「あのう、蠍、さん」 「……」 「俺、制限ってやつのせいで、すげえ疲れてるっぽいです」 「……ああ」 「あんたも能力使いっすか?」 「暗示。催眠。制限は発情」 は、発情!? 驚きが顔に出てたらしく、蠍は恥ずかしそうにそっと目を反らした。 「さっき獅子を眠らせてきた」 「……はぁ」 「だから、制限が出てた。すまない」 「……?」 「一回への階段は、北の奥。エッシャーの絵の横」 「あ……」 ありがとうを言う前に、蠍はそばのドアをあけて、入って行ってしまった。 なんだろう。なにか変な気がする。なにか大切なことを言わなければならないのに、忘れてるみたいな。 あと、なんで蠍は、俺が一階に行きたがってるって知ってたんだろう。 そのあと建物じゅうをぐるぐる歩き回り、俺は、ひとつの結論を出した。 ------------------------------------------------------------------- 水で続きを書いてみました。ご感想ありがとうございました。 -[[続き・風星座編へ>風]] -[[超能力SSメニューへ>超能力SS0]]