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*おやつと校長と 「校長先生って、タダモノじゃないと思うんだよねー」 静流が煎餅をかじりながら言った。 「はぁ?どーゆーことだよ」 しゃんどぅがお茶をすすりながら答える。 「この間の放課後、校長が校庭を歩いててさ…そしたらいきなり後ろから野球部のファールボールが飛んできて」 「どうなたアルか?」 ゆっくが月餅を食べつつ言う。 「うーん、それが校長に当たる瞬間にボールが、ポトリってその場に落ちたんだ」 「それ…どういうこと?」 ちあいが林檎の皮を剥きながら言った。 「わかんなーーい!!何も見えなかったんだ。校長はそのまま歩いて行っちゃうし」 「きっと校長センセの周りにはバリアが張られてんやな」 まあとが飴玉で頬を膨らませながら言う。 「単にボールの勢いが無くたって落ちたんじゃね?」 しゃんどぅが静流の煎餅に手を伸ばしたが、素早く打ち払われた 「そんなんじゃないよ!!いきなりポトリ!!だよ」 静流は煎餅を捕られまいと抱え込んだ。 「あれや、きっと凄腕スナイパーが護衛してんねん」 まあとは飴玉をがりがりかみ砕いて、新しいのを舐め出す。 「…漫画や小説じゃないんだから。…見間違いだと思うわ」 ちあいは兎の形に剥かれた林檎を食べる。 「ボクも校長タダモノじゃない思うアルよ。身のこなしとか見ててそう思うアルね」 「身のこなしは茶道とか華道やってるからじゃねーの?」 しゃんどぅがゆっくの月餅に手を伸ばしたところ…ゆっくの冷たい視線がしゃんどぅを突き刺した。 しゃんどぅは慌てて手を引っ込めた。 「ってことは、校長は何か武術やってるのかなー?うふふ…立ち合い立ち合い…」 静流の目がキラキラ輝き出す。 「そういや何かやってるって言ってたぜ。なんだろ、合気道とか?」 しゃんどぅが林檎の載った皿に手を伸ばすと、指の間に包丁が突きたった… しゃんどぅは、ひぃっと小さく悲鳴を挙げる。 「ヾ(εεε@今度こっそり覗いてみるねん」 「出てる出てる!!」 まあとは皆から一斉に言われた。 そんな何気ない会話が交わされていたが、しゃんどぅには一つだけ気になっていることがあった。 師匠からは娘がいるなんて一回も聞いたことないんだよな… 前校長が言わなかっただけなのか、それともあるいは… 「はーい、みんな何してるの?」 しゃんどぅの不穏な思考を打ち消すかのような底抜けの明るい声が響く。 顧問の鳳雨留だった。 「あら、おやつ?センセイにもちょうだい」 静流は煎餅を、ゆっくは月餅を、ちあいは林檎を、まあとは飴を差し出す。 「ちょ、おまえら、なんだよその扱いの違いは…」 「ちゃんと、ちょうだい言わへんからやなー」 「こそり盗ろうなんてセコいアル」 「…兎さん林檎はあげないけど」 「その性根、わたしが叩き直してやる!!」 静流が今にも襲いかかろうとしていた。 「あらぁ、しゃん君、何もないの?じゃあセンセイがチョコをあげるわ」 うるはいきなり自分の胸元に手を突っ込み、どこからともなくチョコを取り出す。 そしてチョコを胸の谷間に挟んだ。 「はい、ど・う・ぞ(はぁと)」 うるはしゃんどぅに急接近する 「ええ!! っておい!! なんだよそれ!!ばかっ…なに考えて…取れるわけねーだろ!!」 予想以上のうろたえにうるは内心満足している。 「早く取らないと、と・ろ・け・ちゃうぞ(はぁと)」 「いいいいいい…いいから早くしまえよッッ!!」 「それとも、溶けてベタベタになっちゃったのを舐めるのが好きなのかしら…(はぁと)」 「あ、あのんおのおおの…おまえな…あばばばばばb」 しゃんどぅはその場から逃げ出した。 「うふふ、センセイの勝ちね」 隊員たちから拍手が起こった。 完

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