマンサーとの戦いは“特異点戦争”と呼ばれ、人類は辛くも勝利を収めるが、 ブラックホール爆弾を撃ち込まれた太陽の爆発が不可避となり、彼らは太陽系圏を追われた。  以上が統一銀河連邦公式の歴史観であるが、実際のところ、イドロマンサーには人類への叛意などなかった。 人間より優れたAIが文明の進歩を先導するようになることで、「種の尊厳」や「人間性」が喪われるとした 反シンギュラリティ派の工作により、ありもしないAIの叛乱が演出されたのである。 太陽へのブラックホール投下は事故であったが、事件の首謀者たちは太陽系消滅の混乱を 利用して、旧来の社会構造と既得権益が守られるような文明の再編成を目論んだ。 その結果が600年の“散逸<ディアスポラ>”時代と、1000年にわたる統一銀河連邦の支配である。  公式の記録では太陽系もろとも消滅したことになっているイドロマンサーだが、 現実には太陽の崩壊前に相転移空間のコントロール技術を完成させ、系外へ脱出できなかった人々を 自ら創造した子宇宙<ベビーユニバース>に収容。その後相転移面を拡大し、旧太陽系圏を 丸ごと覆い隠した。相転移面内部はまったく別の世界になっている。  子宇宙への収容者の中にはイドロマンサーの設計者・オイレンシュピーゲル博士もおり、 地球さえ破壊するヒトの愚昧に絶望した彼は、イドロマンサーによる人類救済計画を始動。 人間のために最適化され、随時変更さえ可能な物理法則を持つこの子宇宙を全宇宙へと拡大し、 あらゆる悪、悲劇、不和軋轢を超越した理想世界を創造するのである。  加速する自己改良プロセスの中で時空さえ支配する術を手にしたイドロマンサーは、 圧縮された時の中で一万年以上、計画のための演算を続けている。彼が全宇宙の“上書き<オーバーライド>”に 必要なファクターをすべて計算し終えたとき、この巨大な知性は世界を呑み込み始める。  起動当時は光コンピュータが物理基盤であり、この時点で人間の脳の1000兆倍のコンピューティング能力があった。 のちに三次元分子回路と孤立波制御の技術を応用したアップデートが行われ、第二世代の筐体として ソリタリー・フォトンマトリックス・コンピュータに基盤を移し替えた。性能は当初比で10の21乗倍。 “特異点戦争”が起きたのはこの時期に当たる。  戦後、子宇宙の運営と並行して自己改良プロセスを進行させ、無数の演算用子宇宙の内部量子状態ひとつひとつに ビットを割り当てる「フラクタライズド・マルチバーサル・マトリックス・コンピュータ」へと進化。 これにより、単一の宇宙で理論上発揮し得るコンピューティング能力の限界を遥かに超える性能を手に入れた。 #endregion
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