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七夕獅子蟹9」(2008/08/16 (土) 20:36:30) の最新版変更点

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 蟹は獅子のほうを振り向く。きくまでもなく、蟹自身も同じ内容の短冊を書いて吊るした。 獅子は照れてそっぽをむきながら、しかめっ面で小さく鼻先を掻いていた。 「獅子。俺が今日一日どれだけお前のことを好きだったか、もう一回話してもいい?」 「どうぞどうぞ」 「できればお前の隣で」 「ああどうぞどうぞ」  あしらうふりをして玄関に座る獅子の肩が、ほっと緩むのが見えた。隣に座って一緒に 廊下の七夕飾りを鑑賞する。何から話しはじめようかと蟹が幸せな顔で黙っていると、 横から顔が迫ってきて獅子とキスする形になった。 「今日はもうちょっと先へ行こうか」 「お前の話を聞いてからな」  二人で苦笑して、軒先で手をつなぐ。  一日怖かったことも哀しかったことも、全部埋めてもらえるとわかって蟹は幸せだった。 おしまい --------------------------------------------------------------------- 書きながらの長文投下で失礼しました。ありがとうございました! -[[小説メニューへ>小説]]

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