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異能力者 序章






                    ……始まりはいつだって気まぐれだった。

              …………それにいつも踊らされ、振り回されてきた。

     ………………けど、今度は……今度だけは……やるしかないんだ。

 …………………いつもと変わらぬ日常を取り戻すために。






――――ジリリリリリリリリリリリリリリ!!!


……んぁ?……ああ、朝か。そりゃそうだろう。
一日の始まりが来ないなんてニュースでもやってなんかいない……

――ぃさん……ねぇ……いさ……

……声……?……今眠たいし……あと5ふん…

「起きてよ兄さんってば!!」
「おお!?……なんだ光か……」
「なんだじゃないよ! もう…ご飯なくなってもいいの?」
「…それはいやだな」
「じゃ、早く行こうよ。 先行ってるから」
 そういうと光はそのまま食卓へさっさと行ってしまった。ちょっとは待ってくれよな…
確かに母さんの飯は美味いからしかたないけど。しばらくして俺も着替えを済ませ、食卓
に着いた。今日も美味そうな香りが鼻をくすぐる。隣を見てみると光がそれは美味そうに
味噌汁を啜っている。俺も腹が減ったし、食うか。
……ズズズ……
ふぅ、やっぱりこのご飯と味噌汁のコンビネーションは抜群だな。こんなに美味しいご飯
を食べられるのは近所で俺の家ぐらいなんじゃないか……?
「あんたたち! 早く行かないと遅刻だよ!」
 母さんが何か言ってる……遅刻……? ……ええと時計は……七時五十分だと!?
や、やばい…食事に夢中になりすぎたみたいだ。
「ひ、光! 流石にやばい!」
「えぇ~? でもご飯が残って……」
「いいから早く!!」
 3分後。俺達は慌ただしく家を飛び出し、学校までの通学路を一緒に走っていた。
今、走っている道の先に十字路があってそこを真っ直ぐ進めば俺が通っている高校に行くことができる。
右に行って百四十メートルくらい進むと、光が通う小学校があるのだが、足が遅い光にとってそこまでの距離は何倍にも感じるだろう。
このまま光と一緒にいれば確実に俺は遅刻。俺のクラスの担任はとても厳しいことで有名で、たった一回遅刻した奴でもグラウンドを十周させたほどだ。
きっと俺がもし遅刻したらたぶん……
「に、兄さん……もうだめ…」
 俺が振り返ると光が息を荒げながら立ち止まっていた。クソ……光の学校はあと少しだっていうのに……
「おい、光。 大丈夫か?」
「ハァ…む、むり……ハァ…ハァ…」
 どうする? このままじゃどっちも遅刻だ。光を負ぶってでも学校に送りその後俺の学校に……いやそれだと時間が掛かりすぎてしまう。
いっそのこと光を置いて……だぁぁぁぁ!! 考えてる時間なんかねぇ!!
「走るぞ!!」
「え、ちょにいさ」
 俺は光の手を掴むと、そのまま全速力で走り出す。光が慌てて足を前に出し、そのまま二人で光の小学校に向かった。
小学校の校門前に着き、光にあとは自分で行けるか確認した後、俺は必死になって走る。走って走って走って走って。周りの景色がぐにゃぐにゃになるくらい走って。
 え? それでどうなったって? ……見てのとおりだよ。
「……それで今お前と走ってんだろうが」
「だよな~。じゃなかったらこの大熊勇斗くんとは走れなかったわけだし~?」
「できればお前となんか走りたくねぇよ」
「ははは! ま、いいだろ。俺はこんなの退屈で仕方ないぜ……」
「まぁ、ただ走り回るだけだしな」
「そうそう……やっぱさ! もっとスカッとする…」
「はいはい、もうお前のボーリング話は飽きた」
「え~……だって面白いぜ? ボーリング」
「前に俺の家に遊びに来てずっとボーリングの話をして帰っていったのは誰だ?」
「たはは……悪い悪い」
 こいつ……大熊勇斗は生粋のボーリング好きで休みの日は必ず一度は行くほどである。
前回付き合わされたときは俺の手首が文字通り使い物にならなくなるまでやったが、奴の方はというと涼しい顔をしながら平然と投げていた。
……それ以来俺はボーリングをしていない。というか行きたくない。と思っていると、突然大熊が俺の肩をぽんと叩いた。
「おい……あれ見てみろよ」
「あれ? あれってどれだよ」
「ほら! 校舎と体育倉庫の間のとこ!」
「…………あれって……」
「俺らのとこの学級委員長の……」
『「水野 康子」』
「……何でこんなとこにいるんだ?」
「俺が知るか」
 水野 康子……俺のクラスの学級委員長で、成績は優秀、男女からの人気もある。しかし、彼女の厳格な雰囲気によって近寄り難い存在となっている。
ちらっと時計を見るが今はHRの時間だ。普通なら教室にいて担任の話を聞いているはずなのだが……
「なぁ……今って朝のHRの時間だよなぁ?」
「ああ、そうだと思うけど」
「じゃあ何であんなとこにいるんだよ」
「だから俺が知ってるわけないだろ」
 俺がそういうと、大熊は頭を捻り何か考え始めた。こいつが何か考えると大体ろくなことにならない。
例えば、教務室のボールペンの中身を全部擦り替えたり、チョークの色を全て緑にしたりとそのほとんどが地味なもので、そして必ず失敗する。
「よし! 尾行しようぜ尾行!」
「おい……俺達まだ走ってる途中だろ」
「どうせあと二周だ。尾行してるうちにそんくらいの距離走ってるって」
「そういう問題じゃ……」
「というわけで大熊調査隊、しゅっぱ~つ」
 結局俺は大熊に連れられ水野の後を尾行することになってしまった。大熊はまるで探検にでも出かけるみたいにうきうきしている。
俺はというと、心臓がドクン、ドクンと胸に鳴り響く。まるで、何かと共鳴しているかのように。
 水野は体育倉庫の裏の方に向かって歩いている。障害物を利用しつつ接近していく俺達。
体育倉庫の裏側までくると、水野はきょろきょろと辺りを注意しつつ、管理室のドアを開けた。
普段あそこは用務員の人が大道具のチェックとかをしているところのはずだが、なぜこんなところに?
「なぁなぁ……こういうことしてると、0〇7とか思い出さないか?」
「馬鹿喋るな……バレちまうぞ」
「ほほう? 結構ノリノリじゃないの遠馬くん……」
「シッ……話し声が聞こえる……」

――――……も……ない……よね?――――とうぜ……しょ…………それ……話ってのは?――――

「クソ……聞き取りづらいな……もっと接近するか……」
「お、おい……! 遠馬……」
 俺は大熊の制止を無視し、そのままドアの前に来てしまった。ここなら確かに会話はよく聞こえる。
だが、その分相手に見つかりやすくなってしまう。少しでも物音を立てた瞬間、間違いなくバレてしまうだろう。

――――用がなかったらこんなとこには呼ばないよ……それでね、面白いことにいたんだよ。僕らと同じ仲間が……――――――
――――嘘でしょ……? そんなのいるわけ……――――いたんだよ。いちいち嘘を君に言うわけないだろ?
あと……言葉遣いには気を付けた方がいいよ? 『あのこと』をみんなにバラされちゃってもいいんだ~――――
――――……すいません……気を付けます――――気を付けるだけじゃなんにもならないんだよ。分かってるよね、僕の奴隷君?――――
――――はい、分かってます……――――

どういうことだ……? 奴隷……それにバラす? これじゃまるで……脅迫じゃないか……

パキッ

 突然、俺の背後から枝が折れる音が聞こえ、その瞬間俺は自分でも驚くぐらいの瞬発力でその場から逃げ出していた。
一方音を出したであろう張本人はすでに姿が見えないほど離れた場所にいた。あとであいつ一発ぶん殴ってやる……





「ふん、遠馬 竜司……か……面白くなりそうだね、水野さん?」
「……………………」





――――――始まりは気まぐれに始まり………………そして……………………


                                                終わりも迎える。

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