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*まあとと白いネコと 「そうなんや、ネコさんがおるんか」 屋上でまあとはスケッチブックに絵を描きながら独り言のように呟く。 ペンを走らせ簡単な猫の絵を描き上げる。 「こんなんか?」 まあとはスケッチブックを掲げる。 いつの間にかまあとの周りには、ひどくおぼろげな、ふわふわした光の固まりのようなものが漂っている。 「え?ちゃうんか。人間なん? アンタでもようわからんて?」 まあとは次のページをめくる。 「ふんふん…白い服着てて…尻尾が生えてるねんな、服から」 さらさらとペンを動かし絵を描き始める。 「あ、帽子にとんがった耳付いてんねんなぁ」 まあとが絵を描く間も光の固まりは、まあとの周りを漂う。 「ちっちゃいんか、ってなんぼくらい? うちよりちっこいんか」 まあとはポケットから飴玉を取り出しほおばる。 「できたでー」 まあとが描き上げた絵を光の固まりに見せつけるかのように突き出す。 光の固まりは、少しだけ明るく点滅した。 「似てる? しかし、こんな子学校におったかなー」 まあとが少し首をかしげて考えた。 光の固まりがまあとの耳元で点滅する。 「かくれんぼしてんねんなぁ。そのうち会えるとええなぁ」 まあとがにっこり笑うと光の固まりが、すっと空へ消えていった。 まあとはその空に手を振った。 まあとは屋上を後にして階段を降りていった。 にゃあ 背後でネコの鳴き声が聞こえて振り返る。 明かり取りの窓の逆光でよく見えないが、誰か立っているようだった。 おかしいな、屋上には誰もおらへんかったのに… そう思いながらよく目をこらしてみると、それは先ほど自分が描いた絵から抜け出したかのような格好の人影であった。 あ… まあとが、ほんの一瞬、瞬きしてる間にその人影は消えていた。 ほんまにおったんやな、白いネコさん にゃあ もう一度、鳴き声が聞こえた。 今度はあたりを見回しても誰もいない。 なんか、また近いうちに会えそうやな まあとはそう感じながら、誰もいない階段に向かって手を振った。 完
*まあとと白いネコと 「そうなんや、ネコさんがおるんか」 屋上でまあとはスケッチブックに絵を描きながら独り言のように呟く。 ペンを走らせ簡単な猫の絵を描き上げる。 「こんなんか?」 まあとはスケッチブックを掲げる。 いつの間にかまあとの周りには、ひどくおぼろげな、ふわふわした光の固まりのようなものが漂っている。 「え?ちゃうんか。人間なん? アンタでもようわからんて?」 まあとは次のページをめくる。 「ふんふん…白い服着てて…尻尾が生えてるねんな、服から」 さらさらとペンを動かし絵を描き始める。 「あ、帽子にとんがった耳付いてんねんなぁ」 まあとが絵を描く間も光の固まりは、まあとの周りを漂う。 「ちっちゃいんか、ってなんぼくらい? うちよりちっこいんか」 まあとはポケットから飴玉を取り出しほおばる。 「できたでー」 まあとが描き上げた絵を光の固まりに見せつけるかのように突き出す。 光の固まりは、少しだけ明るく点滅した。 #image(naho2.jpg) 「似てる? しかし、こんな子学校におったかなー」 まあとが少し首をかしげて考えた。 光の固まりがまあとの耳元で点滅する。 「かくれんぼしてんねんなぁ。そのうち会えるとええなぁ」 まあとがにっこり笑うと光の固まりが、すっと空へ消えていった。 まあとはその空に手を振った。 まあとは屋上を後にして階段を降りていった。 にゃあ 背後でネコの鳴き声が聞こえて振り返る。 明かり取りの窓の逆光でよく見えないが、誰か立っているようだった。 おかしいな、屋上には誰もおらへんかったのに… そう思いながらよく目をこらしてみると、それは先ほど自分が描いた絵から抜け出したかのような格好の人影であった。 #image(nahokaidann.jpg) あ… まあとが、ほんの一瞬、瞬きしてる間にその人影は消えていた。 ほんまにおったんやな、白いネコさん にゃあ もう一度、鳴き声が聞こえた。 今度はあたりを見回しても誰もいない。 なんか、また近いうちに会えそうやな まあとはそう感じながら、誰もいない階段に向かって手を振った。 完

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