紫煙は上り、揺らぎ、そして形造る―――
“其れ”は時に蠢き、時に嘶き、時に汝を見つめ、そして時に消えてしまう。
ふわふわとして、はっきりとせず、実体などないはずなのに。
その存在感は、まるで煙草を消した後の残り香の如く、胸にこびり付こうとする。
・・・ならば、消える前に記そうではないか。
“其れ”が、ここに居たという記録を。
ふわふわとして、はっきりとせず、実体などないはずなのに。
その存在感は、まるで煙草を消した後の残り香の如く、胸にこびり付こうとする。
・・・ならば、消える前に記そうではないか。
“其れ”が、ここに居たという記録を。