「水2」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

水2」(2008/12/10 (水) 22:22:06) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 で、今登場した、頭がおかしくないほうの男が、ドアを指しながらこう言った。 「ではお医者さんにご褒美です。台所に、僕の作ったカップケーキがあるから、行っ て食べてきましょう」 「はぁい。やったあ。ぼく蟹のおかしだいすき」  魚は椅子から跳ねるように下りると、ばたばたと部屋を駆け出て行った。  残されたほうは(蟹というのか?)、魚の背中を見送ったあと、はあっと息をつい た。 「わりと知能が残されてるってことは、きみのそれは、そう複雑な制限でもなかった んだ。たぶん単純な疲労だよ」  また出たぞ。意味不明のセリフ。  うんざりしている俺に蟹は微笑みかける。 「良かったね。ただの疲労なら、魚が完璧に治してくれたと思うから」 「お医者さんには見えなかったぜ……」 「だけど魚の能力はお医者さんよりも凄い。そのかわりに、ああいう制限が出てしま うわけだけど」 「制限ってなんだよ」  俺は単純に聞いただけなんだが、蟹は目を丸くしていた。 「獅子はきみに何も説明しなかったのか?」 「いきなり燃やされた」 「ええっ!?」 「あいつ、俺をいきなり燃やして、すっごく嬉しそうだった」  蟹はぐったりとして、ベッドのふちに手を置きつつ、言った。 「その……、彼は悪い人じゃないんだよ。あれでも普通の人間なんだ。火を使えるっ てだけで」 「普通の人間は、いきなり俺を燃やさねえだろ」 「ううん、そうなんだけど、彼はあの能力と引き換えに、「痛み」という制限を持っ てる」  だから制限ってなんだ。何回も聞いた言葉だ。  俺は黙って、蟹の言葉の続きを待った。  蟹はうなずいて、説明を始めた。 -[[続き>水3]]
 で、今登場した、頭がおかしくないほうの男が、ドアを指しながらこう言った。 「ではお医者さんにご褒美です。台所に、僕の作ったカップケーキがあるから、行って食べてきましょう」 「はぁい。やったあ。ぼく蟹のおかしだいすき」  魚は椅子から跳ねるように下りると、ばたばたと部屋を駆け出て行った。  残されたほうは(蟹というのか?)、魚の背中を見送ったあと、はあっと息をついた。 「わりと知能が残されてるってことは、きみのそれは、そう複雑な制限でもなかったんだ。たぶん単純な疲労だよ」  また出たぞ。意味不明のセリフ。  うんざりしている俺に蟹は微笑みかける。 「良かったね。ただの疲労なら、魚が完璧に治してくれたと思うから」 「お医者さんには見えなかったぜ……」 「だけど魚の能力はお医者さんよりも凄い。そのかわりに、ああいう制限が出てしまうわけだけど」 「制限ってなんだよ」  俺は単純に聞いただけなんだが、蟹は目を丸くしていた。 「獅子はきみに何も説明しなかったのか?」 「いきなり燃やされた」 「ええっ!?」 「あいつ、俺をいきなり燃やして、すっごく嬉しそうだった」  蟹はぐったりとして、ベッドのふちに手を置きつつ、言った。 「その……、彼は悪い人じゃないんだよ。あれでも普通の人間なんだ。火を使えるってだけで」 「普通の人間は、いきなり俺を燃やさねえだろ」 「ううん、そうなんだけど、彼はあの能力と引き換えに、「痛み」という制限を持ってる」  だから制限ってなんだ。何回も聞いた言葉だ。  俺は黙って、蟹の言葉の続きを待った。  蟹はうなずいて、説明を始めた。 -[[続き>水3]]

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: