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番外編:土曜の昼下がり IF


もし、しゃんどぅがうるの面談をすっぽかしていたら…?


番外編 土曜日の午後 if

「でねー、今日はオープン企画で大食い大会があるんだ」
静流がうきうきとしながら言った

(大食い大会ねぇ、静流なら優勝は間違いないと思うが)

しゃんどぅは、ふと先日小耳に挟んだ噂を思い出した。

今年の相撲部に期待の新人現る!!

なんでもこれまで全試合無敗。
体格はすでに本物の力士並みだという。

(もしかしたら、こいつも出るかも知れねーな)
しゃんどぅは静流と相撲部員の大食い対決する様子を想像し、思わずニヤリと笑った。

「何笑ってんの?」
静流が怪訝な顔でしゃんどぅを見る

「いや、別に…なあ、俺も大食い大会見に行くよ」
「えー、だってうる先生に呼び出されてるんでしょ?」

(呼び出されちゃいるが、どーせあなたにはどんな能力があるの?
って聞かれたり、俺にたいした能力は無いと知って
平々凡々の万年平社員みたい
なんて言われたりするんだろーな…)
などと考えているうちに、しゃんどぅは無性にうるの面談が面倒になってきた。

「イイってイイって。ほんとに重要ならまた機会があるって♪」
「もう、知らないよー。あ、せっかくの手みやげ…」
静流は手に持っていたコンビニ袋を見つめた。
中身はチョコレート菓子のようである。

「やっぱ本番前に慣らし運転は必要よね」
そう言ってもの凄い勢いでチョコレートを食べ始めた。

「おいおい、三箱も食うなよ!!」
「平気、へっちゃら」
あっという間に平らげ、静流は満足そうであった。

「じゃ、行こっか」
空腹を満たした静流が満面の笑みでそう言った。


ステーキハウス「猛牛亭」
それが戦いの場であった。
店舗の屋根の看板には、牛の頭を持つボディビルダー体型の男が腕組みした絵が描かれている。
大会に備えてすでに肉が焼かれているのであろう、店内からはいい匂いが漂ってくる。
その匂いだけで静流は早くもヨダレを垂らし始めている。

店の前には多くの学生が集まっていて、激しく混雑している。
しゃんどぅがきょろきょろと辺りを見回すと、相撲部員と思わしき一団を見つけた。
その中に一人、明らかに他の部員より大柄な男がいる。
噂の新入部員のようだ。

「おい方喰(かたばみ)、かならず優勝して相撲部の威厳を見せつけてやれ!!」
「おっす主将!!」
どうやら新人はカタバミという名前らしい。

大会ルールとして運動部員は代表一名の参加のようだ。
(柔道部やラグビー部の連中が全員参加したら店がつぶれるわな)
しゃんどぅはひとりうなずいた。

  • 後半へ続く


大会は予選と本戦に分かれているようだ
予選ブロック1位の者が本戦に出場できる。
予選ブロックは4つのようだった。つまり4名による本戦が決勝である。

静流は抽選の結果、Aブロックとなった。
相撲部新入部員のカタバミはBブロック、順調に進めば静流とは本戦で当たるはずである。

(おうおう、直接大会は本戦かー。こりゃあ見物だぜ)
しゃんどぅは一人ほくそ笑んだ。
(せっかくの見物だから、あいつらも呼んでやっか)
しゃんどぅは携帯端末wassrを取り出し、防衛隊メンバーへと連絡する。
ちあいとゆっくはすぐにつながり、これからこちらへ向かうとのことであった。
しかし、まあとだけには何度連絡してもつながらない。
(あり?どっかへ外出中かな)
しゃんどぅは諦めてwassrをしまう。

「しゃんどぅ君、お待たせー」
「しゃんどぅ来たアルよ」
ちあいがゆっくとともにやって来た。
「ナイスタイミング、これから静流の予選が始まるぜ」

会場にはすでに静流がスタンバイしている。
静流は待ちきれないとばかりに口を開け舌を出し、肩で荒い息をしている。
「まるで犬アルね…」
ゆっくの言葉を聞き、ちあいがうなずいている。

予選ルールは早食い
用意されたステーキ丼5杯を食べきるまでの早さを競う。

「なあ、お前ら静流なら何分…いや、何秒だと思う?」
「さ、さすがの静流ちゃんでも秒ってのは…」
「いやいや、ちあい、静流ならやるアルよ。とりあえず53秒ってところアルね」

『あーあーテスト、テスト…実況は私、放送部のタザハマがお送りします。なお予選は全ブロック一斉に行われます』
放送部による大会の実況も行われるようだ。

『それでは、まず猛牛亭店長の牛頭(ゴズ)氏より開会の挨拶がございます』
その声とともに壇上に店長のゴズが現れる。
ゴズは見事に光り輝くスキンヘッド、蓄えた口ひげ、浅黒く焼けた肌、そしてボディビルダーと見まごう体型の持ち主であった。
そして、ヒョウ柄のビキニパンツ一枚といういでたちである…

「おまえら肉が好きかーーーー!!!!!!」
マイクも無しに窓ガラスを割らんばかりの腹の底からの叫びをゴズがあげる。

うおおおおぉぉぉおおぉおおおっっっっ!!!!
それに答えんばかりに会場に集まった観衆が声を上げる。

「俺もだ、俺もだよ!!」
ゴズが満足げにうなずき、壇上からおりる

『店主挨拶は以上です!!ありがとうございました』
そのアナウンスを聞いてしゃんどぅは脱力する

「なんじゃそりゃ…」
この意味不明のテンションについて行けないといった風に肩を落とす。

『それでは、予選開始ッッ!!!!』
いつの間にか会場に設置されていた銅鑼が鳴らされる。
その音を聞いて選手たちが一斉にステーキ丼にむさぼりつく。

「すげえ光景だな、おい」
偏食気味で小食気味なしゃんどぅには驚くべき光景であった。
飛び散る米粒と肉汁、箸がどんぶりに打ち付けられる音が響く。
そして観衆たちの挙げる熱気が尋常ではない。

「はっきり言って、みんなバカあるね…」
ゆっくがぼそりと呟く。

静流は二杯目を食べ終え、三杯目へと手を伸ばす。
しゃんどぅは会場に設置された大型ストップウォッチを見る。
30秒を過ぎた所であった。
このペースで行くと、ゆっくの予想した50秒台で食べ終わるだろう。

静流は四杯目を食べ、最後の五杯目に手を伸ばした。
しゃんどぅはBブロックを見た。
静流とほぼ同じタイミングで相撲部のカタバミも五杯目に手を伸ばしていた。

カタバミは静流に負けぬ勢いで食う、食う!! 食う!!!!
しゃんどぅは静流とカタバミを交互に見る。
どんぶりの中身はよく見えないが、かなりのデッドヒートに違いない。
そして銅鑼の音が鳴らされた

『Aブロック勝者、雫静流ッッ!!タイムは…52.8秒!!』
会場から歓声が上がる。

「アイヤーぼくの予想を上回ったアルか」
ゆっくが驚きの声を出した

『Bブロック勝者、方喰竜司!!タイムは…なんとこちらも52.8秒だ!!!!』
静流とカタバミは同じタイムであった。
お互いがお互いを倒すべき敵だと認識したのか、早くも静流とカタバミは睨み合っている。

それからかなり遅れてCとDブロックの勝者が告げられた。
タイムはいずれも5分台。静流とカタバミの敵にはならないだろう。

『それではこれから一時間のインターバルとします』
休憩が告げられ壇上では一斉に片づけが始まる。

『ああっと、ここで緊急連絡です!!Cブロック勝者がこれ以上食べられないとリタイア!!そしてDブロック勝者が腹痛のためリタイア!!』
とたんに会場がざわつき出す。と、なれば静流とカタバミの一騎打ちであろうか

『大会ルールでは一位の者がリタイアのさいは二位の者が本戦進出となっておりますが、Cブロック二位通過者は辞退』
会場中からブーイングがおこる

『そしてDブロック二位通過者は快諾いたしました!!』
そして会場から大きなどよめきが起きる

『Dブロックから本戦に上がるのは…当麻まあとッッッ!!!!』

「な、なんだってーーーーー!!!!」
会場の大歓声とは別の叫びをしゃんどぅは挙げた


待て完結編!!