暇人 番外

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saraswati

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だれでも歓迎! 編集
 都市が寝静まる深夜。
 それ首都の官庁が集まるここ中央地区も例外では無い。
 いつもは残業の人間も歩いていない様な時間に彼らは動き出した。
 彼らは各々違う方向から、しかし確固たる目的をもって中央地区のさらに中心、中央公園を目指している。
 交差点や曲がり角で驚いたように顔を合わせてはすぐに長年の友人の様に声を掛け合い合流し大きな集団となっていく。
 大通りにはもう数十人の規模になっている群れもちらほら見受けられる。
 公園の一方向だけでこの人数。
 東西南北各方向、そしてこれから彼らに加わる人間を合わせれば千人を超す規模にもなるだろう。
 この時間帯にこの人数。
 それはここがレムリアの首都だということを加味しても異様な数だ。
 しかし最も異様なのは人数では無い。
 集まってくる集団を構成する人間の種類だ。
 スーツ姿で飲み会から抜け出してきたようなサラリーマンもいればまだ若い学生もいる。
 だが年齢を立場も異なる集団の構成員の中にも一つの共通点がある。
 皆男なのだ。
 東西南北合わせれば数百人もいる集団の中に女性が一人もいないのだ。
 老いた男もいれば若い男もいるしかしその中で女だけが抜け落ちたかの様に一人も存在しない。
 そんな集団だ。
 公園北口に通じる幹線道路のひと際大きな集団の先頭に立っている男それがすべての発端だ。
 顔は狐を模した仮面に隠れているが服から覗く首や手には深い皺が刻まれている。
 長年にわたって刻まれてきた苦悩と苦労の皺だ。
 その苦悩と苦労が彼をこの革命に走らせたのかもしれない。
 のちに首都の人間の多くを凶行に走らせ政権交代も間近だったと言われる革命に……
 覆面の男は力強い足取りで公園に到達すると腰のポーチにしまっておいた大型の無線を取り出すと通話を始める。
 「うむ、警備に大きな変更はないな。これより作戦名Vクラッシャーを開始する」
 迅速な判断と的確な指示を出し目指すのは作戦の第一段階。
 反抗勢力の無力化だ。
 メモを見ながら次々と入ってくる情報をもとにチェックを付けていく。
 「こちら南口、南口交番の占領に成功。オーバー」
 「こちら本部、オーバー」
 仮面の男は報告を聞きながら歩みを止めない。
 メモに書いてある項目は次々と消化されていく。
 彼は一度メモから眼を離すと周りを慌ただしげに移動する仲間に目を向ける。
 満足とは言えないがパイプや角材を始めとする近接武器や民間人でも手に入る拳銃で皆武装している。
 昼間はカップルが集い賑わうこの憩いの公園だ。
 アルティオ革命以前は中央にある王城こそがこの国の中心だったが今は中央官庁に政治の中心は移り古城は告白の聖地だ。
 古城の頂上、広間から出られるテラスにて夕陽を見ながら告白をすれば必ず恋が実るという伝説もあるほどだ。
 首都のデートスポットと言えばこの古城が真っ先に上がるほどカップルたちには人気の場所だ。
 しかし深夜この時間においては武装した物々しい男たちが動く音に満ち溢れている。
 男は呟く。
 「五十年……ついにこの時が……悲願のこの時がやってくる」
 男が物思いにふけっていると突然無線が電波を受信する。
 「こちら旧王城前資料館。警備員は同志。占領に成功。オーバー」
 若干のノイズと共にもたらされるのは最後の報告だ。
 「こちら本部、了解。……本部から全同志へ。全敵対勢力の無力化に成功。
 我らが悲願の第一段階が終了した。第二段階に移行する」

 ――二月十四日未明。謎の集団により中央公園が占領される。


 ●


 カレン・アムゾンストが詰め所に飛び込むと隊長を始め自分以外のすべての隊員が揃っていた。
 待機する皆の間には物々しい雰囲気が漂っている。
 「遅い!召集がかかってから何分経ったと思っている」
 隊長の叱咤が扉の前に立っているカレンに飛んでくる。
 「すみません」
 皆の前で怒られるという行為に顔を赤らめながら自分のデスクにつく。
 席に着くとすぐに隣の席の同僚マリーが話しかけてくる。
 彼女とは同い年ということもあって配属以来親友だ。
 「なに?彼と約束してたの?残念だったねこんな事件が起こって」
 言葉とは裏腹にニヤニヤと笑いながらの問いかけに
 「はいはい、独り者の恨みは恐い恐い。」 
 カレンは相手をせずにテレビの方を向く。
 つけっぱなしのテレビが流すのは今日の深夜起きた中央公園立てこもり事件だ。
 ちなみにこの待機状態もそれによるものだ。
 小窓の中でレポーターが説明を始める。
 本日未明に謎の集団が中央公園を占拠。
 今現在も立てこもったいるらしい。
 一通り事件を把握したカレンに隊長がさらに補足する。
 「現在犯人グループからの要求、犯行声明などはない。
 上からは待機しておけとのことだ」
 それだけを告げると彼女は再び時間をつぶすために週刊誌を読み始める。
 開くのはバレンタインお勧めのデートスポットがピックアップされた特集ページ。
 隊長もまたカレンと同じ被害者だ。
 カレンは大きく背をそらしながら不平を呟く。
 「あーあ、せっかくのバレンタインなのに……」
 「やっぱりアンタ先約あったんでしょ。毎日彼のためにせっせとマフラー編んでたもんね。
 普通そういうものはクリスマスに渡すもんだと思うけどね」
 「う、うるさいなあ。編んでたらクリスマスが過ぎただけよ。
 それにあいつも寒がりだから三月いっぱい使えるし」
 「あんた達は熱々だからマフラーなんて要らないでしょ。
 あーそうかそうか二人で巻くのか。いつの流行だよ。
 バカップル別れろ別れろー」
 カレンは頬を朱に染めてまんざらでもないようだ。
 と突然テレビから流れてくる映像が慌しくなる。


 ●


 「あ!出てきました。出てきました。
 ついに謎の集団がその姿をカメラの前にあらわしました」
 レポーターの金切り声をBGMに北側正面口から数十人の男達が出てくる。
 先頭に立つのは例の仮面の男だ。
 背後に付き従う男たちも帽子を深くかぶったり顔をハンカチで覆うことによって顔を隠している。
 皆手には銃やバールのようなものを持って武装している。
 待ち構えていた警備隊も背後に報道陣を始めとする民間人が後ろにいるので迂闊に手が出せない。
 その均衡状態の中武器を持たない例外、仮面の男が進み出る。
 右手には遠くまで聞こえるように拡声器を持って。
 「まずは自己紹介をしよう」
 一語一句聞き漏らすまいとする報道陣や野次馬の前で彼は語り始める。
 「私の名前は暇人。この集団の指導者でもありこの事件を起こした先導者でもある。
 そして今日という呪いの日に異を唱えるものだ。
 ここにいる諸君は今日がなんの日だか知っているかね?」
 警備隊も報道陣も水を打ったように静まり返る。
 やがて何処からともなく小さな声が聞こえる。
 「……バレンタインデー?」
 小さな呟きだったが暇人と名乗った男はしっかりと聞きとどけ大げさなパフォーマンスをしながら演説を再開する。
 「そうだ今日は恋人たちの聖なる日バレンタインデーだ」
 演出過剰な言葉に合わせて暇人の後ろから立ち上がるのは『恋の日』と書かれた旗だ。
 彼は旗が立ち上がったのを確認すると演説を再開する。
 「だが!だがしかし君達の中に今日を恋人と過ごす予定だったものは何人いる!
 君は!」
 暇人は一番前にいる脂ぎった不揃いな髪の太ったカメラマンを指差す。
 そのカメラマンはテレビ局の女性社員の中で汚物のように扱われる毎日を思い出す。
 「君は!」
 指の先には幸の薄そうな見るからにカツラとわかる貧相なレポーターがいる。
 リポーターは自分が視聴者の間で禿と呼ばれていることを知っていたがこの年まで真面目に働いてきた。
 「今日は街中が幸せに溢れる日?皆が幸せになれる日?それは欺瞞と言うものだ!
 実際に今日を幸せだと思うものは何人いる?」
 暇人は拳を振り下ろし演説をする。
 「それはたった一握りだ!たった一握りの人間のために私達は惨めな思いをしている。
 幾つチョコをもらったかで友人と薄っぺらな嘘をつき合い、会社の後輩からの義理とわかっているチョコに儚い夢を膨らませる。
 悲しい!哀れだ!私は毎年この日が来る度に涙してきた!」
 演説は一転静まり返る。
 「……変えたいとは思わんかね?ただ汗水垂らして働くだけの今日を変えたいとわ思わんかね?
 一握りの人間だけが幸せを享受し我々は苦汁を舐めるだけのこの腐った社会を変えたいとは思わんかね?
 君達は悔しくないのか!!私は悔しい!!諸君らの憤怒を私も持っている!
 広告会社の陰謀。一般女性からの迫害。持てる男達からの疎外感。
 われらは耐えに耐えてきたのだ!今こそは歴史の転換期である!
 私にはわかるかって父が母が王政を打ち倒し国民の手に権利をもたらしたように
 諸君らも恋人達を打ち倒すということが。我らの胸には一つの誓いがある。
 その誓いとはこうだ。我らは全ての喪男に幸福をもたらすということだ。
 この誓いがある限り我らは抗う!
 この誓いがある限り我らは戦う!
 この誓いがある限り我らは不滅だ!
 今日という日にカップルどもをのさばらせるな!」
 『恋の日』と書かれた旗が群集に沈むと『変態の日』と書き換えられて立ち上がる。
 「立てよ人民!立てよ喪男!
 我らと共に立ち上がれ!!ジィィイイイイイイク!ハイルゥゥウウウウウウ!!」
 拳を高く振り上げそう締めくくると暇人は聴衆に背を向けて集団の中に紛れようと歩を進める。
 その場にいた警備隊員を始めとする人間はあまりの出来事に動くことができない。
 いや一人いた。
 「待てよ……」
 呆然とした空気の中一歩を踏み出すのは先ほどのカメラマンだ。
 「好き勝手言ってんじゃねーよ。
 俺はこんな生活を望んじゃいなかった。
 なあ!俺は俺の力で世界を変えられるのか?
 答えてくれよ!俺は……俺は……」
 暇人は歩みを止めて振り返ると道を示す。
 「ああ出来るとも。君にも立派な力がある。我らと共に来たまえ」
 その言葉を受けて踏み出すものがもう一人いる。
 レポーターは自らのカツラを掴みながら進み出る。
 「私もだ。私も変えたい。テレビの前で笑われるのにはもう耐えられない。
 私も抗う。私も戦う」
 カツラが澄み渡った空に舞う。
 「私はもう自分を偽るのはやめる。自分に正直に生きたい。
 みんなもそうだろ!彼らなら……彼らとなら」
 「ああ、俺たちは一人じゃ何もできないほどちっぽけな存在かもしれない。けど皆で集まれば出来ないことはないさ」
 「あの暇人って奴ならやってくれる。そんな気がする」
 最初の二人を皮切りに波紋が広がっていく 
 「僕も」
 「俺もできるかもしれない」
 野次馬も警備隊もいる。
 彼らを見て暇人は叫ぶ。
 拡声器を使わず彼自身の声で。
 「その気持ち。その気持ちこそあれば皆同志だ」


 ●


 「ハイル暇人!ハイル暇人!」
 大きな声が響き渡るのは詰所の中だ。
 「マックス!貴様だけ裏切る気か」
 マックスの親友ジョージが立ち上がる。
 「ジョーシお前にはわからないさ。彼女のいるお前には永遠にな。
 お前こそ裏切り者だ」
 「――」
 ジョージが何かつぶやく。
 「え?」
 「俺も振られたって言ったんだよ!」
 「な、なんだって!?」
 「ちょうど一ヶ月前のことさ。俺たちは仲間だ。
 お前だけで行かせるわけにはいかない一緒に行こう」
 男がお互いを抱きしめある。
 暑苦しいことこの上ない。
 「おう、一緒に「撃ぇ!!」
 「あ!?」
 いつの間にか彼らの周りを囲んでいる銃の引き金は絞られようとしている。
 「逃げるぞ」
 とっさの判断で窓を突き破ると二人は外に飛び出す。
 その二人を追いかけるのはガラスと銃弾の雨だ。
 砕け散った窓の破片で手を切らぬように外を見回すと隊長は
 「チッ逃がしたか」
 マリーはあきれながら銃をしまうと自分の席に腰を下ろす。
 「ふぅよくやるわ」
 隊長はそのまま銃をしまわず男ども一人一人に銃を突き付ける。
 「貴様彼女は?」
 「い、いませんが?」
 突然銃を突き付けられた隊員は怪訝な顔をしながらも背筋を伸ばして答える。
 「クロ、確保」
 「イエッサー」
 満面の笑みを浮かべながら縄で縛るのはカレンを始めとする女性隊員達だ。
 裏切る可能性のある隊員を一人ずつ縛り上げていく。
 「貴様は?」
 「ハイおります」
 「うるさい見栄を張るな確保」
 「了解」
 「ちょっと待ってください。え?え?えぇぇぇええええ!」
 反論もむなしく質問という名の魔女裁判は続行される。
 「貴様恋人は?」
 「ハァハァ。た、隊長タンが僕のお嫁さんになってください」
 「私刑」
 「了解」
 隊員達は慣れた調子で縛り上げると床に転がし蹴りを入れ始める。
 「あ、あ、あんっ。新しい快感……ちらっと見えるスカートの奥の世界の真理もたまらん」
 「前言撤回死刑」
 「了解」
 女たちは最後の変態を担ぎあげると窓から放り出す。
 ガラスの散らばる路上へ。
 「い、いたいたい!で、でもこれはこれでありかも~」
 「止めだ」
 窓から突き出すのは机。
 それも頑丈なものだ。
 重力に従ってそれは落下する。
 切りのいいところで招集がかかる。
 『全首都警備隊に告ぐ中央公園を包囲せよ。繰り返す――』
 「フフフ血も肉も脇も踊りだすわ」
 カレンは不気味な笑いを顔に張り付けながら机の引き出しから認証鍵を取り出す。
 「あんたが動くと死人が出るわ。
 相手は民間人極力死傷避けるもんよ」
 「関係無いわ。せっかくの非番を……せっかくの約束を……せっかくのバレンタインを……」
 「ダメだこりゃ」


 ●


 「駄目です前線押し込めません」
 司令室の簡易テントに重い沈黙が満ちる。
 「何故だ!何故押し込めん。相手は民間人だろう。
 こちらには火器もある。人数もいる。それも正規軍だ。
 どうして押し込めんのだ」
 ひげ面の司令官が声を荒らげる。
 「おぬし達は喪男を甘く見過ぎじゃ」
 突然天幕の中に入ってくるのはスーツ姿の秘書を従えた老人。
 「誰だ貴様は」
 すると副官が答える。
 「知らないのですか?
 彼こそは国内最大手製菓会社Trick or Treatの会長ハンス・アルシェ会長です」
 老人は笑いながら
 「そんなんに大したもんじゃない。ただの老いぼれじゃよ」
 笑みを崩さないまま彼は続ける。
 「さてだいぶお困りの様ですな。わしがちょっとした策を教えてあげましょう」


 ●


 「何で倒れないのよー」
 マリーが目の前の男にゴム弾を叩きこむのは三発目だ。
 「チョコ……チョコ……」
 痛みのあまり意識を失った男は怨念とも呼べるようなチョコへの執着のみで歩いてくる。
 「退くわよ」
 カレンが男の股間に向けて引き金を引きながら後ずさる。
 ゾンビの行進は内股になりつつも止まらない。
 戦況は最悪だ。
 もはや男性隊員はすべて負傷し後方に下がっている。
 しかしゾンビは女性隊員には危害を加えることはなくただ迫ってくるだけだ。
 「チョコ……チョコ……」
 「きゃー」
 ゾンビに追い詰められたマリーが悲鳴を上げる。
 カレンは何度も引き金を引くが弾が出ない。
 「こんな時に弾切れ!?」
 「これを使え!特別せいだ」
 隊長の声とともに後方から投げられるのは新しい拳銃だ。
 何度かお手玉をしてから慌てて引き金を引く。
 ろくに狙いを付けていない弾は近距離でもターゲットから五十センチほど逸れる。
 「ヤバい外した!」
 隊長の声が響く。
 「大丈夫それは特別製だと言ったろ」


 ●


 天幕の中には次々と朗報がもたらされる。
 「司令チョコレート弾頭は効果的です。
 男たちは我先にと当たりにくるそうです」
 司令官の顔には満面の笑みが浮かぶ。
 「これもアルシェ殿のおか……おや?アルシェ殿は?」
 先ほどまで会長がいた場所、そこには誰もいなかった。


 ●


 戦闘に投入されたチョコ弾頭の威力は効果的だった。
 もてない男はチョコに弱い。
 それは世界の理だ。
 障害物からは我先にと飛び出し適当な方向に撃っても音速を超える弾に食らいついていく。
 喉で受ける衝撃はとんでもないものだが男どもはわかっていても食らいつこうとする。
 未練を断ち切られた男どもは成仏していくという寸法だ。
 そして首都警備軍は大した抵抗受けることもなく王城前広場にたどり着く。
 「もう逃げられませんよ。あなたの計画は失敗です」
 そう言うマリーの前には地面に膝をつく暇人の姿がある。
 暇人の周りに倒れ伏すのは側近たち。
 皆無抵抗に銃撃され幸せな顔をしながら倒れている。
 「そろそろ私も年貢の納め時ということか。しかしな私の計画は大成功だ」
 「負け惜しみを。なぜこんなことを?」
 「ん?」
 「何故こんな計画を企てたのですか?アルシェ会長」
 「ほほう気付いておったか」
 そう言って仮面に手をかける。
 仮面を外した暇人の素顔はハンス・アルシェその人だった。
 「チョコの弾丸を用意してたり準備が良すぎましたから。
 お菓子会社の会長であるあなたが何故こんなことを?」
 「チョコが……わしもチョコが欲しかったんじゃ。
 この反乱の本当の目的はクーデターでは無い。
 真の目的は女の子の軍人からチョコを貰うための計画じゃ。
 君たちはまんまと引っ掛かってわしらにチョコを渡した。
 さあどうか可憐な君の手でわしにチョコを渡しておくれ」
 「それでは「んな身勝手なことが許されるかー!」
 増幅されたカレンの声が響く。
 声の源は公園内の小道。
 両側の茂みを削りながら迫ってくるのはキャタピラ型重機だ。
 「カレン!そんな物持ち出してきたの!許可は!?」
 重機を動かすには通常隊長以上の上官に許可をとる必要がある。
 「ふふふ正義の鉄槌を下すのに誰の許可が必要なのかしら。
 そのじじぃは私がチリも残らないようしてあげるわ」
 轟音と共にキャタピラが止まる。
 砲塔を回して狙いをつけるのは膝をついてる老人だ。
 「ちょっカレン!ヤバいよそれ!」
 「大丈夫特製120mmチョコレート弾頭よ」
 「そう言う問題じゃなくて!」
 「それもまた一興かもしれんな」
 「発射!」
 爆音が公園内に響き渡る。
 砲弾が当たる直前暇人の声が響き渡る。
 「わしは滅びん!彼女ができるまで!」
 直撃を受けた暇人は星となった。
 ~Happy Valentine~


  ※多分記念日とかないです
  日付の数え方とかも違うと思います
  あくまでも番外編使用で
  地理とかはあってます

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