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水2_03」(2008/08/23 (土) 19:40:28) の最新版変更点

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「よー牡羊。どうした、こんなところで」 「先輩こそどうしたんすか。今日はクラブは?」 「部員のほとんどが腹痛で倒れてな。休みになった」  大丈夫かよ! 試合はあさってだぞ!?  俺がそのことを尋ねると、先輩は暗い顔になった。 「まあ負けるだろうなあ。向こうの野球部、強ぇしなあ」 「弱気っすね」 「おまえ助っ人で試合出ねぇ? おまえが居りゃ勝てると思うんだが」 「あー……、無理っす」 「なんで」  俺は嘘ってやつが苦手だし嫌いだ。けど今は嘘をつかなきゃならない。 「よ、用事があって」 「そもそもおまえ、なんでクラブ辞めたんだよ。期待してたのに」  つらい。俺だって辞めたくなかったんだ。けどそれは言えない。 「なんか俺、病気らしくって。野球やめなきゃ死ぬらしいんで」 「どんな病気だそりゃ。どう見たって元気じゃねえかおまえ」 「いやもう駄目です。毎日ボロボロです。あちこち怪我してるし」  それは本当のことなんだが、先輩は変な顔をした。 「俺は戻るべきだと思うけどな」  ああ辛ぇ。俺は黙って頭をぶんぶん横に振った。必死だった。  先輩はバットをかつぐと、あご先で例の大岩を指した。 「ところで話は変わるけど、あの岩、あんなところにあったっけ?」  違います。俺が動かしたんです。 「なんかサイズも変わってるよな。縮んでる」  特訓してるうちに欠けちまったんです。 「橋も燃えちまったし、なんか変だよな、ここ」  そりゃ獅子って名前の馬鹿が燃やしたんです。  駄目だ心臓に悪い。今日はもう帰るべきか。どのみちこの人が居たんじゃ特訓でき ない。  俺が帰宅することをつげると、先輩は俺を止めた。 「帰る前にちょっと手伝ってくれ。ボールを捜してるんだ。さっきフォームの練習し てて落とした」 -[[続き>水2_04]]

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