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  • ヨフィウス

■背景設定
●生れ落ちた世界
生まれてすぐ、捨て子として町の道端に捨てられていた。それを偶然、カルデナンド一座の座長に拾われ、命をさずかる。
一座は人形繰りや曲芸、歌舞演劇を生業にして、各地を巡業していた。
年寄りも若い者も、全員が家族のようで、ヨフィウスにも分けへだてなく自分の子や家族であるかのように接してくれるのだった。
占い婆はヨフィウスに学問や呪いを教え、ナイフ投げの男はナイフの投げ方を、東洋の怪人は彼の操る奇妙な武器の操り方を教ええてくれた。
ヨフィウスは、乾いた砂が水を吸い込むがごとく、教える側も驚くほどの飲み込みの良さでそれらの芸を覚えていった。
だがその才が最も開かれたのは物真似の芸である。
彼は、一度見たものは、何でも再現し、真似ることができる特異な才を持っていた。
幼いころは鳥や獣の鳴き真似、10の歳を超えた頃からは人の物真似を習得し、客に披露するようになった。

●幼い日々
ヨフィウスの物真似はやがて評判になり、10歳にして一座の看板芸人に成った。
その頃には、物真似だけではなく、役者としての技も磨いていった。
ヨフィウスの顔は、整ってはいるものの、これといって特徴のないつるりとした顔立ちで、それゆえに化粧や服装、姿勢や立ち振る舞いによっては、いかようにも化けられた。
老婆、少女、果てはゴブリン小鬼まで、見る者がそれとわかっていても、ついうっかりだまされてしまいかねないほどの変わり様だった。
また、こんな芸も人気を博した。
客をひとしきり観察して、しばらく奥にひっこんだのちに、再び現れるとその客の顔になって現れるのである。
しかも、顔だけでなく、話し方や、くせ、特徴まで再現して見せる。
この芸は評判を呼び、たちまち一座の売りと言えるまでになっていった。
ただ、喜ぶのはその客の友人や周りにいるものたちで、やられた本人にとっては、あまり気持ちのいいものではないらしく、客から怒鳴りつけられることもしばしばであった。

●将来の夢
ヨフィウスが14歳のとき、男がやってきた。
その頃、ヨフィウスは一座に欠かせぬ存在となっていた。
だが、彼自身の中に、もやもやとした何かが育っていた。
オレはこのまま、しがない旅芸人として一生を終わるのか。
そんなはずはない。オレはもっと違う存在になれるはず。
勇者にも、王侯貴族にも、魔法使いにだって、オレはなれる。
オレは何にだってなれる。オレの可能性は無限なのだ。
彼の肥大化した自意識は、そう彼自身にうったえかけていた。
それを見て取った男は、彼にひとつの印を渡し、こう云った。
吾は"万の教え"を身につけし者。
"万の教え"を授かれば、汝の力は無限となる。
無限の力が欲しくば、証(あかし)を立てよ。
万にして一、一にして万の力を持つ者であると。
その時、吾、"消えずの大灯火"の下で、再び汝を導かん。
ヨフィウスの目の前で、男は竜になり、巨人になり、獣になり、鳥になって、
いずこかへ飛び去っていった。

ヨフィウスが密かに一座を抜け、旅路についたのは、翌日のことだった。