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水2_11」(2008/08/23 (土) 19:46:10) の最新版変更点

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 俺は襲われた。俺は危機に陥った。俺は魚に救われた。俺は殺した。  さすがに犯されかけたことは省略したけど、まあ大切なことはすべて話したと思う。  あとは周りにまかせて、俺はおもいきり気絶した。  眠って、眠って、目覚めたら二日経ってて、俺は盛大な空腹をかかえていた。  台所に駆け下りた。 「蟹! メシ!」  台所に居た蟹はぽかんとしていたが、あわてて俺に駆け寄ってくると、俺の両肩を 掴んだ。 「大丈夫なのか牡羊! もうダメージは残ってない?」 「大丈夫じゃねえよ最悪だよ腹が減って死ぬ! 蟹メシくれ!」  蟹が腕まくりして冷蔵庫に向かうのを見てから、俺は箸をつかんでロビーに行き、 テーブルについた。  テーブルには蠍も居て、コーヒーを飲んでいた。俺を見もせずに言った。 「カラ元気だな」  ぐさっと来た。  俺はテーブルに体を投げ出し、頬をクロスにくっつけて、白い布地に箸でうずまき 線を描いた。 「なにも考えたくねえ……」 「無理だろう」 「魚、どうしてる」 「10代まで戻った。いま水瓶と遊びに行ってる」 「河原は」 「死体が消えた。たぶん敵の仲間が処理した」 「俺、先輩を殺しちまった」 「苦しいなら記憶を消してやるが?」  俺は断った。それは、しちゃいけないことだと思うんだ。なんとなく。  蟹が色々運んできた。おにぎりと、焼き鮭と、味噌汁と、漬物だった。  行儀悪くむさぼる俺を蟹は怒らなかった。俺の正面に腰かけ、俺の食事をじっと見 守っている。  やがて食い終えた俺に、蟹は言った。 「あのね牡羊。きみはなにも悪くないよ」 -[[続き>水2_12]]

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