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蠍は下を向いたまま、小さな声で沈黙を破った。 「誕生日なのに気を悪くさせちゃったな。ごめん。俺、帰るわ」 「……だから、お前の気持ちはわかってるって言ったじゃん」 帰ろうと身を翻した蠍を無理やり抱き寄せて、俺は耳元で囁いた。 「つまりさぁ、プレゼントはお前ってことだろ?ありがたく受け取った」 蠍の顔を見ると、思いっきり目を見開いたまま固まっていた。その様子があまり にいとおしくて、俺は今度こそ本当にキスをしようと、蠍の髪を優しく撫でた。 すると、蠍がとたんに照れたような表情になり、髪のすき間からちらっと見えた 耳は真っ赤になっていた。あれ、蠍って意外と、硬派って言うより純情派?そう 思ったら急に俺まで恥ずかしくなって、何もできなくなってしまった。結局俺た ちは、今夜もう一度俺の部屋で会う約束だけをして、ぎこちなくその場をあとに した。 -[[続き>双子誕生日ネタ5]]

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